見た目で優位に立つ(10)

生命保険営業の本質!

前回の『<2>服装と髪型は「お任せ」にする』の続きです。

服をお任せで買うようになったら、それまでは、せいぜい「その服、いいですね」だったのが、「三洞さん、いつもおしゃれですよね」とか「センスいいですよね」と言われるようになった・・・。

これがいかにセールスにとって有利なのかは、今までの記事を読んだ方なら、充分におわかりいただけるはずですね。


で、当然、「髪形も同じようにしよう!」となります。
いつも同じ床屋や美容院に行って、「いつも通りに」なんて言ってたら、売れませんから。

幸い、ウチの近所は美容院だらけ。
それまで行っていた美容院はやめて、おしゃれな若い女の子が行きそうな美容院に突撃です。

「担当者のご希望はありますか?」
「いや、ないですよ。初めてだから。どなたでも結構です」

で、担当者が来て、「今日はどのように?」なんて聞くから、
「全部任せます。何~も気にしないで、好きにしていただいいて結構です」

「え? 長さとか、色とか・・・」
「いや、好きにしちゃって結構。あなたがカッコイイと思うようにして下さい。何をやられても、絶対に文句言わないから」

これでOK。

ところが、こんな些細なことですら、ビビッてできないフニャフニャ野郎がいるんですよ!
「でも、どんな髪型になるかわからないし・・」なんてホザく。
「好きにして」って言ったって、サラリーマン風のイイ歳した人を、いきなり金髪モヒカンになんか、しないですよ。
もしやられちゃったって、男なら、剃っちゃえばイイだけでしょ?
そういうヤツは、セールス辞める前に、男、辞めなさい!・・と言いたいです。


何度もやっている内に分かったのですが、このやり方には相性があって、担当者がビビリだとつまらないのです。
もちろん「好きにして」って言ったら、プロ意識が刺激されるから、みんな頑張ってくれますよ。
でも、「よ~し! 怒らないって言ったんだから、好きにしちゃお♪」なんて美容師は、なかなかいないものです。

たまたまそういう美容師に遭遇すると・・・一気に変われて、ものすごく楽しいです。
私の場合、キワちゃんっていう子がそういう子で、好き勝手やってくれました。

一時、イイ歳したおっさんで茶髪にしている人が大量発生したことがありましたけど、私、それよりもかなり前に、ド金髪にされたことがあります。
会社の面々も「ワ~ッ、金髪だ~!」って驚きましたけど・・そこはさすがのササイ組、若い衆の一人が即座に「オレもやろうかな~」って言っていました。

赤くされた時もあるし、グレーにされたこともあります。
グレーは評判良かったし、自分でもすごく気に入ってたけど、残念ながら1週間しか持たないんですよね。
すぐに明るい金髪のチャラチャラおやじになっちゃう。
「今日は芝刈りですぅ~」なんて言いながら、一気に坊主にされたこともあったな~。


でね、私の場合、普通っぽくされると満足しないタイプですが、上記を読んで、「いや、さすがに赤くされちゃったら困る」って思う方も、当然いると思います。

・・・大抵は大丈夫ですよ。そこまでされませんから、ご安心ください。
そして、前述したように、本当にヤバかったら、剃ってしまえばイイだけのこと。
この方法、ものすごく効果あります。
2人のセミナー受講者で、ちゃんと人体実験済みなのです。

2人とも、セミナー受講後に「三洞さんの行っている美容院に連れて行って下さい」と頼んできた人です。
もちろん喜んで連れて行きました。
で、好き勝手やっちゃうキワちゃんじゃなくて(彼女は私で免疫ができているから少々危険なので)、ビビリの関ちゃんって子にやってもらいました。

ただし、
「いつものオレと同じ。関ちゃんの好きにしちゃっていいよ。途中で何か言い出しても無視していい。・・・あなたも余計なことは言わないこと。もう座っちゃったんだから、覚悟しなさい」
って言って、置いて行きます。

90分後、新たな髪形になって店に入って来るワケですが・・・
いや~、面白かったな~。
2人とも、全く同じ行動をとったのです。

髪に手をやって、
「いや・・・いや~、こ、こんなにされちゃって・・・いや~」
なんて言いながら、ものすごく恥ずかしそうにしてる。
私と目を合わせず、下向いて照れまくってる・・。


読者のみなさん、どんな髪型にされたと思います?

・・・ごくごく普通です。
本人は照れまくってるけど、街を歩いたって、誰も振り返りませんよ。
私から見たら、大して変わっちゃいません。

でも、本人はものすごく変わったと思ってる。
私から「前よりはるかにイイですよ」って言われて、少しだけ安心しても、心の奥底では「こんな髪型で、大丈夫か?」なんて不安がってる・・・。

その不安は、即座に解消されました。
1人はその日の内に、もう1人は翌日の朝、お礼の電話をくれたのです。

その日の内に電話をくれた人は、家に帰った途端、中学2年生の娘さんから、「あっ、パパがカッコよくなってる!」と言われて、大感激!
もう1人は、翌日出社したら、クラークの女性全員から「爽やかですね」「似合ってますよ」「前より全然いい!」って言われたそうです。


見ず知らずの人が見たら「ごく普通」でも、本人は、照れまくるほど「変わった」と思ってる。
そして、周囲の人も「変わった」「カッコイイ」「爽やか」と言ってくれる。

そうしたものを、お客様も「感じる」のです!
髪型になんか興味のない、同年代のオッサンでも、しっかりと「感じる」のです。
超高速処理が可能な脳が、膨大な記憶の襞の中の、「この人、爽やか」「ウチの会社の若い人みたいな髪型」「自分にはできない」「娘がパパの髪型はダサいと言った」等々の潜在意識に、瞬時に働きかけるのです。
それらの潜在意識が、ぼんやりとした「負けてる」「この人の言う事、聞かなきゃ」の意識として醸成されるのです。

「見た目で優位に立つ」とは、こういうことなのです。