顧客に「行動させる」ためには?

生命保険営業の本質!

 「靴を履いたら単なる作業」・・・これ、私の名言だと思ってます。

 頭脳労働者である私たちの「真の仕事」は、自室のいつもあなたが座っている場所で行われます。
 これが、前回書いた「誰にも邪魔されない、自分が主導権を握れる環境」。

 靴を履いたら・・・プロとしてきっちり契約を取ってくるのみであり、それは「単なる作業」です。
 そこが「本番」だと思っている「勘違い起業家」だらけだから、3年以内に93%が廃業に至るのです。

 この言葉の他にも、「名言だな〜」と自負している言葉がいくつかあって、その一つがこれ。

 「プレゼンテーションとは、目隠ししている顧客の手を引いて、すんなりとゴールまで連れて行く行為」

 いや〜、まさに名言ですね〜(笑)。

 この言葉について、マーケティング・レターの6月号に、こんなことを書きました。

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◆目的は「行動させること」

 「目隠ししている顧客の手を引いて、スムースにゴールまで連れて行く」・・・常に、「悪しき既成概念」を取り払って、素直に、平明な視線を持って考えなければいけません。
 不安なくスムースにゴールまで導くためには、どうするべきなのでしょうか?
 
 ●歩数が少ない方がいい。
 ●時間が短い方がいい。
 ●まっすぐ歩いた方がいい。

 誰だってわかりますよね。
 ところが、会社の教えは「時間をかけて」「たくさん」「説明」すれば売れる・・・真逆でしょ?

 購買心理学の「常識」ですが、そもそも、「購買頻度が低く」「購入価格が高く」「内容がわかりにくい」商品ほど、「人は感情でモノを買う」。
 生命保険はその典型。だから「説明」では売れないのです。

 「説明レベル」のトークは、言葉の数が増えるほどに、時間は掛かるし、前に行ったと思ったら横移動したり、逆戻りしたり、その場でクルクル回ったりするトークですよ。
 目隠しされている顧客は「どうやったらこの状況から逃げられるのか?」ばかりを必死に考えることになります。

 セールスとは「行動させること」です。
 あなたのセールスのシステムのすべてが、顧客に「行動させる」ものになっていなければなりません。

●オファー(見込客発見)の段階

→「その本、欲しいです」「そのセミナーなら参加したいです」「その話なら、聞きたいです」と手を挙げさせ、申し込みフォームに名前と連絡先を残させる。

●アプローチ(初回コンタクト)の段階

→「この人の話の続きを聞かないと、損をする」と思わせ、プレゼンテーションを受けることを承諾させる(もちろん日時を決める)。

●プレゼンテーションの段階

→「申込書に署名する」と言わせる(もちろん日時を決める)。

 次の段階の「紹介入手」になると、上記とは「ちょっとだけニュアンスが変わる」のですが(プロとして食って行くためには、このレベルでの深い認識が必要)、それを書くとものすごい量になってしまうので、別の機会に。

 顧客に「行動させる」ためには、行動につながる言葉のみを選ぶ必要があります。だから「顧客側の動詞」が必要なのです。「あなたが行動しないと何も起こらない」と深層心理に訴えかける言葉のみで構成された台本を喋ることによって、顧客が行動します。
 だから、売り手側の動詞である「いただく」は禁句だし、動詞ではなくても、「弊社」「私ども」「〇〇生命」といった言葉も禁句なのです。
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 この後、契約につながるトークについてしつこく書いているのですが・・・この文章だけでも、会社の教えるレベルが、ホント、幼稚園児レベルだってことは明白でしょ?

 会社は「たくさん説明すれば売れる」。
 購買心理学における「常識」は、「説明したら売れない」。

 バカ過ぎなんだよ!・・・ってことです。

 私たちがセールストークを発する目的は、1つしかありません。
 それは「顧客に行動させること」です。
 プレゼンテーションを受けることを承諾させ、「申込書への署名」という行動をさせるためにのみ、言葉を発しているのです。

 あなた、認識できていました?

 1年ぐらい前だったかな、「マジで婚活真っ最中」のお店の常連さんの女性がいました。
 彼女、1人の男性から、猛烈なアプローチを受けていました。
 条件を聞いたら、金持ちの1人息子。
 でも、「それ、イイじゃん!」と私が言ったら、「絶対にイヤ!」だと言う。

 理由を聞いたら、「なぜ自分と結婚するとイイかの『説明』ばっかりだから」

 彼女、私と同学年ですから、そりゃ、かなりドライに考えて婚活していますよ。
 でも、そうは言っても、結婚は「計算」だけでは、なかなかできません。生命保険と同様、「感情」が大きな要素になります。

 要するに、「説明」では、感情が動くはずがないのです。

 その上で・・・ですよ。
 「あなたが行動しないと何も起こらない」と深層心理に訴えかける言葉のみで構成された台本を喋ることによって、顧客は行動します。
 「説明」なんてのは、深層心理も何もない、ただの「ド素人トーク」です。
 やればやるほど嫌われるだけ。
 売れるはずがありません。

 「説明」のレベルで仕事をしていたら・・・間違いなく廃業組の仲間入りですよ。
 あなたも一刻も早く、そんな悲惨なレベルから脱出してくださいね。