「科学的根拠」のあるセールス

生命保険営業の本質!

 昔、我が家の向かいはお寺でした。
 今でもあるけど、きれいな葬祭場になっちゃってます。

 お寺の敷地には、ジャングルジムとすべり台とブランコと鉄棒があって、半分は境内だったから、子どもたちの格好の遊び場でした。
 私も弟も、日のある内は、学校以外は常にそこに居たように思います。

 自治会長になって、他の地区の会長さんから「家はどの辺?」と聞かれると、「呑龍さまの隣です」と答えます。
 そうすると、どのジジイも「懐かしいな~。よく遊びに行ったよ」と言います。

 ガキが大勢集まれば、当然のことながら、ケンカ、口論が頻発します。
 私たちは地元民だったけど、ちょっと知らない顔が遊びに来ると・・・すぐに口論ですよ。

 そこでの常套句は、まずは「お前、何年だよ!」
 で、「◯年のくせに、威張ってんじゃね~よ!」
 年長であるだけで上のポジションに立てる・・・極めて日本人らしい一言です。

 もう一つ、口論の中で頻発するのがこれ。
 「証拠あんのかよ!」

 証拠なんて言ったって、「お父さんが言ってたんだよ!」とか「そんなの、証拠なんかなくたって、当り前に決まってんじゃん!」みたいなことを、口を尖らせて主張するだけなのですが・・・。
 まあ、かわいいものですよ。

 ところが!
 50の半ばを過ぎても、私は今でも、常に「証拠あんのかよ!」と口を尖らせて言いたいのですよ。


 今やダン・ケネディのパートナーで、スピーキング・エンパイヤという急成長を遂げている会社(プレゼンの会社)を作ったダスティン・マシューズという青年(元オタク)が、本の中で、こう書いていました。

 「・・・盛んにリサーチしたものの1つが、神経科学の分野だ。そこでは、人間の脳が1つのことに集中できるのは7分間だけだというのが定説だ」

 生命保険は「感情売り商品」の王様です。
 説明に納得したからではなく、人は感情で契約するのですよ。

 そして、ダン・ケネディは「セールスはすべて、数字と心理学でできている」と言っています。

 私が言いたいのは、ダスティン・マシューズもダン・ケネディも、その他多くの「マトモなビジネスマン」たちは、ちゃんと科学的な根拠に基づいてビジネスを行っているということなのですよ。

 でも、すべての会社と、ほぼすべての指導者の言うことには・・・何の科学的根拠もありません。
 科学的根拠がないどころか・・・科学的根拠とは真逆なのです。

◯「何度も会え」

 成約率は、4回目の面談でほぼゼロになる・・・ってことを・・・あなた、教わってないですよね。
 これが、地獄社やジブラルタが売れない原因の1つ。
 職域では新人だって、「ああ、またジブか」と言われてしまうのですよ。


◯「初回の面談に1時間もらえ」

 いや、7分で終了だってダスティン君が言ってるだろ?


◯「時間を掛けて話せば、信頼関係が築ける」

 あのね、ハーバード・ビジネス・スクールかどこかの実験で、「対面でのセールスの限界時間は20分」という結果が、すでに60年前ぐらいに出てるのよ。
 「20分を過ぎると被害者意識が生じ、目の前の見込み客は『どうすれば一刻も早くこの場から逃れられるのか』ばかりを考えるようになる」・・・こういうのが「科学的根拠」!


◯「クロージングが大切」

 マーケティングプランナーだった私は、会社に入ってセールスプロセスというものを教えられて、「この会社・・・バカなのか?」と不安になりました。
 だって、プレゼンテーションの後に「クロージング」なるステップがあるんだもん。
 そんなもん、マトモな知識がある人にとっては「は? ありえね~だろ?」なのです。
 そして翌日・・・会社がマジにバカであることを完全に理解してしまいました。
 名前は忘れちゃったけど、DMの専門家(大家)は、「最初の8秒で決まる」と言っています。
 私のセミナーでは「13秒」と言っていますが。


◯「断られても、あきらめずに通え」

 これも実験結果で「一度断った客の被害者意識が消える期間(要するに「しつこいな~」と嫌がられないということ)は、およそ6ヶ月」とあるんだよね~。
 だから「保険屋はしつこいから嫌い」と、ほとんどの消費者が思っているのです。


◯「顧客第一」

 ポジショニング・・・なんて大事なことが、どの会社のセールスマニュアルにも、一言も書いてない。
 ホント、トホホですよ。
 マトモな人なら誰でも言ってます。「オレ様第一」じゃなきゃ、売れないって。


 もう、いくらでも書けちゃうからこの辺でやめるけど、アホな指導者の言葉のすべてに対して「証拠、あんのかよ!」と言いたいですよ。
 何も勉強せず、ただただ「売れない教えの引き継ぎ」をしているだけ・・・ホント、害虫ですよ。

 あなた、そんな教えを少しでも真に受けちゃったら・・・科学的根拠と間逆なのだから、売れるはずがありません。
 つまり、そんなやり方は、「科学的にも売れるはずがない」ってこと。
 それを日々繰り返す・・・虚しいと言うか、哀れというか・・・終わってますよね~。

 そこに居たい人は、どうぞそのまま居て下さい。
 それは「何年か、つらい思いをして、結局は廃業に至る」という未来を受け入れているということなのですから。