「笑いが取れない人」は売れない

生命保険営業の本質!

笑いが取れないって言ったって、吉本の芸人さんじゃないのだから、爆笑させたって意味はありません。

私たちはあくまでセールスですから、契約になるトークさえ発することができればイイのです。

 でも、「話術が巧みで、ユーモアのセンスがある人の方が売れる」みたいに思っている人って、非常に多いんですよね。「自分はそういうのは苦手だから、できる人がうらやましい」って思っちゃう。

 実はこれも、大いなる既成概念なのです!
 むしろ「真逆」と言ってもイイかもしれません。

 私の周囲の「楽しく長く売り続けている人」で、「小さい頃からずっと、上手に会話ができたんだろうな~」と思えるのは・・・きっと、プルの本間ちゃんぐらいですよ。
 スウ3は今はできるけど、でも、できなかった時期も間違いなくあったはずです。
 さらに私は、スウ3が受講生たちと会話をしているシーンをたくさん見ていますが、実は「会話のやり取り」って、とっても少ないんですよ。ただ、会話に加わっている人がそう思わないだけ。

 誰だっけな~、「クロージングの心理技術21」のドルー・エリック・ホイットマンだと思うけど、飛行機で隣りに座った老婦人が話しかけてきたので、笑顔で相槌を打ちながら、ちゃんと聞いてあげた。そうしたら降りる時に「こんな楽しい話が聞けた空の旅は初めてよ!」と感謝されたそうです。彼はほとんど喋っていないのに、コミュニケーションの相手は「会話している」と感じているということですね。

 スウ3の話も、まさにそう。
 傍で聞いていると、喋っているのはスウ3ばっかりだし、スウ3自身の話しかしていません。得意の持ちネタで、ウチの店ではもはや「使用禁止」(話が長すぎるから)の「結婚&退社&夫婦でテントで海外放浪生活ネタ話」でも、延々3時間、自分たち夫婦の過去のことしか喋ってませんから。

 ただし、「でさぁ・・・どう思うどう思うどう思う?」のような投げかけが適宜入るから(これを私はやらない、と言うかできない)、相手も会話に加わったような気になるのです。
 もちろんスウ3も、「今、どうやって見込み客を集めているの?」みたいなことを聞いて、返ってきた言葉に対して適切なアドバイスを与えることはよくありますよ。
 でもそれは、私の受講生だからこそだし、返ってきたのが「・・・う~ん、よくわかんないけど・・・テレアポと活動です」みたいな言葉だったら、答える気にもなれないだろうし、酔ってきちゃったら・・・答えられない質問を機関銃のように発して、「どうなんだ! だからダメなんだ!」と怒るだけですから。

 スウ3のマブダチの高橋さんは・・・寡黙ってほどじゃないけど、あんまり喋りません。そして、話す内容は、やっぱり「自分のこと」。
 私自身、サラリーマン時代に一番苦手だったのが合コンで、セールスになってからは立食パーティーだから、典型的な「他人と自然な会話ができない男」なのです。会話っぽいことができるようになったのは、45歳を過ぎた頃からですよ。
 もっとも、会話の相手が受講生だから喋れるんですけどね。

 そして、究極はジョニーちゃん。
 彼の「活動」のメインは、飲み会と相撲観戦。それであんしん生命で毎年1桁順位だと聞けば、  「余程会話が上手な人なんだろうな」って思うだろうけど・・・彼、会話はものすご~く下手なのです!
 「誰がイケメンやねん!」みたいな小技をいくつかと、多数の自虐ネタを発するだけ。自虐ネタだって、会話の中で自然に出るのではなく、唐突に出て単発で終わりますからね。そう言えば、ミスターTOTの北條健二も、自虐ネタの宝庫ですし。

 そんなジョニーちゃんが「生保セールスで一緒に飲むのは三洞さんだけ」と言ってくれるのは、お互い「聞かない&単発ネタ」の「会話しない飲み」の波長が合うからなのでしょう。
 ただしその分、「ものすご~く準備しているのだろうな~」ということは、いつも思います。何をどう喋ったら笑いが取れるのかを、常にシミュレーションしているのでしょう。
 
 自虐ネタとまでは行かなくても、自分ネタで笑いを誘えるのは「自分を出せている」ということであり「ストーリーを語っている」ということ。
 私やスウ3は、自分のことばっかり語っているけど、受講生の「自分ネタ」って、あんまり聞いたことがないし、それで笑えたことって・・・存在自体が「自虐」の熊本の山口は別にして・・・思い出してみても、思い出せないもんな~。
 私に対してならそれでもイイけど、見込み客候補者に対してそういう状態だと、あなたに興味を持ってもらえませんからね。

 念のため。
 対面でのセールストークに「笑い」なんか必要ないですよ。
 ただ、言葉には「笑える・笑えない」のプラスマイナスがあるという認識が必要です。半円形のメーターで、針が真ん中にあるイメージ。
 で、アプローチトークでは、一瞬だけど、針がプラスにグッと動く。ここでマイナスに振れちゃうと「台無しになる」。
 プレゼンテーションでは、針が常に少しだけプラスに振れている。ここに「禁句」を入れちゃって、針がマイナスに振れると、これまた「台無しになる」。
 笑える、笑えないってのは、こういうレベルの話ですし、プロとしての食えるレベルのトークスキルとは、こういうレベルの話ですからね。