どうなったら「成功」なの?

生命保険営業の本質!

 ソニー生命に入って半年ほど経った頃の話です。

 支社のゴルフコンペに初めて参加した時、こわ~いエグゼ(個室を与えられて、秘書も持てる人)のおじさんの車に乗せてもらうことになりました。
 私は車を持っていませんし、免許も持ったことがないので、ゴルフの時は誰かの車に乗せてもらうのです。

 そのおじさんのことは、みんなが怖がっていました。
 そもそも身長が190センチぐらいあって、細身で目がギョロギョロしていて・・・「怖い骸骨のロボット」みたいな見た目です。
 しかも辛辣な言葉でダメ出しをする・・・そういうおじさんです。

 でも、私は入ったばかりで、そのおじさんとはほとんど喋ったことがないから、ビビらず普通に助手席に座っていました。
 もちろんきちんと挨拶はしたけど・・・こちらからは何も喋りませんでした。そもそも「会話できない人間」だし、「どうやって売ってるんですか?」のようなアザトいお愛想の質問なんて、絶対にしませんから。

 そうしたら・・・会話がないから、当然のごとくおじさんの方から色々と質問されました。
 前職は? 家は何をやってるの? 日々、どんな感じで仕事してる?・・・
 ごく普通に答えていたら、おじさん、突然こう言うのですよ。

 「イソやん、それじゃ絶対に成功しないぞ!」

 きつい口調で、2~3回、言いました。
 これがあるからみんなが怖れているのだとわかりましたが・・・私、憤然とした口調で、きっぱりと言い返しましたよ。

 「あなた、私の『成功』がどこにあるのかを知らないでしょ? それを知らないのに『絶対に成功しない』って、失礼じゃないですか?」

 おじさん、しばらく黙っていましたが、こう言いました。
 「いや・・・そうだよな、その通り。ゴメンね」

 以降は「絶対に成功しない」から「イソやんは根性入ってる。見どころがある!」の評価になり、各所でそう言ってくれるようになったと同時に、後年、そのおじさんが発起人となって作った「解決バンク」への参加を請われ、今ではその運営会社の1つである「株式会社アイ・ポート埼玉」の代表取締役となっています。


 あなたも、「生保セールスとして成功するために」「あの人は成功している」のような言葉を、会社でよく耳にすると思います。
 でも、その「成功」って、どこまで行ったら成功なの?
 その問いに答えられなかったら、「成功」なんて言葉を偉そうに口にしたって、実体なき概念でしかありません。

 私が「活動量」という言葉を忌み嫌うのは、「あなたにとっての『成功』とは、どういう状態?」を見えなくしてしまうから。
 見えなくしてしまうどころか、それは明らかな「失敗への道」なのです。

 だってそうでしょ?
 それって、明らかな「ラットレース」だもんね。
 力尽きるまで、身をすり減らして、カリカリカリカリと歯車を回し続ける道・・・。

 それで少々の金を得て、MDなんたらだなんてことを自慢しているアホで哀れな人たちは、「その先」が見えていないからこそ、それを「成功」だと勘違いしているだけなんですよね~。

 砂漠を歩き続けて、小さな緑地と濁った沼にたどり着いて「成功したぞ~!」って自慢してる。
 その先には、広大な緑地と大河と肥沃な土地があるってことが「見えていない」から、そこが成功だと思っちゃう。そしてそこで一生を終える・・・。


 生保セールスとして「成功」するためには、自分にとっての「成功」がどんな状態なのかを明確に認識することが必要なのですよ。
 その「成功の状態」が「力尽きるまで活動する!」の人って・・・いるのかな?
 そもそもそのやり方って・・・あんまり儲からないやり方なんだよ?
 それ、わかってる?

 「活動量型セールスはもがき苦しみ続ける。一方で戦略型セールスは富と時間と自由を手にする」。 

 私がいつも説いているのは、その中身なのです。