先日、「最悪」と「最高」を経験しました。
その日・・・相続の件で、友人と夕方に会ったのです。
友人が、「最近、近くにできた店で、一度行ってみようと思ってたから、お前が来るなら丁度いいから、予約しておいた」と言います。
おすすめのコースで、1人16000円。
彼は、私が寿司屋のセガレだったころの友人ですし、彼も「下町の印刷会社の社長」ですから、気風のいい、男気のある、セコさなんかカケラも持ち合わせない男です。
で、店に行って、彼が、ほんのちょっとした注文(注文まで行かないな。初めての店なので、ちょっとしたお伺い程度)をしたのです。
そうしたら、「当店ではできない決まりになっております」と、店長なる男の、慇懃無礼で無能な返事・・・
「ケツが痛くなっちゃうから、座布団もう1枚、ちょうだい」程度の、ほんのささやかなお願いです。
でも、案内した女の子が困って聞きに行って、しば~~~らく待たされて、店長なる男が出て来て、「できない決まり」・・・
まあ、それだけなら腹も立たないし、「ダメな店だな~」と思うだけで済んだのですよ。
ところが店長、こう言ったのです。
「決まりには従っていただかないと、こちらも何もできませんから」
友人は、吹けば飛ぶような私と違って、185センチ100キロの男。
暴れちゃったら・・・大変ですよ!
でもね、元高校教師だから、分別も忍耐力もある。
冷静に、私にこう言ったのです。
「ごめんね・・・」
そうなったら、短気な私が激怒しないわけがありません。
でもね・・・怒鳴りませんでした。
最近の色々な教訓によって、少しだけ成長できていたようです。
店長なる人間に、こう言いました。
「あのさ、それで俺たちが気分悪いってこと、わからないの?」
店長の答えはこうでした。
「そう教えられていますので」・・・
そうしたら、友人は、黙って3万3千円をテーブルに置いて、おしぼりさえ使わずに店を出ました。
ジブや、プルやソニーや、その他の追従の「顧客無視」の会社も、これとまったく同じですよ。
「会社がそう言ったのです」
「会社から言われた通りのことしかできません」
「教わった通りにやったまでです」
「あなたが、会社が決めた通りに動かないと、私には何もできません」
「あなたの気分なんて関係ありません。教えらた通りにやっているだけです」
「言うことを聞いてくれないと、サービスできません」
まったく同じ!
まったく同じ!
まったく同じ!
顧客にも従業員にも不幸しかもたらさない、憎むべき存在です。
店を出てすぐに、タクシーを停めながら、私は友人に言いました。
「行こう。次はオレが出すから」
友人は、何も言わずににっこり笑って、「ごちそうさま」と言ってタクシーに乗りました。
1か月ぶりの高級ホテルのバーは、「少々のお久しぶりですね」と、にこやかに私たちを迎えてくれました。
私が、「ちょっと嫌なことがあって、胃がキリキリしているので、飲む前に胃薬を下さい」と言ったら、にこやかに笑ってドリンク剤をくれました。
メニューには「ソルマック」なんて、どこにも書いてないのに。
ああ、やっぱりここに来てよかった。
また来よう・・・と思いました。