言葉の「ハードワーク」

生命保険営業の本質!

昨日、歯医者に行って、一応治療が完了しました。

痛かった歯、欠けちゃった歯の治療は3回ぐらいで終わっていたのです。3ヶ月ぐらい前に。
でも、歯医者が苦痛な私が(ほとんどの人が苦痛でしょうが)、痛くもない歯をキレイにしてくれと自分から申し出て、そこから3ヶ月間、歯医者に行ったのです。
お金も結構掛かったしね。

しかも、2人の人間にその歯医者を紹介しました。
2人とも、ちゃんとその歯医者に行きました。

生保セールスも一緒ですよ。
誰だって歯医者なんか行きたくないし、保険のセールスもされたくない。
もちろん紹介なんてする気はない。

それなのになぜ、私が自ら進んで治療を申し出て、苦痛に耐えて、結構なお金を払って、2人の人間を紹介したの?

それは「治療がごく短時間で終わったから」。
これは、全世界のすべての商品・サービスを売るための「共通の鉄則」です。
要するに、時間を掛ければ掛けるほど売れなくなる。
短時間でセールスを終わらせるほど、紹介が出る。

調査結果によれば、生保セールスに掛けられる時間は、最長でトータル40分。

・・・あなた、こういう大事なこと、知ってます?
「原理原則」を知らないままでは・・・売れるはず、ありません。

ということで、前々回、そして数日前の前回と2回続けて、「セールストークの冒頭には、オファー(見込み客の利益になること)を提示しなければならない。そうしないと先のステップ(プレゼンテーション)に進めない」という話をしました。

題材はこの2冊から。

「説得の心理技術」デイブ・ラクハニ

「セールスレターの成功技術」ドレイトン・バード

で、今回は「セールスレターの成功技術」の、前回のメルマガで引用した部分の続きです。

~~~~~~
 早く相手の同意が得られれば得られるほど、あなたの成功の可能性は高くなる。(中略)
 いったん読み手がある内容を受け入れたなら、それに続いて他のことも次々に提示できるのだ。(中略)最初の方で簡単な内容を受け入れた読み手は、それに続く内容も受け入れやすくなる。同意の方向へと心が傾いていくのだ。
 あなたの手紙の書き出しを見て「うなずける要素」があるかを確かめよう。同意せずにはいられないシンプルな提案を探そう。
~~~~~~

そう、必要なのは「一刻も早く」。
だから「初回面談の、挨拶の後の、15秒」だと、私はセミナーや動画で言っているのです。

だから「お伺いトーク」は、すべて「絶対の禁句」なのですよ。
そうでしょ?
「保険の話を聞いていただけませんか?」に代表される「お伺いトーク」には、何のオファーもない。
それどころか、相手に何かを差し出させようとしている言葉なのですから。

真逆なんです!

もうホント、全~部真逆!
「何度も会え」も「時間を掛けろ」も「たくさんの人と会え」も「顧客第一」も「外へ出ろ」も、全部全部全~~~部、真逆なんだよっ!!!

・・・と、怒りで激情気味になってしまいました。
でも、それほど腹が立ちます。
セミナーでも一定時間ごとに怒っております。

話を進めます。

「セールスレターの成功技術」の本は、上記引用の後で章が変わります。

会話の冒頭で、一刻も早く、聞き手が同意せずにはいられないシンプルなオファーをしなければ、そのセールスは失敗する・・・と述べた後で、では具体的に何を喋ればイイの?・・・と話は進んで行きます。

で、章が変わった冒頭の文章。

~~~~~~
【手紙の「中身」】

 内容に一貫性はあるか、
 細部に注意は行き届いているか
 
 (中略)

 ・・・良い文章は必要以上の言葉は使わない。しかしここでもっと重要な教訓は、「あなたがハードワークをしなければ誰も聞こうとは・・・あるいは読もうとは・・・しない」ということだ。
~~~~~~

ハードワーク・・・足を棒にして歩き回れってことじゃないですよ。
「ハードワーク」と呼べるくらいに言葉を精査しなかったら、誰もあなたの話を聞こうとはしない・・・と筆者は言っているのです。

私も、セミナーで、言葉について2時間くらい喋ります。
しつこく、詳しく、感情をあらわにして、たくさん喋ります。

そりゃそうですよ、お客様から見た商品は、「目の前にいるセールスの見た目と言葉」しかないのですから。
だから、「ハードワーク」と呼べるくらいに思考し、作業し、精査するのは当然のことなのです。

でも、大多数のセールスが、何~~~もしないでしょ?
ハードワークどころか、何~~~もしない。
何~~~もせずに、会社が教える「売れない言葉」をそのまま喋っちゃう。

・・・だから3年以内に93%が廃業しちゃうんですよ!


言葉こそが商品なのです。
だから、セールスに使う言葉を精査するということは、そのまま「商品が良くなる」ということ。
良い商品だから売れるし、悪い商品だから売れないのです。
あなたが、今、思うように売れていないとしたら、商品が悪いのです。

例えば、私、セミナーで「もし~~~したら」は禁句だと言っています。
これなんかも、精査し続けている内に気付いたんですよ。
精査しなかったら「この言葉のどこが悪いの?」だし、ごくごく普通に使っちゃいうでしょ?

「もし、この医療保険に入ると、入院1日目から10000円が給付されます」

この言い方、ダメなのです。
でも、あなた、言っちゃってる可能性、大アリでしょ?

精査する、ハードワークってのは、こうしたレベルの話。
プロとして食って行くということは、こういうレベルで仕事をするということ。
「もっと」「たくさん」「活動量」などという幼稚園児レベルの話ではないのです!

そして!
今朝、大感激なことがありました。

私たちセールスマンのバイブル、ダン・ケネディの「セールス戦略」に、こう書いてあるのを発見したのです。

~~~~~~
【ステップ5:取引をまとめる】

(中略)・・・ただ、その場合、「もし~ならば」という言い方をするのは、セールスしながらセールスを遠ざけることになる。だから「もしメンバーになれば」という言い方はやめよう。代わりに「メンバーになった時には」という言い方をした方が良い。もっと良いのは「メンバーとしてあなたは~を得られます」という言い方だ。
~~~~~~

もう、ホント、大感激。
なぜこの箇所に気付かなかったのかな~。何度も読んでるのに。
「当然だ」って思ってるから、見過ごしちゃったのかな?

そして確認。
ここでも「~を得られます」と、「聞き手の利益」を伝えています。

イイですか、正しいものは正しいのです。
理論不在の間違ったことを、いくら「たくさん」やったって、時間と労力の無駄遣いでしかないのです。

どうかあなたも「正しい」仕事ををして下さいね。