売っているものが全然違う

生命保険営業の本質!

今回も、まずはこのところの一連のメルマガの主旨をまとめます。

■セールストークの冒頭には、オファー(見込み客の利益になること)を、“一刻も早く”提示しなければならない。

■セールストークは「説明」ではない。説明で売れるなら、最高のセールスパーソンは「パンフレット君」であって、セールスは不要。説明では売れないから、セールスパーソンが必要なのだ。

■成功しているセールスパーソンは、「影響力を発揮できるポジション」を確立した上で、「戦略的に情報を提供」している。だから、ポジショニング・提供すべき情報については「どんだけ考えて!」と言えるほどに考えなければならない。単に情報を提供するのでは、間違いなく売れない。


はい、今日もその続きです。
たくさんの素晴らしい「正しい理論」を教えてくれる本はこちら。

~お客を決断させるセールスの科学~☆「クロージングの心理技術21」ドルー・エリック・ホイットマン☆

今回は、前回引用した部分の次の章です。
必要な箇所を、飛び飛びに引用します。

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【BRAIN SCRIPT 7 手段と目的連鎖】

<消費者は、商品そのものではなく“メリット”を買っている>

 私は彼らの手段・目的連鎖の最後のリンクを探している。強力なリンク、他のすべてのリンクを支えるリンク、それがなければ他のリンクはすぐに消えてしまうような最後のリンクを。(中略)

・・・あなたの売る商品が何であろうと、人々が欲しいのは製品そのものではないということを忘れないでほしい。彼らはその商品から得られる最終的なメリットを買っているのだ。あなたの商品を買うためのやり取りなしでそれらのメリットが得られるなら、彼らはすぐにそうするだろう。(中略)

 彼らはあなたにお金を渡すのに乗り気でないのと同じくらい、あなたの商品も求めてはいない。あなたの商品はメリットを運んでくる乗り物に過ぎないのだ。それがもたらすメリットを享受するために彼らは我慢して買う。必要悪なのだ。(中略)

 つまり私が言いたいのは、人々が愛したり熱望したりしているのは、あなたの商品だなどと考えるのは、やめたほうがいいということだ。そうではないのだ。(中略)あなたの見込み客の手段・目的連鎖の第一のリンクを確実に手繰り寄せる唯一の道は、なぜ彼らは自分の商品を求めるのかを絶えず問い続けることだ。(中略)

 「波風を立てない」式の無難な問いかけは、セールスに成果をもたらすうえでまったく無意味な、安易に集められたデータと大差ない結果しかあなたにもたらさない。
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細かく解説しようと思って引用したけど、かなりの文字数になっちゃうから、要点だけ述べた上で、上記引用部分を私が生保セールス用に「翻訳」します。

まず「あなたの商品」とは「あなた」です。
保険商品や、そこに付随する「保障機能」ではないことは、このサイトの読者のあなたなら、「基本中の基本」として認識できていることでしょう。

そして、マーケティングの世界でよく使われる「たとえ話」。
「人は電動ドリルが欲しいのではない。穴が欲しいのだ」

これを単純翻訳しちゃうと、
「人は保険が欲しいのではない。保障が欲しいのだ」
となっちゃうけど、これは私のようなプロのマーケティングプランナーから見ると、浅はかで早急すぎる答え。
特に日本の生保マーケットにおいては、考察不足なのです。

正しくは、
「人は保障が欲しいのではない。納得できる方法で責任を全うしたいのだ」
となります。

ということで、翻訳します。

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【売るための正しい理論7:手段と目的連鎖】

<消費者は、保険や保障ではなく“あなたから買うメリット”を買っている>

 私は見込み客が、「あなたの話なら聞きたい」と思う最後のリンクを探している。強力なリンク、他のすべてのリンクを支えるリンク、それがなければ他のリンクはすぐに消えてしまうような最後のリンクを。(中略)

・・・あなたの売る保険商品が何であろうと、人々が欲しいのは保障そのものではないということを忘れないでほしい。彼らは「あなたの話を聞くこと」から得られる最終的なメリットを買っているのだ。「売らんがため」のやり取りなしでそのメリットが得られるなら、彼らはすぐにそうするだろう。(中略)

 彼らは保険料を払うのに乗り気でないのと同じくらい、保険も保障も求めてはいない。あなたは、見込み客にメリットを運んでくる乗り物に過ぎないのだ。
それがもたらすメリットを享受するために彼らは我慢して買う。保険料を払いたいと思っている人などいない。ある意味、保険加入は「必要悪」なのだ。
(中略)

 つまり私が言いたいのは、人々が熱望しているのは保険や保障だなどと考えるのは、やめたほうがいいということだ。そうではないのだ。(中略)
 あなたの見込み客の手段・目的連鎖の第一のリンクを確実に手繰り寄せる唯一の道は、「なぜ彼らは『あなたの話なら聞きたい』と言うのか」を、絶えず問い続けることだ。(中略)

 だからこそ「波風を立てない」式の、会社が教える通り一遍のトークやFFの作業は、セールスに成果をもたらすうえでまったく無意味な、安易に集められたデータと大差ない結果しかあなたにもたらさない。
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・・・ということなのです。

あなたは、まず最初に「最後のリンク」とは何を指すのかを知らなければなりません。
その答えは『彼らは「あなたの話を聞くこと」から得られる最終的なメリットを買っている』です。

例えば、終身保険1000万、死亡時月々20万の定期を20年、終身医療保険日額10000円を買うとしましょうか。

これ、誰から買ったって同じなんですよ。
そうでしょ?
保障の内容は何~~~も変わらない。
あなたから買っても、代理店で買っても、保険ショップで買っても変わらない。

こういう普通の保険設計を売っていない特殊な会社を除けば、どの会社の商品だって商品の内容も保険料も大差はない。
しかも、ほとんどの人が似たような設計を売っているし、こういう設計をすることは基本中の基本であって、特殊技能でも何でもない。

だから!・・なんですよ。
これをよくよく考えること・・・それが「オレがどんだけ考えて!」なのです。

あなたが考えるべきは「あなたのマーケティング」です。
上記の保険を買う場合、保障としては、誰から買っても同じですよ。

でもあなたは、「他の誰か」じゃ困るワケでしょ?
「他の誰か」じゃなくて、「あなた」から買ってもらわないと、1円も儲からないワケでしょ?

つまりは、あなたが売っているのは「保障」ではないのです。
もちろん、「愛」とかいった、ワケのわからん、会社都合の、カルト教団の教えみたいなものでは、断じてありません。
売っているのが「保障」だと勘違いしてしまうから、ピント外れの「売れないトーク」を発し、「売れない行動」をしてしまうのです。

つまり、「どうやってあなたから買ってもらうのか」の答えこそが、「あなたが売っているもの」なのですよ。
どうすれば「あなた」が、見込み客から選んでもらえるのか・・・この答えが「最後のリンク」であり、それは「あなたの話を聞くことから得られる最終的なメリット」なのです。


今日の話しは少々難しかったかもしれませんが、でも、わかりますよね。
例えば、私の知人や、セミナー受講生で「私は保障の大切さを心から伝えている。だから売れている」といったような言葉を口にする人・・・いますよ。

でもね、同じことを言っている人もたくさん居るワケですよ。
似たようなことを言っているセールスだらけですよ。

ではなぜ、売れる人と売れない人で、100倍もの差が付いちゃうの?
もし「保障の大切さを説いて」「保障を売ってる」のなら、「あの人は頑張っているから、みんなの2倍以上も売れているのだ。だからみんなも頑張れ!」程度の話にしかならないですよ。

それが、2倍とか3倍とか10倍とかじゃなくて、何十倍とか百倍とか違って来ちゃうワケでしょ、現実として。

なぜそうなるの?
答えは簡単。
「売っているものが全然違うから」

これが、理論に基いた正しい思考であり、正しい答えなのです。
・・・わかったかな?