「単純」では売れない!

生命保険営業の本質!

生保セールスのマーケティングは「釣り」「合コン・お見合いパーティー」になぞらえるとわかりやすいという話をしました。

 今、ケーブルテレビをBGMがわりに点けっぱなしにして、この記事を書いています。
 流れているのは、山本太郎という人の「チヌ道一直線」という釣り番組。

 私、チヌ釣りはしたことがありませんが、この番組は非常に面白いです。
 とにかく山本太郎という人がすごい!
 よくもまあ、こんなにたくさんのバリエーションを持っているな~と、つくづく関心します。

 で、状況判断しながら経験則で何が有効かを見極めて、試行錯誤の中、今も、「オキアミ、見せたいんやけどな~」って言って、刺し餌とダンゴの握りを変えて、一発でデカいチヌを釣り上げました(何を言っているかわかんないかもしれないけど、知ってる人からすると「すっげ~!」なのです)。

 バスもヘラも磯も、競技の釣りで選手権に出てくるような人は、バリエーションの数と、その応用と、使いこなし方(テクニック)が半端じゃありません!

 私たち生保セールスは、もちろん「この道で食っているプロ」なのだから、同じように半端じゃないバリエーションと、応用と、テクニックを持っていなければなりません。

 あなた、そういうレベルで仕事ができていますか?
 ということで、今回はそんな話をしましょうね。


 釣りでも、野球やサッカーやゴルフやその他の運動競技でも、料理や手先仕事でも・・・それこそ何でも、趣味であろうと本気でやったら、どんどん手法と技術と経験が蓄積され、思考は複雑化し、その結果、やればやるほど上手になり、同時に、より大きな楽しさを感じられるようになります。

 では、あなたの主たる業務である生保セールスは?・・・って聞かれると、「趣味以下の単純作業」になっている人が大半でしょ?

 それは、ほとんどの場合、素人がボートを漕ぐようなものです。
 ただ漕いでいるだけの単純作業。
 冬は寒いし、夏は暑いし、手が痛くなるけど、得られるものは「少しずつ、耐性が強化される」ということだけ。
 でも、アホな指導者は「漕ぎ方が足りない」と言うばかり・・・。

 そんな状況に陥っちゃったら、全~然幸せにはなれません。
 こうしたことが、つい先日来たダン・ケネディのニュースレターに、こんな風に書いてありました。



【成功への過程は、とっても複雑!】

 ・・・成功というのは、たくさんの変動性の中でスキルを磨き上げ、機械的に動けるようになるまでさまざまな言動に慣れ、ビジネスのシステムやプロセスを取り入れ、人間関係のメンテナンスを行うといった、信じられないほど複雑な過程が必要です。(中略)
 平均的な成功の中には50~70の主要要素があるのです。
 超大成功している人をイメージすると、まるで「玉ねぎ」のようです。成功するための態度や考え方、振る舞い、戦略、戦術などが、何層にも何層にも重なっているからです。しかも、そのほとんどを毎日使っています。(中略)

 ダラス・カウボーイズの元クォーターバックで、現在はキャスター兼実業家として活躍しているトロイ・アイクマンと舞台裏にいた時のことです。出演者控え室にいたもう一人が、こう尋ねました。
 「本当に理解できないよ。アメフトの選手って、毎日何をしているんだい? だって、もう練習しなくたって試合でプレイできるだろう?」
 そう聞かれたトロイは、私から見てもイラついているのがわかりましたが、それでもその人に、クォーターバック、クォーターバックのコーチ、オフェンスライン、オフェンスラインのコーチ、オフェンスコーディネーター、ヘッドコーチ、チームのトレーナーが、日曜の試合に備えて月曜から土曜までやっているすべてのことを説明していました。
 そして「ただボールを投げてキャッチしているだけじゃないんだよ」と言いました。

【絶対的真実! 成功のカギは「複雑さ」】

 億万長者や年収数億円の起業家・投資家の大半がやっているのは、別に驚くようなことではありません。他のみんながやっていないことをやっているだけです。
 他の人たちは、2つか3つのシンプルな指示が複雑になったり、強い欲望にまみれたりするのを嫌がります。不満で不快に思い、抵抗します。でも、そのあいだに私の億万長者、超億万長者の仲間やクライアントたちは、複雑さを熱心に受け入れて実践しています。
 彼らは正しいことをやっているのです。つまり、複雑さを、競争に勝つための強み、競争から身を守るためのバリア、持続性の資産、純資産、価格や料金の弾力性を手に入れるためのカギだとみなしているということです。それだけでなく、楽しいことだとすら考えています。



 ああ、もう「素晴らしい一文」と言うしかありませんが、私のニュースレター同様、翻訳が必要でしょう。
 順を追って書きますね。

 「成功というのは、たくさんの変動性の中でスキルを磨き上げ、機械的に動けるようになるまでさまざまな言動に慣れ、ビジネスのシステムやプロセスを取り入れ、人間関係のメンテナンスを行うといった、信じられないほど複雑な過程が必要です」

 趣味でやっていたって、同じ趣味を持っている他の人から「スゲ~!」と言われるレベルになるには、「信じられないほど複雑な過程」が必要です。
 あなたの主たる業務である生保セールスビジネスは、どうなの?
 「保険の話を聞いていただけませんか?」という言葉を「たくさんの人に言え」・・・こんなレベルは「趣味として精通している」よりもはるかに単純バカなレベルでしょ?
 プロとしての食って行けるレベルでは、全~然ないのです!

 「平均的な成功の中には50~70の主要要素があるのです。超大成功している人をイメージすると、まるで『玉ねぎ』のようです。成功するための態度や考え方、振る舞い、戦略、戦術などが、何層にも何層にも重なっているからです。しかも、そのほとんどを毎日使っています」

 私は「最低10個のプロモーション」と言っています。
 上記の文章は、それよりも1桁上のレベルの話をしていますけど、でもね、プロモーションレベルでも、数は最低10個なんですよ。
 そしてその1つのプロモーションには、3~5個ぐらいの「メディア」が存在しますが・・・これで何個ですか?
 「保険の話を聞いていただけませんか?」という言葉を「たくさんの人に言え」・・・こんな「やり方」がたった1つだったら、数が足りなすぎて話にならないのです。

 「ダラス・カウボーイズの元クォーターバックで・・(中略)・・そして『ただボールを投げてキャッチしているだけじゃないんだよ』と言いました」

 非常~に残念なことですが、私たちの世界には、クォーターバックのコーチはいないし、信頼できるチームなんて、奇跡的状況以外には、あり得ません。
 でも、そんな中でも、あなたはプロとして食っていかなければなりません。
 それならば、そうした環境を自分で「取りに行き」、「ただボールを投げてキャッチしているだけじゃないんだよ」の世界に、自らを置かなければなりません。

 「私の億万長者、超億万長者の仲間やクライアントたちは、複雑さを熱心に受け入れて実践しています。彼らは正しいことをやっているのです。つまり、複雑さを、競争に勝つための強み、競争から身を守るためのバリア、持続性の資産、純資産、価格や料金の弾力性を手に入れるためのカギだとみなしているということです」

 そう、まさにそうなんですよ。
 私の仲間たちの「楽しく長く売り続けている人たち」も、自身の表現としては「ものすごく単純」でも、やっていることは「会社の教え」よりもかなり複雑です。

 例えば「紹介」。
 紹介が欲しいのなら、「紹介が出る理論とは?」「どういうセールスパーソンが、紹介が出るのか?」「どういうセールスをすれば、紹介が出るのか?」を知り、精緻に考え、その思考結果を上手に実行しなければなりません。
 「紹介をください!」と依頼するだけなどという、単細胞動物の運動レベルで紹介がもらえるはずがないのです。
 でも、会社の教えは「お願いしましょう!」レベルで終了でしょ?
 こういうのを「物乞い」「乞食」と言うのです。

 これらが、あなたが日々接している「人を不幸にする教え」ですよ。
 あなたは、そんな世界とは縁を切らなければなりません。

 最後の一文。
「それだけでなく、楽しいことだとすら考えています」

 これこそがまさに「幸せの量を増やす思考」です。
 趣味に没頭し、趣味を極め、同じ趣味を持つ人から「スゲ~!」と言われるレベルになる・・・これはとっても幸せで、楽しい状態です。
 もちろん、あなたの主たる業務である生保セールスの世界において、そうならなかったらダメなのですよ。

 結論です。

 食って行ける・・しかも「楽しめる」レベルになるためには、「とっても複雑化した世界」に、身を置かなければなりません。
 「保険の話を聞いていただけませんか?」という言葉を「たくさんの人に言え」などという単細胞的行動は、ビジネスと呼べるレベルではありません。
 「気合と根性」とか「使命と愛」とかいった「キモい勘違い言葉」で済ませられるほど、生保セールスの世界は、つまらない世界じゃありません。
 この私が「充分楽しめる世界」なのですよ!

 それを貶めているのは、

 「保険の話を聞いてもらえ。そのために電話しろ」
 「街に出ろ。たくさんの人と会え」
 「たっぷり時間を取ってもらって、ライフプランを語れ」
 「使命だ」「愛だ」

 ・・・「そうすれば売れる!」

 といった、唾棄・嫌悪すべき「単純化」なのです。

 趣味以下の単純なレベルで食って行こうなんてのは、虫がよすぎるんですよ。
 生保セールスを舐めきっている指導者がほとんどだから、食えない人が多出してしまうのです。

 あなたは決してそんなレベルで仕事をしてはいけません!