スランプの乗り越え方(その2)

三洞の「これが言いたい!」

(841号からの続き)

 初のスランプは保険屋さん2年目の1996年。
 典型的な「2年目の壁」だけれども、「7つの習慣」がようやく刊行された年だから、文献はないし、 GoogleもPCもないし、教えてくれる人なんかいるはずもない……。

 つまりは知識不足が招いたスランプなのだけれども、知識を仕入れようとしても、何〜もないのだからどうしようもないのです。


 せっかくだから、正しいスランプ(停滞)の乗り越え方を書いておこうね。
 大事なのは「早期発見」。
 事態が深刻化しない内に、ヤバいということに気付くことが大切です。
 その兆候は3つ。

●売り上げが半年間伸びていない
●新しいことを半年間やっていない
●楽しくない、我慢してやっていると感じる

 解決法も3つ。

●制約理論に沿ってプロモーションの全タスクを抽出し、フローに沿って並べ、ボトルネックを特定する

 →これが基本なんだけど、マーケティング・レターを購読している人じゃないと分かんないよね。
 あとの2つはこれ。

●それまでのやり方に、新しいやり方を付け加える
●それまでのやり方をやめ、新しいやり方にシフトする

 最悪なのが「今までのやり方を、より多くやろうとする(=活動量)」。
 これが廃業と不幸への典型的な道筋なのです。


 さて、とは言え、当時はそんなことは分からない。
 「制約理論」なんて、知るはずもない。
 では、どうしたかと言うと……「あきらめた」。

 後年、「あきらめる」は「明きらめる」=「明らかにする」だということが書いてある本を読んで、「ああ、あれは明きらめたんだ!」と思えたけれども、要するに、「ヤバい!」と思っていたって事態は改善しないのよ。
 だからと言って、活動量を増やすのは自殺行為。
 状況はさらに悪化するだけ。

 最悪なのが「落ち込んじゃう」「グチグチ考えちゃう」……。
 これをやると、さらに運気が下がっちゃうからね。


 だから、ある時、「あ〜あ。仕方ない。今はダメなんだ〜」と思えちゃった。
 その時のことはちゃんと覚えています。
 大宮駅前の丸井で買い物をしていて、そんな感じになりました。
 つまりは「明きらめた」のです。
 で、ゆっくりと買い物をして、さらには余計なものまで買って、大きな袋を抱えて家に戻りました。

 家に戻って「今週は、もう、お休み!」と決めました。
 所長(当時は笹井さんじゃない)に電話をして、「運気が下がってるんで、ちょっと休みますわ」と言ったら、「イイですね。そうしてください」と言われました。
 休むと決めたので、気持ちが吹っ切れました。


 私の理念は「世の中のストレスを減らし、幸せの量を増やす。オレにはそれができる!」です。
 だからこそ、28年にわたって生保セールスを見て来て思うのですよ。
 「一番良くないのは、正体なき不安だな」って。

 セミナーに来てくれた人(特に男)には、「趣味、ある?」と聞きます。
 そうすると、一番多い答えがこれ。
 「〇〇だったんですけど……今はほとんどやれていません」。

 本来は「ありたい姿」を手に入れるために生保セールスになったのに、実態はその真逆になっちゃっているんだよね〜。
 生保セールスになって、「活動量!」という呪いの言葉を日々浴びせられた結果、常に「正体なき不安」を抱えるようになり、大好きだったこともできなくなる。
 家族との時間も心底楽しむことができなくなる。
 安息の時間がなくなる。

 正体なき不安によって、「そんな気になれない」という状況になっちゃうのよ。
 常にストレスを抱え、幸せの量が少ない状態になってしまっているのです。


 だから、あの時、「明きらめる」ことができて本当に良かったと思います。
 つまりは、運が良かった。
 運良く「明きらめる」ことができたから、運気が徐々に好転し、それまで溜めていた分が噴出するように、運良くデカい契約が入ったのです。

 こういうことって、分かる人にはとっても分かるのよ。
 「そうそう、そうなのよ!」になる。
 とってもとっても大事なことなのです。
 そして、私の場合は「運良く」だったけれども、具体的な方法もたくさんあるのです。

 近々発売予定の、沖縄の仲田史子の教材では具体的な話がたくさん出て来ますので、お楽しみに。
 とにかく、ダメな方法を数多く繰り返すことが最悪の行為だからね。
 「心機一転」と言うけれども、1回気持ちを吹っ切ってしまう……これが必要なのです。