「生命保険営業の仕事に就いてよかったな~」と思うことはいくつかあります。
数字的には、300週間連続で契約を挙げたこと、短期コンテストで常に入賞したことは、私のささやかな自慢ですが、しかし、「その程度で自慢するなよ」と言う人は数え切れないほど居るでしょう。
それも当然。短気な私ですが、言われても腹も立ちません。
それよりも、そうした実績を週3日の営業で達成したこと、そして、周囲の仲間達から、
「楽しそうだよね」
「飄々と契約取ってくるよね」
「ストレス、ないでしょ?」
といったことをいつも言われていたた事の方が、はるかに自慢できます。
さらには、生命保険セールスに転進したおかげで、書家として3冊の本を書き、その他にも6冊の本を刊行いただき、自分の店まで持てた事は、実にありがたいことだと思っています。
しかし、何よりの自慢は、
「こんなに子供と一緒に居た時間の長い父ちゃんは、滅多にいないだろうな」
と思えることです。
子供が生れて約半年後に、サラリーマンを辞め、生命保険セールスの世界に入りました。
「お父ちゃん、売れなかったよ」では済まされない状況でしたが、切迫感も悲壮感もなく、ただただ嬉しいばかりでした。
なぜなら、最初の1年は週3日半、2年目からは週3日だけ保険の仕事をすると決めていましたので、子供と一緒に居る時間がサラリーマン時代よりも一気に増えるからです。
子供が幼稚園に入ってしばらくすると、友達がたくさん家に遊びに来るようになりました。
可愛い声が聞こえてくると、嬉しくなって階下に降りて行きます。
「おっ、来てるな、来てるな。いっぱい来てるな!」
そう言って、子供達の遊びを眺めたり、たまには一緒に遊んでやったりします。
そうしたら、ある時、友達の一人が私を指差して、息子にこう言いました。
「ねえ、どうしてトシくんのパパは、いつも家に居るの?」
息子は、それが当たり前だと思っているので、きょとんとした顔で友達に聞きました。
「お父さん、家に居ないの?」
「居ない。夜遅くに帰ってくるから日曜日しか遊べない。トシくんイイな~」
私は、ものすごく嬉しくなって、大笑いしました。
そして、友達に教えてあげました。
「トシくんの父ちゃんは、どうして家に居るのか、教えてやろうか」
「うん」
「貴族だから。はい、言ってごらん・・・キゾクだから」
「キゾクだから」
「貴族だから」
「キゾクだから」
「よし。よく言えた。わかったね。ワッハッハ!」
ホント、生命保険営業マンになってよかったです。
子供との時間、家族との時間が取れるから・・・と、生保セールスになった方は数多くいるでしょう。
しかし実際には、平日は夜遅くまで仕事、土日も仕事、家にいても気が安まることがない、それなのに全然儲からない・・・。
こういう会社、こういうシステム、こういう状況に陥らせる指導者を、私は心から憎むのです!!!