契約までのハードルを下げる

生命保険営業の本質!

重要なことなので何度でも言いますが、ビジネスには指標というものが必要で、それがなかったら修正も改善もできません。

私たち生保セールスにとっての唯一の指標は「時間あたり売上」。
指標数値向上のためには、売上を増やすよりも時間を減らす方がはるかに簡単。
だから、時間を減らすための数々の施策を実行する・・これが「まともな」「売れる」ビジネスです。

ちょっと前の記事で、その「時間を減らす方法」を列挙しました。
再掲します。

●遠くに行かない(会社と自宅、近い方に行く)

●できるだけ来てもらう

●行かずに(会わずに)、手紙やメールで商談・対応する

●アポがある人が勤務する会社で「活動」する

●アポがある場所の近くで「活動」する

●アポがある場所からの帰り道で「活動」する

●1人ではなく、複数の見込み客が同時に見付かるような「言葉」を準備する

●通常は2回、理想は1回の面談でセールスを完結させる(契約作業は別)

●FFは2分で終了。電話でもメールでも済むから、単独のセールスステップにはしない。

●嫌いなタイプの人、見込みがなさそうな人とは商談しない

●電話には決まった時間しか出ない

●保全は極力やらない

●証券も証券ケースも郵送

そして、前回の記事では、「1人ではなく、複数の見込み客が同時に見付かるような『言葉』を準備する」について、具体的にどういうことかということを書いたわけです。

そうしたら、早速、こんな主旨のメールをいただきました。

「ものすごく役に立ちました。たしかに、1人の人と会うものという固定観念で仕事をしていましたが、3人の方が嬉しいに決まっています。今後は意識して複数の人と会えるよう、言葉を準備したいと思います。
その上で質問させて下さい。三洞さんは、その他に、列挙した中のどんなことをやっていたのでしょうか?」

ということで、毎度のこの本から。

「屁理屈なし! 社長のための時間の使い方」ダン・ケネディ

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 行き詰ったら、状況を変える何らかの策を取るだけでは不十分だ。ジム・ローンはこれを“大量の対策の原則”と呼んでいる。大きな成功を収めた人を見てみると、彼らは大量の策を取っている。1つの問題に対して1つの解決法を試すだけではなく、同時に20もの策を講じているのだ。
 以前、ある歯科医が私の週末セミナーから家に帰ったあとで電話をくれた。そして「診療で変えるべき点を300項目挙げました」と言った。彼は毎週10項目ずつ実行していった。30週たって、彼はリストの項目を、大きいものから小さいものまで全部やり終えた。そして、広告費もマーケティング費もまったく同じまま、同じオフィスで、同じスタッフで、彼の診察数は4倍になった。大量の対策を取ったからである。
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私の場合、こんなに凄くないし、ここまできっちりできないけれども、でも、列挙した項目は全部私がやっていたことです。思い出せば、もっと書けると思います。
そうでなかったら、家人から「父ちゃん、週3日働くって言ってるけど、せいぜい2日半ぐらいだと思う」なんて言われながら、毎週契約を取って来るなんてできませんからね。

でね、いつも思うんですけど、生保セールス従事者のほとんどの人が、やっていることの数が少な過ぎるんですよね~。
例えば最も大事な「見込み客発見のための方法」。
「何をやってますか?」と聞くと、困ったように「電話と紹介・・」。
それで売れるなら、困っている人や辞めちゃう人なんかいませんよ。

上記引用文にあるように、ビジネスには「大量の対策」が必要なのです。
セミナー受講生でさえ、受講後になかなか数字が伸びない人の話を聞くと、新たなことを2つしかやっていないケースが非常に多い。
「2つ? 20個じゃなくて、たったの2つなの?」って思います。
しかも、行動が驚くほど遅いし。

でもね、よくよく聞くと、小さな変化はたくさんあるんですよ。
そりゃそうですよ、10時間も私の話を聞いたのだし、ワークも課題もたくさんあるしね。
ところが残念なことに、その変化や気付きを具体的な行動に落とし込めていない。
なぜそうなっちゃうの?・・ってさらに質問すると、やはり原因は「あなたを売れなくする悪しき既成概念」なのです。
「そういうものだと思ってた」みたいな。

そうした既成概念を払拭して(頭の中から除去・消毒して)、「時間を減らす」ための具体的は施策を出来る限りたくさん実行することが、「売上アップ」に直結します。

ものすごくわかりやす~い例をあげましょうね。
あなたが110メートルハードル競争に挑むとします。
ただし、このハードル競争は公式のものとはちょっと違っていて、ハードルの数を自由に選べます。

あなた、何個にします?
速いタイムを出したいのなら・・1個にしますよね?

言いたいこと、わかりますよね。
セールスステップの数と面談回数は、減らした方が、文字通り、契約までのハードルが低くなるに決まってます。

私は、個人相手に保険を売る場合、紹介なら1回、そうでない場合は2回の面談でセールスプロセスを終了していました。
契約作業とか診査は回数には含めませんが、たまたま会った人と酒の席で話した場合、それは1回とカウントします。それでも2回でセールスプロセスは終了です。

だから・・「でも」じゃなくて「だから」!・・毎週コンスタントに契約が取れていたのです。
なぜなら、ハードルの数が少ないから。

そして、最も大切な「顧客」が、それを望むから。
そりゃそうでしょ?
1回で治る歯医者と、5回掛かる歯医者だったら、誰だって前者を選びます。

このように、すべての場面において、「時間を減らす」ための数多くの行動が必要なのです。