「ニード」なんて存在しない

あなたを売れなくする「間違った教え」

 明日から急遽、野沢温泉村に行くことになりました。
 スウ3から「行きませんか?」と言われ、「行くよ」になり、ジョニーちゃんと林亜由美先生も行くことになって……ホント「時間の自由・お金の自由・場所の自由」ですよ。

 ということで、この本を題材に書きます。
 「現代広告の心理技術101」
 
 たくさんの人が買ってくれたようで嬉しいですが、でも、こういう「アメリカ人が書いた英文和訳の本」は、「良い子は真似しちゃいけません」の部分が結構あります。
 だから今日は、その点を指摘しておきます。
 「消費者心理の17の原則」の「原則7」に「接種理論」というものが出てきます。
 接種ってのは、予防接種の接種。
 そこに、こんなことが書かれています。
~~~~~~
 ……接種理論もこれと同じように機能する。社会心理学者でイェール大学教授のウィリアム・J・マクガイアによって考え出された接種理論は、製品やサービスに対し消費者がすでに抱いている態度に「弱い」反論を示し、その態度を強めるために利用される。「弱い」反論に巧みにあやつられた消費者は、自分の見解を守り、それゆえ自分の態度を強めることになる。これには3段階のステップがある。
1、切迫した攻撃が来ると注意を促す
2、弱い攻撃を仕掛ける
3、強い守りを促す
~~~~~~
 会社で「ニード喚起」みたいな言葉を言われたこと、ない?
 大抵の人が「ある」って答えますが……。
 これ、悲しいほどに「バカの極み」なのよ。
 だって、そもそも言葉の使い方が間違ってる。
 ガキが新しい言葉を覚えて、得意げに連呼しているのと一緒。
 でね、いわゆるこの「ニードと言われるもの」……これが「存在している」と思うのが、「悲しいほどの根本的な勘違い」なのよ。
 そんなものがあると勘違いしているから、勘違いだらけのトークを発しちゃう(笑)。
 でね、そういう勘違いをしていると、上記の引用文を読んで、こんな風に思っちゃう。
1、切迫した攻撃が来ると注意を促す→「あなただっていずれ老後を迎えますよ」
2、弱い攻撃を仕掛ける→「老後になって、〇〇な状態になったら、どうするんですか?
3、強い守りを促す→「だから、しっかりとした保障を準備しましょう!」
 グハハハ!!!
 バカだよね~。
 これで売れるなら、廃業する人なんていませんよ。
 これをやっちゃうから、93%が廃業に至るのです。
 だから、こういう「アメリカ人が書いた英文和訳の本」の場合は、「ニード喚起系」の部分には、ものすご~く注意が必要なのです。
 なぜなら、「保障」を語る場合に、アメリカ人と日本人では、「感じ方」と「感じる部分」が全~然違うから。
 そういうことを、そのままやっちゃうと「即死」するからね。
 どうかご注意下さい。