今になってあらためて思うけれども、「起きた時が起床時間」の生活を手に入れたことで、人生における幸せの量を、かなり増やすことができました。
だから、子供のために毎朝ちゃんと起きてくれるお母さんは、本当にありがたい存在だと思います。
そういう人に「もっと、もっと!」と言い続けたり、普通社では「あり得ない」採用イベントへの参加を強要したり・・・心から怒りを感じます。
ということで。
私には「寝不足」はないから、朝起きると・・・二日酔いの日以外は、起きた時からスッキリしています。
最近は滅多に二日酔いにもなりません。
酒が強くなったはずがないから、還暦を目前にして、ようやくほんの少しだけ学習できたということなのでしょう。
だから、起きたら「お勉強」することにしています。
まあ、しないままにグダグダになって昼を迎える・・・なんて日もしばしばありますが、今日はちゃんと「お勉強」できました。
今読んでいるのは「ニューロマーケティング」に関する本。
私、「フォーカス・リーディング」がかなりできるようになったから、350ページくらいの本なら、1~2時間で読めてしまいます。
でも、この本は時間が掛かっています。
なぜなら「緑のマーカーの箇所」が異様に多いから。
ピンクのマーカーは「自分用」。
緑のマーカーは「生保セールス用」。
だから、生保セールスにとって、異様に役に立つ本なのです。
読んでいて、とっても大切な、根本的なことに気が付きました。
・・・いや、以前から気付いてはいたのですよ。何度もメルマガやマーケティング・レターに書いているし。
でも、その理由がはっきりとわかりました。
海外のマーケティングの本を読んでいると、例として、「保険販売の場合」が出てくることがあります。
海外でも、保険というのは、ほとんどがセールスを介して売られているのですよ。ネット通販が飛躍的に拡大した、このご時世でも。
ということは・・・本質を言っちゃうと「商品説明じゃ売れないよ」ってこと。
でも、ほとんどの生保セールスのプレゼンテーションって、商品説明でしょ?
だから93%が廃業してしまうのです。
でも、言いたかったのはそのことではありません。
海外の本の翻訳ものを読むと、内容については「すげ~な、この本!」と思えるような本であっても、セールストークの「例」が出てくると・・・ものすご~く違和感を感じるんだよね~。
要は、「こんなんじゃ、絶対に売れね~だろ?」になっちゃう。
そうなってしまう理由は、根本的には「キリスト教的世界観」の話になるのだけれども、それを書いたら膨大な量になってしまうから、書きません。
要点だけを言うと、翻訳モノだから仕方がないのだけれども、「日本人はそういう言い方、しないのよ」「日本人は、そこで、そうは考えないのよ」という部分がたくさん出てきてしまう・・・ってことなのです。
その典型が、プル社の「ブルーブック」。
プルプル教の教典です。
今の生保業界に流布しちゃっている「生保セールスとは、こうあるべき」という指針みたいなものは、1980年にソニープルデンシャル生命ができて、そこでアメリカからもたらされた「ブルーブック」のエキスみたいなものが基盤になっている。
今では地獄社さえ、「お客様の話をきちんと聞いて」とか「保障の大切さ」なんてことを言ってるもんね。まあ、北朝鮮の人が「自由は素晴らしい!」って言っているようなものだけど(笑)。
要するに、簡単に言っちゃうと、プル社は1人あたり売上においてはず~っとぶっち切りのダントツだから、どこもかしこも真似をした・・・ってことなのよ。
で、その教典には「応酬話法」というものが出てくる。
カッコつけて「応酬話法」なんて言ったって、「ああ言えばこう言う」のサンプルでしかありません。
それを地獄社でさえ、真似するようになった・・・。
なぜここで「応酬話法」が出てくるかと言うと・・・応酬話法は、とっても象徴的で、分かりやすいからなのよ。
アメリカで作られた「教典」の中に「応酬話法」が出てくるのは、不思議でも何でもありません。
なぜならアメリカ人同士のセールスや会議においては、それは「普通のこと」だから。
はっきりと自分の意見を言い、議論を戦わせ、賛否を明らかにし、「Yes No」を口にする人たちの場合は、それが「当然」であり、何の違和感もないのです。
ところがそれをそのまま、日本人同士のセールスや会議に持ち込むと・・・そもそも無理なのよ。
だって、例えば会議で、はっきりと自分の意見を言ったら・・・日本だと、「嫌われる」「干される」「出世の道が閉ざされる」なんてことになっても、おかしくないからね。
それが怖いから、誰もが自分の意見は言わず、「空気」を読んでそれに従う。
それが日本人の「価値観」「美徳」「処世術」「行きて行くために必要なこと」・・・。
定義的に表現すると、日本の社会は、「キリスト教的世界観」とはかけ離れた、「和と言霊教的処世術」でできているのです。
そういう社会においては、「応酬話法」ってのは、そもそもが存在しないのよ。
それはそのまま「意見の対立」になっちゃうから。
「意見が対立している対話」は、日本においては「口喧嘩」なのです。
相手と敵対しちゃっているということ。
だから、私がセミナーで伝えているのは「対立を一切生じさせずに売るトーク」なのよ。
なぜなら、相手が日本人の場合は、そうしないと売れないから。
そういったところにまで思考が行き届かず、アメリカンなやり方を顧客に押し付けるから、生保セールスは嫌われるし、友達をなくすようなハメにもなるのです。
30年前に初めてニューヨークに行った時に、ハンバーガーも、フライドポテトも、ポップコーンも、食後に出て来たケーキも、「うわっ!」と思ったもんね。
「デカ過ぎだろ~が!」って思った。
それと似たようなもので、思想も風習も感じ方もサイズも違う世界の「常識」を、他の国にそのまま持ち込んだって、通用しないってことなのよ。
私が、会社の教えを「バカ過ぎて話にならない」と言うのは、「応酬話法」だけでなく、同じようなことがあまりにも多すぎるから。
単に「教典」を真似するのは・・・アメリカ人から、「イエローモンキーの猿真似」って言われちゃうぜ(笑)。
そういう恥ずかしいことは、やめましょう。
プル社で、きちんと楽しく売り続けている友人も2人いるけれども、彼らはちゃんと、繊細な日本人に合わせた売り方をしているからね。
「プル真似」は「猿真似」であって、「真似ではマネーは持たらされない」のです。
以上。