前々回のメルマガに引用した「クロージングの心理技術」という本の中に、こんな一節がありました。
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あなたの予想とは違い、見込み客があなたの製品やサービスを買わない理由は・・・
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さて、その理由とは・・・知りたいですよね。
でも、その前に大事なことがあります。
この本、ものすごく役に立ちますけど、ノウハウ的な部分についてなら、本を買って読めばイイだけのこと。
わざわざ私が解説する必要はありません。
だからこそ、「何気なく読み進めちゃうだろうけど、ちょっと立ち止まって考えてみて下さいね」という部分について、私が書こうと思ってます。
で、その「大事なこと」とは、「あなたの予想とは違い」と、ホイットマン大先生がわざわざ書いているということ。
一節の全文は、こう書かれています。
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あなたの予想とは違い、見込み客があなたの製品やサービスを買わない理由は、製品自体の中身よりも、見込み客の“考え方”と関連している。
わからない? 彼らのイエスあるいはノーという返答は、彼らの脳の内部から発せられているのだ。
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「あなたの予想とは違い」とあえて書いているのは、「ほとんどの人は、売れない理由は、製品自体にあると思っている。さて、あなたもそうじゃありませんか?」と、警告を発しているのですよ。
その先を私が翻訳すれば、こうなります。
「売っている商品自体は同じなのに、たくさん売れている人もいれば、全然売れない人もいるわけでしょ? これ、厳然たる事実ですよね。では、一体、何が違うのか?・・・そう、使っている言葉が違うんですよ!」
ということなのです。
そしてさらに、それに続く言葉・・・たった5文字のひらがなですよ。
これもまた、ものすごく重要です。
何て書いてあります?
「わからない?」
ですよ。
あえて「わからない?」という言葉を挿入しているんですよ。
なぜ?
わかっていないアホな指導者、アホな会社だらけだから!!!
その被害を受けちゃっている多くの方々に向けて、ホイットマン大先生はこの本を書いているから。
で、ここまでは、今回の記事の少々長い前振り。
昨日、セミナー受講者の方から、驚愕のメールをいただきました。
セールスに使うシートを、募文番号を取るために会社に提出したら、たくさんのダメ出しが来たそうです。
・・・まあ、これはよくあることで、ちゃんと「通すため」のノウハウがあるんですけど、ここではそれには言及しません。
驚いたのは、以下のダメ出しを喰らったとの報告なのです。
「“あなた”という言い方は、お客様に失礼なのでNG」
ドッヒャ~~~!!!って感じです。
「“皆さん”はNG。“あなた”って書かなかったらダメ」・・・って、どんな教科書にも書いてあるのに!
失礼じゃなくて、ただただ果てしなく何の勉強もしていないというだけでしょ?
いやはや、あまりの「バカ丸出&でもそれに全然気づいてない」状態に久々に直面し、かなり驚き、呆れてしまいました。
そもそもこれ、募文の規定じゃなくて、タダの「バカの感情論」ですしね。
この会社の募文規定を持ってますけど、どこにも「“あなた”はNG」とは書いてないですから。
前出の本の中でも、世界的権威であるホイットマン博士は、「あなた」と書いていますが(まあ、英語なのですべてYouなのでしょうが)、大バカ野郎から見ると、この本自体も「読者に対して失礼なのでNG」になってしまうのでしょうか?
そう、こういうところなんですよ、大事なのは。
大事だからこそ、あえて「わからない?」と、著者は書いているし、それについて、私もここまで興奮して書いているのです(見えないでしょうけど、先程、怒りで手が少し震えていました)。
ホント、何~~~もわかってネ~くせに、偉そうに真逆の事を言う人の、なんと多いことでしょうか。
あなたも、そんなアホの被害者になってはいけませんよ。
・・・アホの被害者になっちゃうなんて、本当にバカ見ちゃいますからね。
さて、結論をわかりやすく言いましょうね。
売れる、売れないの差は、ものすごく単純に言えば「何着て、何喋る?」の差だけなんですよ。
局面を限定して言えば、同じガン保険だって、売れる人と売れない人の差は大違い。でも、それは、商品の問題じゃない。同じ会社のガン保険でも、売れる人と売れない人がいるのですから。
私のマブダチのホージョーちゃんという人は、今、某社の定期保険を、全国でトップクラスで売っているけど、彼だけが特別な商品を売っているワケじゃないですしね。みんな、同じ商品を売ってるんです。
では、何が違うの?
それは、「売る時に使っている言葉」ですよ。
それこそが「商品」だから、そこまで差が出るのです。
いや~、それにしても「“あなた”は失礼だからNG」には、驚いたな~。
基本中の基本の部分で、明らかに間違ったことを指導しちゃうんだからな~。
ということで、最後に私が「あなた」にお伺いします。
「わからない? 見込み客のイエスあるいはノーという返答は、彼らの脳の内部から発せられているのですよ。イエスなのかノーなのか、それはすべて“何着て、何喋る?”で決まるんですよ。そのための言葉の使い方の基本、ちゃんと知ってますか?」
私たち生保セールスが売っているのは、保険でも保障でもありません。
私たち自身です。
お客様からは、目の前にいる私たちの「見た目」と、目の前にいる私たちが発する「言葉」しか、見えないのです。
私たちの頭の中には、何時間喋っても喋り尽くせないほどの商品知識や、提案の背景があっても、お客様にはそれは見えません。
お客様に見えているのは、あなたの見た目と、あなたが発する言葉しかないのです。
そう考え、何よりそれを重要視するのが、「正しい顧客第一」なのです。
あなたが「顧客第一」で「たくさん売ろう」と思うのなら、まずは正しい(=売れる)言葉の使い方を知る必要があります。
なぜなら、それを抜きにして、売れるはずがないのですから。
通り一遍の、会社が教える「言葉」で売れるなら、売れなくて困っている人なんて、存在するはずがないのです。
そういう事実、を「あなた」も明確に認識しましょうね。