顧客の考える手間を省く

生命保険営業の本質!

「脳科学マーケティング100の心理技術」(ロジャー・ドゥーリー)

 この本・・・すごいです。
 Chapter10「脳が喜ぶマーケティング」の冒頭が、071「顧客の『考える』手間を省く」・・・「顧客の考える手間を省く」は、売るための必須要素なんですよ。
 特に「複雑な商品」「複雑な買い物」においては。


 こんなことは、他の業界では常識なんだけど・・・非常識極まりない生保セールスの業界では「真逆」を教えちゃう。
 「潜在ニーズを刺激」して「顧客に考え」させて「一緒に考える」などという、もうホントに呆れるほど絶対に売れない方法・・というか「ありえない状況」を、偉そうに教えて金を貰ってる害虫がたくさんいるのです。

 マーケティングを知ってたら、「そんな状況、どうやったら生じるの?」みたいな超特殊ケースなのですよ!


 でね、「広告には『考えさせない』の機能がある」のだけれども・・・ここからは業界最高水準の、受講生向けの文章。
 受講生でない人は、「我々のビジネスは、本来はこういうレベルで思考するべきなのだ」ということを感じ取って下さい。

 私たちの「日々の活動」の中身が「広告宣伝活動」だということは、受講者のあなたは、既に分かっていますよね。
 その上で、広告・・わかりやすくテレビCMだと考えて下さい・・は、機能によって以下の4つに分類されます。


(1)認知度(知名度)アップ

 セミナーでも言ったように、商品やサービスの売れない原因の圧倒的一位は、「その商品の存在を知られていないから」。
 認知度アップは、広告の、そして私たちの日々の活動の最大の目的なのです。


(2)考えさせない

 これは実は、上記(1)よりも多いかもしれないほど多いのです!

 わかりやすいのがコカ・コーラ。
 コカ・コーラとペプシってのは、マーケティングの話になると定番みたいな話。
 ブラインドテストで「どっちがおいしい?」ってやるとペプシが勝つのに、「こっちがコカ・コーラ。こっちがペプシ。どっちがおいしい?」ってやると、コカ・コーラが勝つ。実際の中身が逆でもコカ・コーラが勝っちゃう。

 コカ・コーラは、認知度アップする必要なんて、もはやないワケですよ。
 それなのになぜCMをやるかと言うと、いわゆるブランディングってやつ。
 考えさせずに、比較検討させずに買わせるために、広告を打つ。

 最近ではアップルがとってもわかりやすいですね。
 アップルの広告って、生命保険を売る際には、まさに教科書になります。
 「Windowsじゃなくて、マイクロソフトじゃなくて、アップルでしょ? あなた、そういう人でしょ?」って言ってる。
 機能がどうとか、価格がどうとかは一切言ってない。実際、高いし。

 「あなた、ターゲットでしょ? だったら私から買うでしょ?」・・これを上手にシステム化できている人が、「売れる人」なのです。

 ただし・・ですよ、念のため、書いておきます。
 「見直されちゃう迷惑商品」を売っている7社(場合によっては10社)に所属の人は、こういう話のレベル以前ですからね。
 自分も同様だなどという勘違いは決してしないように。
 全然意味ないどころか、社会の迷惑ですから。


(3)即座に売る

 近年になって圧倒的に増えてきたのが、この手の広告。
 いわゆる「ダイレクトレスポンス広告」ってやつ。

 最もわかりやすいのが、ダン・ケネディ総指揮総監督の「プロアクティブ」。
 日本ではジャパネット。
 昔からあるのが再春館製薬のドモホルンリンクル。
 資生堂は(2)で、再春館は(3)。

 私たちは(1)(2)(3)をすべてやらなければならない。
 わかりやすいでしょ?
 それが「活動」の中身なのだから、当然なのです。


(4)その他

 その他には、リクルート目的とか、IR対策とかあるけど、「ほとんど何の意味もないどころか、コスト回収が精一杯」という広告がいっぱい。

 でね、こういう広告が、実は大半なのです。
 なぜそういうことになっちゃってるのかと言うと、理由は簡単で、「サラリーマンが発注して、サラリーマンが作って、サラリーマンの運営する媒体を通じて広告しているから」。
 広告を作っていた会社のサラリーマンだった私には、よ~くわかります。

 でもね、起業家が自分の資本を使って広告しているのなら、お金がもったいなくて、こんなことできませんよ。

 あなたの「日々の活動(=広告宣伝活動)」も同様ですよ。
 サラリーマン気質のままに、サラリーマンかつド素人の指導者の言う通りに動いちゃうから、もっとも大切な資産である「あなたの人生の時間」を無駄遣いしてしまうのです。


 以上を踏まえた上で、日々の活動において「効率アップ」のためには、どこがポイントになるのかをお伝えします。


(1)認知度(知名度)アップ

 これは、会社的に言うと「活動量」なのでしょうが、それでは到底、ビジネスとは呼べません。

 ・ターゲットをいかに明確にできるか?
 ・そのターゲットが集まるポイントはどこか?
 ・いかに効率よくポイントで広告できるか?
 ・紹介獲得のためのシステムが構築できているかどうか?


(2)考えさせない

 これこそ「3点セット」。

 ・サービスメニューがユニークで明確か?
 ・あなたのプロフィールが、あなたのターゲットにどう響くのか?
 ・あなたにどれだけ親近感を持ってもらえるか?
 ・魅力的なコピーワークに仕上がっているか?


(3)即座に売る

 これは「コピーワーク」と「セールストーク」。

 ・いかに短時間かつ高確率でプレゼンテーションに至れるか。
 ・いかに短時間かつ高確率でプレゼンテーションから成約に至るか。
 ・いかに「上から」の優位なポジションで喋れるか。


 これらが全部「掛け算」なんですよ。
 この「掛け算」が大きいのです。
 算数苦手だった私でも、ビジネスをするようになって「掛け算のスゴさ」がわかりました。
 掛け算だから、1つの係数が2倍になれば、結果も2倍になる!
 そして、1つの係数が1以下だったら、結果は絶対にプラスにはならない。
 0が一つでもあったら・・・結果はゼロになる。

 足し算のビジネスが「活動量型」。
 掛け算のビジネスが「戦略型」。

 あなたも、あなたのビジネスを戦略型で構築しなければならないのです。

 こういうことを書くのは、とっても楽なんですよ。
 参考文献ナシ、引用ナシでも、いくらでも書けちゃう。

 当然ですよ。
 それが私たちの仕事だから。

 さて、あなた、上記の題材を与えられて、果てしなくどこまでも書けますか?
 それが「売る実力」なのだということを、しっかりとご認識下さいね。