興味のないものは「見えない」

三洞の「これが言いたい!」

 今、上記の日付を書いて、気づきました。
 今日は私の弟の誕生日です。

 以前はよく「ホント、仲のよい兄弟ですね〜」と言われました。
 そりゃそうですよ。仲が悪かったら、ず〜っと隣同士で店をやるなんて、できるはずがありません。
 弟が中学生になってからは1回も喧嘩したことがないし、毎晩一緒に飯を食いに行ってた時期もあったからな〜。
 顔も体型もよく似ているけれども、性格や趣味まで一緒。
 仲が良いのも当然です。

 弟はね、天才なんですよ。
 料理が上手なのは当然なのだけれども、字も上手いし、文章はオレより上手。しかも絵まで上手い。
 さらに。
 父が生きていた頃、自分の店を持つ前に3年ほどセールスの仕事(完全飛び込み営業!)をしたことがあったのだけれども、完全歩合になるまでの最短記録を塗り替えたそうです。

 ただし、あんまり得意じゃないのが「金儲け」。
 まあ、典型的な「器用貧乏」ってやつですよ(笑)。
 その気になったら上手にできるのだろうけど、意識がそっちに向かないと無理……ってことなのです。

 ということで……。
 
 人はみな……私ももちろん含めて、自分は客観的に物事を見ていると思いがちだけれども、そんな瞬間は一瞬たりともなくて、すべて「自分だけのものさし」に照らし合わせて、物事を見て、感じているものなのです。

 そもそも、興味のないものは「見えていない」のよ。
 ヒトの「原子脳」は、生存本能に基き、自動的に情報をフィルターにかけ、不要な情報をシャットアウトしてしまう。
 そうしないと「大事なこと」に意識が向かないから。

 で、そのフィルターにはいくつかのルールがある。
 それをマーケティング的な言葉にすると、こんな感じになるのです。

1、緊急を要する「脅威」でなければ無視するべきだ。

2、新しくもなく、ユニークでもなければ、無視するべきだ。

3、新しく、エキサイティングで、ユニークであるなら、素早く要約し、詳細は忘れろ。

 無視、無視、ときどき要約。でも、詳細は忘れろ……これが人の、情報の受け取り方。
 「保険の話を聞いていただけませんか?」のような言葉は、新しくもなく、ユニークでもない。だから、必然的に無視される。
 興味のないことをグダグダと伝えようとする生保セールスなんて存在が煙たがられるのは、当然のことなのです。

 ただし、幸いなことに、その人が興味を持っていること、関心のあることなら、見込み客の方から情報を取りに来て、行動してくれる。
 重い病気になったら、医療保険に入りたくなるなんてのは、その典型。
 なぜならそれは「緊急を要する脅威」だから。

 でも、人は、実際に「痛み」を感じないと、それを脅威だとは思わない。
 いくら「死んじゃったら」「入院したら」などと言っても、「うるせ〜よ」でおしまいなのよ。


 こういうことに意識が行かず、見えていないままにセールスをするのは、果てしなく不毛な行為なのです。
 ところが会社は、あなたに「保険を売るとは、こういうことなのだ」と、顧客を無視した、顧客心理と相反するやり方を強要する。
 で、マーケティングの意識のないほとんどの生保セールスが、その被害に遭う……。

 「顧客が感じたことのみが真実である」……美しい言葉だよね〜。
 こういうことが「真の顧客第一」であり、だからこそ売れるのですよ。