もはや終わった「やり方」

生命保険営業の本質!

 ここ何日か……先週からのような気もするけれども、私のビジネスが急速に進展しているんだよね〜。

 「作業がはかどった」とかいうことではないのよ。むしろその逆。
 やること山積なのに新しいことを思い付いて、それを「始めよう!」と思ったら、急に「キモの部分」が見えたのです。

 どこが幹で、何が枝葉なのか……これが見えると、利益は増える。
 逆に言うと、「これは枝葉の部分だ」が見えずに、それを「やらねば!」と思っちゃうと、どんどん仕事の効率は下がり、生保セールスの唯一のビジネス指標である「時間あたり売り上げ」が減って行く……ということになるのです。

 この勘違いを加速させるのが「ToDoリスト」。
 あれって実は、とっても危険なんだよね〜。
 今、その辺のことを新春号のマーケティング・レターに書いています。


 今朝は「脳の本」ではなく、リッチ・シェフレンのe-bookを読んでいました。
 いやはやホント、役に立つことだらけ。
 そこに、こんなことが書いてありました。

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 ……そして情報時代が成熟していくにつれて、人類はついにコミュニケーション時代に突入しました。テクノロジーの急速な発展によって、私たちは皆、お互いにリンクし始めました。
 この時代、起業家にとっての最大の経済的優位性は、私が「中断の時代」と呼んでいる、特殊な時代環境によって左右されるようになりました。つまり、見込み客の生活に立ち入って自分を売り込める能力が、成功を左右する時代でした。
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 あらためてリッチ・シェフレンについて言っておくと、グーグル、マイクロソフト、ヤフーのコンサルタントをしている人。
 すごいよね〜。
 彼の文章を読むと、いつも「見えてるよな〜」と感嘆します。

 そんなリッチ・シェフレンが言っている「中断の時代」とは、ビジネスの主たる武器が「モノから情報」へと変化して行った過渡期を指しています。
 その過渡期が「見込み客の生活に立ち入って自分を売り込める能力が、成功を左右する時代」だということ。

 これって……私がいたソニーなんかが典型だけど、今時の会社が「耳タコ」で生保セールスに言うことだよね。
 「見込み客の生活に立ち入れ」「詳しく情報を聞き出せ」「コンサルティングしろ」「お前のスキルを売れ」……。
 でもそれは、あくまでリッチ・シェフレンが「中断の時代」と呼んでいる時期にのみ、通用したやり方なのです。
 神田昌典さんも、1999年に刊行した本の「はじめに」で、「コンサルティングセールスという売り方はもはや通用しない」と書いているしね。
 見えている人には、見えているということ。

 1980年から2000年あたりまでは、それが通用したのよ。
 まさに日本にソニプルが入って来て、成長して行った「ライフプランナービジネス」の時代と合致します。
 でも今は……リッチ・シェフレンも神田さんも、「そんな時代は終わった」と言う……そりゃそうなのよ。

 もちろん生保セールスは、1人ビジネスの世界だから、自分なりのやり方が確立されていれば、今の時代においてもそこそこの売り上げは立ちますよ。
 だから、こういうことを言うと、「うるせ〜! オレは今でもそれで売れてるよ!」という人もたくさんいることは、間違いありません。

 ただし、そういう人たちには、そういうやり方がいかに非効率なのかが「見えていない」のです。そして「活動量型セールス」に没頭し、身をすり減らす……。
 哀れなことですよ。
 まあ、頭が悪いのだから、体を使うしかないのだろうね。


 そういう人たちは、勝手に「ワケワカラン修行」を続ければイイけど、まだ「自分が売れるやり方」が確立できていない人は……本来はその方が幸せなのだけれども……世界的権威が「もはや終わった」と言う「やり方」しか見えていなかったら……どうしようもないよね。

 で、今はどういう時代なのかと言うと「アテンション(注目)」の時代。

 日本では、2000年から今までの20年間で、消費者の数はほとんど変わっていない。
 でも、提供される情報量は約1万倍に増えた……。
 しかもスマホの普及で、ほとんどの人が何かを買おうとする時に最初にする行動が「検索」になった(実はそれも、もはや時代遅れになっているんだけどね)。

 私は「検索であなたの名前が出てこなかったら売れない」なんて言うつもりはないですよ。
 生命保険の世界でそれをやろうと思ったら……年間で1億円の広告費を掛けても無理でしょうね、きっと。
 ただし「真の顧客第一」で考えると、まずこうした「消費者行動の基本」を踏まえていなかったら、正しい「やり方」は見えないのよ。
 膨大な情報の中で、あなたの商圏内のあなたの見込み客候補たちに、いかにして「注目されるか」を考えることが、今の時代には必須なのです。

 「私の話を聞いてくれれば、良いサービスが提供できるのに……」なんて嘆いているのは、「ウチの商品はとっても良いのに、なぜ買ってくれないんだ!」と嘆き続けて倒産した会社やお店とまったく一緒だからね。

 まあ、この辺のことを書き始めると「論文級」の長さにならざるを得ないからこの辺でやめるけれども、最後に1つだけ、リッチ・シェフレンが言っていた「ポイント」を紹介します。

 「異なることは、優れていることに勝る」

 情報過多の時代においては、「良い商品なのだ!」「良いサービスなのだ!」といくら叫んでも……何万人もの人が、同じような叫びを上げているのだから……消費者に(=あなたの周囲にいる見込み客候補たちにも)聞こえるはずがないですよ。
 そして、そういうやり方は、私が広告代理店にいた30年前に、もはや終わっているのです。

 「良い」は見ただけでは分からないけれども、「異なる」は見た瞬間に分かる。
 WEBサイトの場合、サイトに10秒滞在させるのは、もはや至難の技。ほとんどの訪問者が「瞬間離脱」をするのです。
 「あなたの商圏内における、あなたという存在」だって、まったく同じですよ。
 例えば「お仕事、何をされているんですか?」と聞いてもらえて(稀有なチャンスが到来した!)、「ソニー生命で保険を売ってます」と答えたら……瞬間離脱されるに決まってます。
 「あ、保険屋さんね」……瞬時に「その他大勢」の仲間入りですよ。

 そうじゃなくて「え? この人、その他大勢の保険屋さんとは違う」と相手が思うから、注目してもらえる。
 コンサルティングだのライフプランだのと言ったって、そんなもん、1990年代ならともかく、今や誰も「異なる」とは思わないのだからね。

 では、何と答えるべきなの?

 長くなるからもうやめるけど、セミナーではず〜っと、そういう話をしているのです。