2001年の12月に、私はソニー生命を出て個人代理店になりました。
辞めたワケじゃないですよ。当時は4つの数字(在籍年数、保有契約高、継続率、直近1年間の売上)をクリアすると、契約者を全部持って代理店として独立できたのです。
いわば「卒業」です。
サラリーマンから生保セールスとして起業した時には、何も知らない世界だし、営業経験ゼロだし、生まれて半年の子を抱えて歩合給になるのだから不安もあったけど、代理店として出た時には、ものすごい解放感と言うか・・・まあ、とっても幸せな気分でした。
そこで当然ながら「何、やろうかな?」と考えました。
ソニー時代と同じことをやる気はなかったですからね。同じことをやるなら、独立する意味はありませんから。
さして考えるまでもなく、基本路線は結構すぐに決まりました。
「WEBで集客しよう!」です。
メルマガはその前から書いていたけど、新たにブログを始めて、同時にホームページを作り始めました。
当時は専門知識も経験もなく、ワードプレスのような便利なものもなかったから、今考えるとかなり時間を掛けて作ったけど、それでも楽しくて仕方がなかったです。
だって、システムがちゃんと回り始めたら、部屋から出たくない、電話にも出たくない私にとっては、理想の生活が手に入るのですから。
だから、それまでは週3日しか仕事をしなかった私が、毎日14時間ぐらいパソコンの前に座っていました。
当時は、メルマガの数、ホームページの数、そして生命保険を売ろうとしているホームページの数も、今の1万分の1分ぐらいのような気がしますが、しかし今も昔も、単にホームページを作ったからと言って売れるワケではありません。
そこには「オファー」が必要です。
わかりやすく言うと、私が生命保険を売ろうとするターゲット層が欲しがるようなものを提示するから、「それ、欲しいです!」と手を挙げて来る人が出て来る。
これが、正しい意味での「見込み客」。
単に連絡先を知っている人というのは、見込み客でも何でもありません。
ましてや職域に居る人なんてのは、理論上は「逆見込み客」・・・つまり、通常よりもはるかに成約率の低い人たちなのです。
・・・この辺を詳しく書くとものすごい量になっちゃうから、書きません。
職域などというバカげたものに依存して仕事をしている人は、ごくごく少数の天才以外は、すぐに廃業に至ってしまうのです。
「オファー」とは何か・・・ついては過去に何度か書きましたので、読んで下さい。
例えばこの記事。
☆「最初の15秒で決まる」
で、ここからが本題。
ブログを開設して、ホームページを作ったら、その次は「どうやって見込み客を集めるか?」ですよ。
そのためには「オファー」が必要です。
「だからオファーなんだよ、バカ!」ってのは、ダン・ケネディの有名な言葉ですが、当時はダン・ケネディなんて全然知らなかったけど、起業家として素直に思考したら、必然的にこう思いました。
「何か、無料の、役に立つサービスを開始しよう。そうすれば見込み客が見つかるだろう」って。
もちろんオファーは、何でもイイってわけではありません。
●ターゲットが欲しがるもの
●実際に役に立つもの(「役に立ちそうだ」とターゲットが思えばOK)
●一度作ってしまえば、後の手間が掛からないもの
●コストがかからず、無料で提供できるもの
●もちろん生保販売に直結するもの
といった条件をクリアする必要があります。
で、私が思いついたのは「無料家計診断」。
「はい・いいえ」で回答する設問を20個用意して、「回答すると診断結果票を送ります」というもの。
診断結果票というのは、「○点~○点:Aランク・・・素晴らしいですね! このランクの人は・・・」みたいな採点結果と、20の設問それぞれについて、なぜ「はい(いいえ)」だと加点されるのかを解説した文書です。
この結果票、最初はせいぜいA4サイズで10枚程度のワード文書でした。
でも、日々見ていると、「ここはもっとこうしたい」「書き足りない」がどんどん出て来るものなのです。
何回ぐらい加筆改訂したかな・・・7~8回はやったと思いますよ。
最終的には、全部プリントアウトすると70ページぐらいになってしまいました。70ページの紙を綴じるホチキスさえ持っていなかったので、郵送をやめてPDFダウンロードにしました。
インク代も郵送費も減って良かったですが、今では、郵送した方が反応率が高いということを知っていますけどね。
で、なぜそんなに何度も加筆改定したかと言うと・・・見込み客がコンスタントに見つかったからです。
だから、「もっと良いものを!」と思って、加筆改定を繰り返したのです。
だって、結果票を読んで納得した人は、メールの文面がいきなり「先生」なのです。「先生、私の生命保険を見てもらえませんでしょうか?」っていうメールをくれるのですよ!
そんなもん、契約にならないワケがありません。
この「無料家計診断」と「結果票」は、無料のオファーとして開始してから約3年後、「お金の意識革命~家計が変わる、人生が変わる!」という本になり、全国のファミリーマートで2万部が販売され、完売しました。
2万部販売されたら・・・反応率1%で計算しても200世帯。
歩留まりを考慮して0.5%でも、100世帯の見込み客です。その80%以上が契約になるのだから・・・収入的には楽勝です。
しかも、原稿制作費として40万円貰った上でですからね!
ということで、言いたいこと。
私は何も、自慢したいワケじゃないんですよ。
ただね、ここには「見込み客発見」のための非常に重要な基本があるのです。その例として、自分自身の過去の話をしたのです。
見込み客発見のための重要な基本、その1つ目は、当然ながら「オファー」です。
オファーがなかったら、見込み客は発見できません。
でも会社は、そんなこと言わないでしょ?
知らないから言えるはずがないのだけれども、問題なのは、会社が教えるのはオファーじゃなくて「逆オファー」だということ。
見込み客が手を挙げるのではなく、友人さえも逃げて行くトークを教え、強要する・・・。
だから3年以内に93%が廃業してしまうのですよ!
オファーってのは、最低限でも「これ、欲しいでしょ?」って言うこと。
見込み客にそう思わせるものを創り出すこと。
さらには「今だけ」「あなただけ」って言うこと。
この「オファー」の質が、そのまま売り上げにつながるのです。
対して「話を聞いていただけませんか?」に代表される「お伺いトーク」は、客の方に「話を聞いてもいいよ」というオファーを「差し出せ」と言っている。
つまりは「逆オファー」なのです。
だから客が逃げて行くのです。
オファーがあるから、そしてそのオファーが魅力あるものだからこそ、見込み客が見つかるのだから、私が「結果票」を何度も加筆改定してたのも当然です。いつも「どうすればもっと良くなるか?」、つまりは「もっと見込み客が見つかるか?」って考えてたしね。
だって、それがそのまま売り上げに直結するのだから。
念のために言っておきますが、この「オファー」という言葉は、そのまま「アプローチトーク」です。
印刷物やPDFがなくたって、あなたのトークが「オファー」になっているかどうかが大事なのです。
「話を聞いていただけませんか?」の「逆オファー」なら、客は逃げて行く。
「私、○○の話をしますけど・・・聞きます?」のオファーなら、反応する人だけが寄って来る。
ここが「楽しく長く売り続ける人」と「3年以内廃業組」の分岐点なのです。
見込み客発見の基本ポイントの2つ目。
私は「結果票」を7~8回改訂したと同時に、それを「広告・宣伝」するために、丸5年間1日も休まず、ものすごく長文のブログを書き続けました。
「無料家計診断」が見込み客から好まれるオファーだと仮定しても、それを知ってもらわなければ、誰も手を挙げてくれないからです。
知ってもらうためには「広告・宣伝」しかありません。
それ以外の方法は、世の中には存在しません。
当時はAdwardsで広告を出すとかいう意識も知識もなかったし、FacebookやTwitterはもちろん、AmebloやMixiすらなかったので、とにかくひたすら、喜んでもらえる記事を書き続けるしかないと思っていました。
だから、泥酔状態でも長文の記事を書いていました。
今となれば「なぜ怠惰なオレがあそこまでできたのか?」って不思議に思いますけど、でも、見込み客を見つけるために必要なのだから、保険屋として当然のことをしたまでです。
もちろん、イヤじゃなくて楽しいからできたことだけど。
5年間、長文の記事(10000文字が文字数制限なのだけれども、しばしば文字数オーバーの警告が出ていた!)を書き続けたからこそ、見込み客がコンスタントに発見できるようになったのであって、「ちょっとやってみた」ではありません。
これが日々の「活動」です。
「活動量」という言葉の正しい正体は「広告宣伝活動」なのです。
どんな業種であっても、利益を上げたかったら、良い商品(オファー)を創って、それを宣伝する・・・マイクロソフトだろうがトヨタだろうが個人事業だろうが、これは全世界共通なのです。例外はありません。
それを、オファーがないどころか「逆オファー」にしかならない言葉を投げかける・・・。
そして、広告宣伝活動を一切行わない・・・そんなんで成立するビジネスなんて、世の中には存在しないのです。
さて、あなたは、見込み客が欲しがるような「オファー」をちゃんと持っていますか?
それを見込み客に広告宣伝するための、複数のメディアや手法を持っていますか?
この2つがなかったら、ビジネスとは呼べませんよ。
これこそが基本であり、スタートラインなのです。