子どもは覚えてくれている

三洞の「これが言いたい!」

 子どもの頃の思い出……と言われて、何を思い出すかな?

 先日、大阪の受講生のフジモンに子どもが生まれて、誕生日を聞いたら3/26だと言うから、それだけでとっても嬉しくなりました。
 オレと近いからね。
 「牡羊座じゃん! 最高だぞ!」と言いました。

 フジモンなんかは、親になる前に私のセミナーを受けたから、最初から「子どもとの時間」ということを明確に意識しているので、それはとっても素晴らしいことだと思います。
 オレも、親になって半年後に保険屋さんになったから、よ〜く分かります。
 もうホント、可愛くて嬉しくて、最高に幸せだったからね〜。

 ウチのトシくんは28歳になったけれども……3年ほど前に聞いてみたことがあるのよ。
 「シーラが来た時のことを覚えてる?」って。

 トシくんが3歳くらいの時(まだ幼稚園に行く前)に、アメリカのウェストバージニアから、シーラという交換留学生がホームステイに来たことがあるのよ。
 アメリカの女子大生と聞いて、ブロンドの青い目の女の子が来るのだと勝手に想像していたら、オレよりも年上の186センチの黒人が来たのでビックリしたけど(笑)……片言の英語での会話でも「超〜天然!」だということが分かる、とってもポヨ〜ンとしたイイやつでした。

 彼女はシングルマザーで、シャキールという9歳の息子がいて、息子の話をすると「こんなに長時間離れているのは初めてだ」と言って泣くのだけれども(笑)……それだけにウチのトシくんのことをものすごく可愛がってくれました。

 すぐに「トシ〜!」と言ってハグするしね。
 「Let’s go for a walk!」と、トシくんを散歩に連れ出そうとする。
 トシくんは分からなくてポカ〜んとしているから、「シーラがお散歩しようって。行っておいで」と言うと、トシくんは嬉しそうに手を引かれて出て行くのです。

 近所のおじさんに言われました。
 「いや〜、昨日、ビックリしたよ。ウチの前をデッカい黒人が歩いてるからさ〜。そうしたら五十田さんちの子と手を繋いでるじゃん? あれ、お友達?」って。

 初めて用事があって出掛けた時、駅からウチまでの地図を書いて、丁寧に道順を教えたんだよね〜。
 でも、その地図を食卓の上に置き忘れている(笑)。
 絶対に帰って来れないよな〜……と思ったら、案の定電話が掛かって来たけれども、対面なら何とか通じる英語も、電話だと全然通じない。ひどく訛りのある英語だから(「オーケイ」ではなく「オカイ」)余計に分からない。

 駅にいるのは分かったから、「とにかくそこを動くな。今から探しに行くから」と伝えて、トシくんに言いました。
 「シーラが迷子になってるから、探しに行くぞ」。
 トシくんは目を輝かせて「オー!」と勇躍していました。

 駅に着いて、「トシくん、シーラを見つけたら父ちゃんに教えるんだぞ」と言ったら……すぐにトシくんが見つけました。
 186センチの黒人だから、探しやすいのが幸いでした。
 でも、その時、「居たっ!」と指を差したトシくんの、「どうだ! やったぜ!」といった感じの表情は……今でもはっきりと覚えています。
 
 その後、Facebookが普及したので、「もしかすると、シーラが見つかるんじゃないかな?」と思って探してみたら……簡単に見つけることができました。
 「Do you remember me?」と聞いたら「Of course!」の返事が返って来ました。
 一緒に来たグレッグという男も発見できて……今では2人とも孫がいるそうです。
 Facebook、マジに素晴らしいです。


 で、長々と書いたけれども、トシくんはシーラのことも、散歩に行ったことも、駅に捜索に行ったことも、シーラを発見したことも、しっかりと覚えていました。
 そこで、さらにその前のこと……「タカカイ(戦い)ごっこやイコイコ(トシくんが喜ぶ遊び)のことも覚えてる」と聞いたら「ちゃんと覚えてる」。

 父ちゃんは何だか嬉しくて、泣きそうになりましたよ。
 25歳になった息子の前で泣くのは恥ずかしいから、必死に我慢したけどね。


 子どもはちゃんと覚えてくれている。
 だからこそ、一緒にいる時間を少しでも長く取るべきなのよ。
 正しい環境で、正しい理論に沿って、短時間働いて、高収入を得るべきなのです。