トークが甘いのは「顧客無視」

生命保険営業の本質!

 先日、受講生が店に来て、喋っていて泣きました。

 私が泣かせたわけじゃありませんよ。
 ロープレして泣いたのです。

 私に向かって喋る緊張はもちろんあったでしょうが、その場の雰囲気を、本気で「感じよう」としたから、色々な感情が押し寄せて、涙になったのです。 脇で聞いていた社員のノンちゃんも「私も泣きそうになった」と言っていました。


 話がガラッと変わるようですが、私、もうかなり前のことになるのですが、当時の世界のトッププロゴルファーたちが、ズラッと並んで練習しているのを見たことがあります。

 もちろん私だけじゃなくて、たくさんのギャラリーが見ていましたが・・・あくまで試合じゃなくて、練習ですよ・・・でも、1球打つだけで、ギャラリーが「オ〜ッ!!!」と声をあげるのです。

 もう、ホントにすごかったですよ。
 さほど力を入れているようには見えないのに、ものすごいスイング音がする。
 何球打っても寸分変わらぬ美しいフォーム。
 そして、驚異の弾道!

 これが「プロの世界」です。

 でもね、私たちだってプロなんですよ。
 だから、もし透明人間が、あなたのプレゼンテーションをすぐ脇で聞いていたら、「オ〜ッ! スゲ〜! さすがプロ!」って感心されるレベルのトークじゃなかったら、それはプロレベルのトークじゃないということ。

 そんなんじゃ、食っては行けないのです。
 だから93%の人が3年持たずに廃業に至るのです。

 私、この世界に22年居て、トークを聞いて「ウワ〜、この人、上手いな〜!」と感心した人って・・・3人しかいません。
 村上英雄さんと、花田敬さんと、ウィッシュアップの牧野さん。

 ということは、私のレベルでトークについて教えることができる人って、日本にはほとんど存在しないということなのですよ。
 ましてや、売れなくて所長になった連中なんて、「普通に売れるトーク」すらできなかったのだから、マトモなことなんて教えられるはずがありません。

 そんな、私から見たら「そのトークじゃ。売れる方が不思議。奇跡が起きなきゃ売れないよ」の連中が指導しているから、まあホント、受講生であってさえ、トークが甘すぎるのです。

 いつも言っているように、目の前の顧客からすれば、商品は「あなたの見た目と、あなたの口から発せられるトーク」しか存在しません。その「トーク」が甘かったら・・・プロとして食って行けるはずがないでしょ?

 私たちのトークというのは、本当に本当に細かい部分(声の強さや間合いをを含め)の「精査」のレベルです。
 例えば、今月のマーケティングレターに書いたのですが「○○です」「○○ですよ」「○○ですよね」の3つは「違います!!!」

 この違いを認識した上で、どれを使うか・・・このレベルの「精査」をできるのが「プロレベル」なのですよ。

 プロレベルの「精査」ができるようになるために必要なことは、3つあります。

●「禁句」を知る

 禁句・・・ものすごくたくさんありますよ。
 でも、知らない人がほとんどだし、すべての会社・ほとんどすべての指導者の教えるトークは、まさに「禁句だらけ」!

 禁句はね、口にした途端、売れなくなります。
 それを知らなかったら、トークは構築できません。


●理論を知る

 「なぜ契約になるのか」の理論(これも13個ぐらいある!)を知らなかったら、「売れるトーク」の構築ができるはずもありません。
 例えば、これもマーケティングレターに木戸一敏さんが寄稿してくれましたが、「いただく」という言葉は「究極の禁句」です。
 その言葉を使うとなぜ売れなくなるのか・・・知らないから、常に断られてしまうのですよ。


 そして3つ目・・・これが一番大切です。
 それは「真の顧客第一」。


 会社は「顧客第一」と言いますが、それがセールスにとってどんな弊害を及ぼすが・・・セミナーでは7つぐらい、具体的にその弊害を提示します。
 詳細は書きませんが、会社の言っている「顧客第一」は「大嘘!」です。
 すべての会社の教えは、顧客蔑視でしかありません。

 「真の顧客第一」の意味は、これも7つありますが、トークの構築において最も大切な「真の顧客第一」は、「目の前の顧客がどう感じるかを、ありありと感じようとすること」です。

 私は生保セールスになって2回、「始末書」を書いたことがあります。
 始末書になった理由は、2回とも「契約者への暴言」(苦笑)。

 でもね、そんな私でも、「目の前の顧客の気持ちを、ありありと感じようとする」という「真の顧客第一」については、絶対の自信がありますよ。
 だって、「常に」それがなかったら、売れるトークなんて構築できるはずがないですからね。

 だから、顧客が「ちょっと引いたな」「気持ちが切れたな」と感じられたトークは、「二度と使ってはいけないトーク」なのです。
 でも、ほとんどのセールスは、それをそのまま使っちゃうでしょ?
 会社は「断られてもくじけるな」「数だ!」「繰り返せ!」としか言わないでしょ?

 そんなのは、完全な「顧客無視」「顧客蔑視」なのですよ!

 店で涙を流した受講生は、「ありありと感じよう」とする意識を、ついに「体感」できたから、「ありありと感じた」結果、涙が出てしまったのです。
 これが「プロのレベル」のビジネスだし、「新の顧客第一」。
 
 断られるトークを使い続けるなんてのは、顧客無視。
 顧客無視だから売れない。
 正しい理論とは、このように単純明快なものだということを、あなたもしっかりと認識してくださいね。