かつて「バブル期」、そして「バブルの崩壊」ということがありました。
まあ、今考えればかなりおかしな「狂躁期」ですよ。
私は社会人になってから「バブルの崩壊」を経験したから、誰でも知っている上場企業が倒産しちゃうのをしっかりと見ていました。
山一證券が潰れたのはソニー生命に入って2年目のことだし、3年目には初の生保会社の破綻が出ました。
時の大蔵大臣は、会見で「これは極めて特殊な例。今後は起こり得ない」と言っちゃって・・・私たちは、「おいおい、イイ加減にしろよ!」と思ったものです。
なぜなら当時は、経営危機が囁かれている「渋谷4社」(東邦、日産、第百、千代田)というのがあって、「東邦が真っ先に逝く」(だって、ソルベンシー・マージン比率が15%だぜ!)と言われていたんだけど、26%の日産に先を越されちゃったから(笑)。
で、案の定、それから4年間でバタバタと7社が破綻して・・・正式には「破綻」ではないけれども、経営が立ち行かなくなって身売りした会社を含めれば、20社あった漢字生保の内、何と12社が姿を消すに至ったのです。
ホント、漢字生保って、「あり方」自体が無茶苦茶なのよ。
書くつもりはなかったのだけれども、面白いから、ちょっと昔話をしましょうね。
前述した、初の破綻が出た時の会見で、無責任な大蔵大臣が、同時に「生命保険会社の安全性に関する数字を発表させる」って言ったんだよね。
それを聞いて、私たちはみんな「???」だったのです。
だって、ソルベンシー・マージン比率の数字は、ダイヤモンドや東洋経済に普通に掲載されていたから。
だから、「今さらなぜそんなことを言うの?」と、不思議だったのですよ。
ところが!
これ、去年のいわゆる「バレンタインショック」と同じなんだよね?。
大蔵省と最大手漢字生保は、破綻が出るのを見越して、事前に談合してしっかりと準備をしていた。
不思議なことに、大蔵大臣が「生命保険会社の安全性に関する数字を発表させる」と言った瞬間、今まで公表されていたソルベンシー・マージン比率の数字が、マスコミから「消えちゃった」!
ダイヤモンドも東洋経済も、数字を掲出しなくなった・・・。
「不思議だな?」と思っていたら、半年後になぜか突然、ソルベンシー・マージン比率が公表されたのよ。
その数字は・・・半年前の数字とはま〜〜〜ったく違う数字だったのです!
だってね、例えば半年前は、
日本生命 132%
第百生命 40%(今のマニュライフ)
日本団体生命 35%(今のアクサのCCIライン)
だったのに・・・全社、安全度の目安とされる200%を超えている数字なのよ。
そして、それまで漢字生保3位だったニッセイ様が、なぜか1位になっている・・・。
金融庁の友人と酒を飲んだ時に突っ込んで聞いたら、「オレから聞いたって言うなよ」と言葉を濁しながらも、思った通り、要するに「画策した」「ほとぼりが冷めてから発表した」ってことでした。
でも、所詮は捏造された数字だからね。
全社200%を超えているのに、それから2年の間に5社が破綻した。
当然、「おかしいだろ?」という声が出て、また時の大蔵大臣が(前の時とは違う人だったような気がする)、「数字を見直させる」と発表したのです。
見直されて出て来た数字は・・・ほとんど変わりなし。
きっと、「ヤバいからちょっといじった」のだろうね?。
以降は大蔵省(→金融庁)も、対処の方針を変えたけれども(破綻させるとヤバいから、破綻前に何とかして買い取ってもらう。去年、社名を変更した漢字生保も、まさにそれ)、まあ、こうした経緯があって今に至る・・・ということなのですよ。
本当はもっと役に立つ話を書こうと思ったけれども、まあ、こうした歴史は古い人じゃないと語れなから、業界の実情を知るという意味においては、役に立つよね。
とにかく、「マトモな世界」でビジネスをすることが、あなたの幸せにとっては不可欠のことなのですよ。
ということで、今日はこの辺で。