今日は、2人のセミナー受講生の方から「MDRT基準を達成しました」とのメールをいただきました。
おめでとうございます&お疲れさまでした。
さて。
すべての「普通のビジネス」においては、「○○あたり○○」の経営指標がなければ、ビジネスにはなりません。
その数値管理と改善をするのが「マネージャー」と呼ばれる人の役目なのですが、私たちの業界においては、マネージャー的立場の人のほとんどが「活動量!」「契約取れ」のレベルなのですから、話にならないのです。
「活動量」「契約取れ」なんてのは、ベルトコンベアに向かって「もっと早く動け!」と叫んでいるのと同じです。
そんな人間はうるさいだけ。仕事の邪魔にしかなりません。
で、私たち生保セールスにとっての唯一の指標は、「時間あたり売上」。
この数値の向上イコール「売り上げアップ」になります。
原価率も利益率も関係ないし、高価格化も割引セールもできないのですから。
では、その「時間あたり売上」を上げるためにはどうすればよいのか。
先日、税理士法人さんのために「開業1年以内に必ずやって来る5つの危機」という冊子を書きましたが、その中にこんな一文を書きました。
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経営者の「生産的な時間」が増えると「レバレッジ効果」が生まれます。
その時、利益が「足し算」から「掛け算」に変化します。「掛け算」とは言っても、すぐに2倍、3倍、10倍になるわけではありませんが、しかし、
(A)月に顧客が10人づつ増えて、6ヶ月で60人。7カ月で70人、8ヶ月で80人。→ 12ヶ月目は120人。
(B)月に顧客が10人づつ増えて、6ヶ月で60人。そこでレバレッジ効果(1,2倍)が生まれ、7ヶ月目は (60+10)×1,2 で84人、8ヶ月目は (84+10)×1,2 で112人。→ 12ヶ月目は295人。
このように大きな差が生じます。
分かりやすく言えば、(B)が「存続し続ける会社」であり、(A)は「このままでは存続が困難な会社」になります。
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これ、生保セールスの世界においても、同じですからね。
セールス1年生でもベテランでも、これから売ろうという方でもMDRT基準を達成した方でも、売上アップのための唯一の指標が「時間あたり売上」なのは同じです。
同じ仕事時間で、契約件数を倍にする、あるいは保険料を倍にする(「増やす」だと実感しにくいので、セミナーでも「倍にする」という言い方をしています)しかありませんから。
なぜなら、私のように「週3日だけ生保セールスの仕事をする」と決めていた人ならともかく、ほとんどの方は仕事時間を倍にはできませんので。
経験が浅かったり、まだあまり売れていない方の場合、基本的な部分のスキルアップや改善によって、劇的に売り上げは上がります。
しかし、ある程度験がある方、売れている方の場合は、上記の「レバレッジ効果」を意識しないと、さらに売り上げを増やすことはなかなか困難・・という状況になってしまいがちです。
ということで、それをとってもわかりやすく言うと、例えばMDRT基準であれば、「今年は年末で達成したけど、来年は半袖で営業している内に達成しちゃうぞ!」と決めて、そのために何をすべきかを考える・・・「考える」が私たちの仕事の本質ですからね。
歩いて契約取れるなら、競歩選手が最高のセールスマンになっちゃいます。
で、これだけだと「活動量!」なんてアホなことを言っている輩と同じに感じられちゃう恐れもあるから、具体的に「時間あたり売上」を上げるための、即効性のある方法の一つを書いてみたいと思います。
それは「顧客のセグメント」。
ダン・ケネディも「セグメントすればするほど、利益は上がる」って言ってます。
セグメントによって、見込み客発見も大いに楽になります。
分かりやすく言うと、既契約者と一口に言っても、たくさん紹介してくれる人もいれば、全然紹介してくれない人もいるワケですよ。
付き合いの広い人もいれば、とっても狭い世界で生きている人もいる。
狭い世界で生きているからこそ、「ある集団」の人たちと、深い交わりを持っている人もいるし、ただの「偏屈者」もいる。
若い人も年配の人も、独身者も大家族もいるのです。
それなのに、これを全部を一括りに「既契約者」と規定しちゃうと、どこまで行っても「足し算」になっちゃうんですよ。
上記の1,2倍の「レバレッジ効果」は生まれませんから、売上を増やすためには、「頑張る」「もっと頑張る」「増やす」しか、なくなってしまうのです。
そうじゃなくて、すべての既契約者を「新しいマーケットの入り口なのではないか?」と考え、一人一人について深く考えつつ、既契約者全体を「グループ分け」「細分化」するのです。
ギネス認定の世界NO.1セールスのジョー・ジラードも、著書の中で「とにかく顧客の情報を、何でもかんでも、詳しくしつこく記録しておくことが必要」と書いています。
これは、「紹介」だととってもわかりやすい。
一人が一人を紹介してくれたら、それはどこまで行っても足し算。
その「一人が一人を紹介」だって、そう簡単には貰えないのですからね。
でも、一人の契約者を、「あるマーケットの入り口」「契機」と考えると、足し算じゃなくて掛け算になる。
私の例で言うと、「たまたま」個人経営の飲食店経営者の方の契約が取れた。
その時「1件取れた」「誰か紹介して下さい」だと、どちらも「足し算」なのです。
そうじゃなくて、なぜ契約が取れたのか、どの言葉が効いたのかを考えて、それを目一杯生かしたチラシを作って、その契約者に、経営者仲間に渡してもらった・・。
そうすると、新しい「個人経営の飲食店」というマーケットができる。
マーケットが出来たら、チラシの手渡しだけじゃなく、DMとか広告とかもできるし、そのマーケットの契約件数が増えれば増えるほど、そのマーケットに効く「お客様の声」も集まる。
これが、動画やセミナーで言っている「ポイント」です。
「マーケティングの4P」の「Placement」に相当する部分です。
この「ポイント」が一つ増えることになります。
ある程度の契約者数を持っているセールスさんだったら、既契約者のセグメントの作業だけで、こういう「ポイント」の候補を簡単に12個ぐらい抽出できちゃいますよ!
12個あったら、例えば「今月は、通常の活動プラス、飲食店向けプロモーションをやる」が、毎月できる。
私の過去の例を挙げてみましょうね。
●大成幼稚園に子供が通っている親。ウチがそうだった。
●衣料品問屋さん
●ラジオ局勤務
●音楽産業関係者
●釣りが趣味の人
●ギター演奏が趣味の人
●定年退職者・・などなど
セミナーやコーチング受講者の方には、こんな例があります。
●美容院
●カイロプラクティック、治療院、整体院
●コンビニ店主
●呉服屋さん
●いまだに頑張ってやってる街の薬局
●玉袋さんが行くような古びたスナック・・などなど
「ポイント」が増えて行く・・つまり「足し算」から「掛け算」に移行することで、既契約者数が増えるほど、経験年数が増すほどに、レバレッジ効果が大きくなり、同じ仕事時間で売り上げを増やすことができるようになり、「経験年数が増えるほど楽になる」のです。
ずっと足し算だと、経験年数が増えるほど、ツラくなっちゃいますからね。
体力も熱意も衰えますから。
「いつまで頑張りゃイイの?」って、ふと思っちゃう時だって、どんなスーパーマンにもあるものでしょ?
だから、売れている人ほど、「足し算じゃなく掛け算」を意識していただきたいと思います。
リッチ・シェフレンも「一番大切なのはレバレッジだ」と、セミナーの中で言っておりました。
ということで、私、現在、来年に向けての「掛け算」を日々やっております。
決して「皮算用」ではございません。