「なぜ生命保険が売れるの?」(2)

生命保険営業の本質!

 「なぜ生命保険が売れるの?」

 その答えは、

 1、見込み客に手を上げさせることができた。
 2、その人を納得させることができた。

 この2つなのだけれども、実は、もっと大切なことが1つある。
 それは、「人としてちゃんとしている」ということ。
 これがあるから、上記1、2が成立する。
 逆を言えば、これがないと、上記1、2は成し得ない。

 ということで、前回の続き。
 前回の記事はこちらです。

 では、行きます。
 マルコム・グラッドウェルの「1万時間の法則」って、知ってるかな?
 「どんな才能や技量も、1万時間練習を続ければ本物になる」。

 アマチュアのピアニストは、20歳時点での練習時間が2000時間。
 プロの場合は10000時間。
 だからプロとして食って行けるようになる……ということ。
 彼が著書で伝えたかった主旨は、このことではないのだけれども、この「1万時間の法則」はとってもわかりやすいから、各所で一人歩きしてしまっているのです。

 で、自分の場合も計算してみました。

 私は「書で食って行けるようになろう!」と思っていたからこそ、生保セールスの世界に入ることができたワケですが、そう思ってからソニー生命に行くまでのサラリーマン時代に「書」に費やした時間は……約1440時間。子供時代を入れても、せいぜい2000時間。
 で、ソニー生命時代はと言うと、6年半で約12,480時間。
 充分に食って行けるレベルになれる時間を費やしています。
 だから、公募展に初出品で初受賞できたし、翌年にはその審査員たちと同じ資格(権威なんか全然感じていないけれども)を得ることができました。

 まあ、私の書の話は、あなたにとってはどうでもイイ話でしょうが、「生保セールスとして」の時間の話になると、俄然、興味が湧くはずです。

 前置きはさておき、計算してみると、私がソニー生命時代に「生保セールスとしての仕事と研鑽」に費やした時間は、約1500時間しかありませんでした。
 要するに、まだまだアマチュアレベルだったということですよ。
 でも、あくまで相対評価だから、セールス全体の「ド素人度合い」がヒド過ぎたおかげで、それでも食って行けたのです。

 対して、ソニー卒業後は、2001〜2005年の5年間で約11,520時間。
 つまりは、1995年の8月に生保セールスになって、約10年くらいで1万時間を超えたということです。

 ここで、「あれ?」と思った人もいるはずです。
 「オレ、生保セールスになって5年だけど、もう1万時間近くになるぞ?……6年半で1500時間って……三洞の計算、間違ってないか?」

 大丈夫。間違ってません。
 あのね、「仕事と研鑽に費やした時間」というのは、「家を出てから帰宅するまでの時間」とは全〜然違うからね。サラリーマンじゃないのだから。
 「行くところがないから、仕方なく喫茶店にいた」「ミーティングで詰められて、ただただ耐えていた」なんて時間は、そこに含めちゃダメなのよ。

 私のセミナーでは、【Section8】で、「希望する年収を得るために必要な時給」を計算するけれども、その際には「一応、自分は仕事をしていた」と思っている時間に0,2を掛けます。
 これは、リッチ・シェフレンのセミナーで教わりました。
 「直接、利益につながる実質的な仕事時間は、全体の2割だから、0,2を掛けなさい」ということです。

 でも、ソニー卒業後に費やした時間に対しては、0,2を掛けていません。
 なぜなら、移動も何もなく、ただただ売上に直結するシステムを作っていたから。
 約11,520時間でも、控え目な計算なのですよ。
 だから、WEBだけで平均2000万円を稼ぐシステムが構築できたのです。

 これを、例えば今の一般的なソニー生命のライフプランナーの場合で計算すると、1日8時間で週に5日仕事をするとして、年間で384時間。
 とすると、1万時間に到達するには26年が掛かる。
 私がず〜っとソニー生命にいて、1日8時間、週に5日仕事をした場合、ようやく今になって1万時間になるということ。

 恐ろしい数字だと思わない?

 「人としてちゃんとしている」という意味の中には、「プロとして食って行けるだけのスキルが身に付いている」ということが、もちろん含まれます。
 そして、「それをちゃんと見込み客が感じ取れる」ということが必要になります。
 そうなるためには、「会社が教えるやり方」に沿っていると26年も掛かっちゃう。

 ……93%が廃業に至るのも、当然ですよね。


 でも……ご安心ください。
 「プロとして食って行けるだけのスキルを身に付けるには、26年も掛かってしまうの?」なんてことはありません。
 理由は2つ。

<1>
 私たち生保セールスの場合、「スキル」は計測しにくいし、あくまで相対評価。
 周囲の平均的なスキルが低すぎるし、しかもそれは26年前に比べて、進歩していない。むしろ退化している。

<2>
 スキルの習得には「時間を掛ける」という方法と、もう1つ「効率化」という方法がある。
 誰もがこの2つを併用している。
 今時、何かを知ろうとしたら、いきなり図書館に行って本を探す人はいない。ググってから、アマゾンで注文するもんね。


 セミナーでは、夕方になると、この声が出るんだよね〜。
 「え〜、もうこんな時間!」
 私が26年掛けて習得したことの基本部分を凝縮して喋っているのだから、時間も加速しているのですよ。

 そして、受講後には、誰もがこう言います。
 「もう○ヶ月が経っちゃいました!」
 ここでも時間は加速しているのです。
 アインシュタインやホーキングだって、「それは物理的にも正しい」と言うはずです。


 つまり、正しい理論を知らず、何も考えずに会社依存で仕事をしていると、プロとして食って行けるだけのスキルを身に付けるのは、26年が掛かるということ。

 ……徒弟制度じゃないのだからね。
 そもそも、そんなアホなことをやってたら、即死するに決まっています。

 以上、「なぜ生命保険が売れるの?」の解説でした。