廃業率93%が改善されない理由

生命保険営業の本質!

 「突っ込んだことを書いちゃうと、難しくてわからなくなるし、膨大な文章量になっちゃうから、概要だけ、サラッとね」と自分に言い聞かせてから、書き始めます。

 今朝、メールで、受講生の女性と「古物商」についてのやり取りをしました。
 ご主人が古物商なんだけど、メルカリの登場によって、廃業する古物商が激増しているとのこと。
 典型的な「衰退期のビジネスモデル」から脱却できていなかった古物商がたくさんある・・・ということですよ。

 1999年に、神田昌典さんが「衰退期のビジネスはオイシイ」ということを本に書いていました。
 具体的な例も紹介されていて、すごく役に立ったから、私も各所で紹介していますが・・・ここには書きません。
 ただし、受講生との今朝のやり取りで、「マーケティングとケーススタディを知っていれば、たしかに衰退期のビジネスはオイシイんだな~」ということを、改めて認識することができました。

 衰退期のビジネスモデルと言えば・・・まさに私たちの生保セールスビジネスですよ。
 「ビジネスの成長曲線」・・・最初は少しずつの増加で、ある時から急上昇して、ピーク時があって、そこから少しずつ減少していくという曲線です。

 生保セールスの3年以内廃業率は、いまだに93%。
 なぜそれが改善されないのかと言うと、1980年にスタートした「メーカー直販ビジネスモデル」・・・プル、ソニーに始まって、メット、アクサ、マニュ、そしてひらがな生保など、すべての直販チャネルのビジネスモデル・・・が、もはや完全に衰退期に入っているから。

 それ以前は、天下のニッセイ様が確立した「職域セールスレディビジネスモデル」しかなくて、これが1980年代に完全に衰退期に入ったところで、直販ビジネスモデルが登場した。
 でも、その直販ビジネスモデルも、もはや誕生(日本上陸)から40年。
 かつての「20年サイクル説」はもはや大昔の話で、今は「5年サイクル」と言われているのだから、そりゃ、どう考えたって衰退期も衰退期ですよ。
 完全に衰退期なんだけど、会社がそのビジネスモデルでのやり方を強要するから、理論を知らない哀れな人たちが苦しんで、その結果、離職率93%という悲惨な状況が改善されないのです。
 神田昌典さんが「コンサルティングセールスというやり方はもはや終わった」と著書に書いたのが1999年だからね。そこから20年経ったのだから、完全に時代錯誤のやり方なのよ。
 
 でも・・・衰退期のビジネスは、前述したように「オイシイ!」のですよ。
 そりゃ、業界や大企業は、衰退期のアオリを受けて当然です。
 ただし、私たちは1人ビジネスですからね。
 「楽しくコンスタントに1200万稼げる」ぐらいでも充分なワケでしょ?
 その場合は「マーケットの衰退」は全然関係ありません。ただし、「ビジネスモデル(やり方)の衰退」には、直接的な影響を受けちゃいます。
 古物商がどんどん廃業しているのと同じです。

 その上で。
 地獄社の人たちは、情報閉鎖の「北朝鮮状態」だし、直販系の人たちも「井の中の蛙状態」の人が非常に多い。
 だから「大きな流れ」が見えていない人がたくさんいるから、あえてちょっとだけ書いておくけれども、各社、トップの方にいる人たちは頭がイイから、衰退期のビジネスであることを察知して、急いで変化しようとしているのですよ。
 要は、社会(マーケット)の変化に対応しようとしているということ。

 で、世界のマーケット全体が、今、顕著に変化しています。
 それは、専門用語を使わずに書くと「所有しないこと」への移行。
 「作る→売る」から「つながる→使う」に移行しないビジネスモデルは、どんどん淘汰されているのです。

 これを突っ込んで書くと難解&膨大になるから、ここをあっさりと書くと、冒頭で自分に注意を促しておいたのですよ。
 だから、あっさり書きますが・・・今、全世界のビジネス界では、ものすごい変化が急速に起きている。
 そこで不要になるのが「物と人」。
 古いビジネスモデルでしかビジネスが出来ない人は、どんどん淘汰されちゃっているということを、私たちは認識しないとダメってことなのよ。 

 事実、代理店所属の人には、大手漢字生保各社が、「セールスレディチャネル阻害&縮小」に向かって動いているということは、日々「明らかに見えている」のですよ。
 でも、地獄社の人たちは、情報統制によって、全然気付かない。
 哀れだよね~。

 そしてそれは、今後は、直販チャネルの世界でも急速に起こるということ。
 さらに、ほとんどすべての代理店チャネルでの「教え」は、直販チャネルで行われている「教え」と完全一致だから、そこもまた「人の淘汰の波」に完全に巻き込まれているということ。
 だから、何年経とうと、マーケットの環境が変わろうと、新たな販売チャネルができようと、「廃業率93%」の実情が継続している・・・これが実情なのです。

 こういうことを知らないと、ホント、「哀れな存在」になっちゃうからね。
 ちゃんと「見えていない」とダメですよ。
 もちろん受講生だって同様だからね!