長嶋茂雄さんに捧ぐ

生命保険営業の本質!

 長嶋茂雄さんが亡くなりましたね。
 いつかこの日が来ることは分かっていましたが、ついに来てしまいました。
 残念なことですが、今年の年末の10大ニュースの1つは、もはや決まりました。

 私が子どもの頃はテレビで放映されているのは巨人戦しかなかったし(関東地区)、長嶋・王の巨人軍が9連覇した時代だからね。
 普通の子なら、巨人ファン、長嶋ファンになりますよ。

 とにかく長嶋さんは、「愉快・爽快・カッコイイ!」でした。
 しかも、私が後楽園球場に野球を見に行った時には、必ずホームランを打ってくれました。
 王選手の方がホームランの数は2倍近いのに、王さんのホームランは1本しか見たことがありません。
 その上で、打席でも守備でも走塁でも……いつも「目一杯ハジケていた」のです。


 セミナーで長嶋さんのことを話すことがあるのよ。

 巨人軍V10の夢は阻まれ、その年(私は中学1年生)、長嶋さんは「巨人軍は永久に不滅です!」と高らかに叫び(テレビで見ていた!)、現役を引退しました。
 そしてすぐに巨人軍の監督に就任しました。

 春の宮崎キャンプは、報道陣の嵐ですよ。
 何しろ長嶋監督一年目の巨人軍だからね。長嶋監督の後ろには、たくさんのカメラとマイクとアナウンサーがゾロゾロとついて行きます。
 そこで……入団したばかり子のバッティング指導が始まった。
 報道陣はドワ〜っとそれを取り囲みます。

 その子は……緊張したろうね〜。
 今時の子と違って、当時は、野球でも相撲でも、インタビューされても全然答えられない子の方が多かったからな〜。
 でね、長嶋監督が「振ってごらん」と言うのよ。
 その子は無我夢中でスイングをする……。

 私は、その時の長嶋監督の言葉と言うか、指導を、今でもはっきりと覚えています。

 「う〜ん、ちょっと違うんだな〜。こう、腰を『ビュッと、ビュッと』するのよ。やってごらん」。

 その子は、顔面を真っ赤にして再度スイングする。
 そうすると……長嶋監督の再度の言葉。

 「う〜ん、ちょっと違うんだな〜。こう、腰を『ビュッと、ビュッと』、『ビュッと、ビュッと』するのよ。やってごらん」。
 
 まったく同じ(笑)。
 中学生だった私でも、思いましたよ。
 「長嶋さんには分かっても、この人には伝わらないよ」って(笑)。

 この子が誰かは、調べてみても分かりませんでしたが、「おそらくこの子だろうな」は推測できました(オレよりも歳上だけどね)。
 数年後、彼は一軍出場もなく引退し、長嶋監督一年目のシーズンは、読売巨人軍始まって以来、初の最下位に終わりました。

 まあ、一年目は最下位で翌年にはリベンジ優勝するというのが、長嶋さんが持って生まれたスター性なのだろうけれども、一年目に最下位というのも「スターなるがゆえ」だったのだろうね〜。
 だって、前の年には優勝争いをしていて、戦力が低下したわけではないのにきなり最下位って……目立つし、話題になるよね(笑)。
 でもそれは、いかに戦略と戦術が間違っていたのかということでしかありません。

 いや、事実はそうだとしても、長嶋さんに対して「間違っていた」なんて言える人は野球界にも存在しません(断言しちゃう)。
 野村さんのような嫌味な人だって、敵対していた星野さんだって、「長嶋さんは別」と笑って言うと思います。
 でも、巨人軍始まって以来、初の最下位だったのは事実だからね。

 つまりは、天才は「なぜできないの?」としか思わないけれども、秀才……プロ野球選手になって、一軍の試合に出ているだけでも天才だとは思うけれども……長嶋さん以外には、それは伝わらないのです。


 私は常に、それを警告しています。
 今は、保険屋さんをターゲットに「こうすれば売れる」を伝えてお金を取る人がたくさんいます。その中のごく一部は、「確かに、それができたら売れるよね」と思えるものを伝えています……あくまでごく一部の人ですが。

 でもそれは、長嶋さんの「こう、腰を『ビュッと、ビュッと』するのよ。やってごらん」と同じようなものだと思うんだよね〜。
 そのノウハウを売っている人にはそれができたのかもしれないけれども、一般人に「こうすれば売れる」と言ったって、それができる人はごく一部なのよ。


 長嶋さんが引退してすぐに「燃えた、打った、走った!」という現役時代の自伝が刊行されて、私もすぐに買って読んで感動したけれども……後年、「事実とは違う!」という闇の告発も目にしました。
 でもね、その本を長嶋さん自身が書いたはずもないし、書けるはずもないし(能力的にもスケジュール的にも)、そんなことは分かり切っているからこそ、「だから何なんだよ!」と思うし、「ケチつけてるんじゃネ〜よ!」と思います。

 だからこそ、長嶋さんの「こう、腰をビュッと、ビュッと」は、はるかに崇高でピュアなレベルでの指導だと思います。
 その上で、プロ野球の世界においても「こうすれば打てる」などという方法は存在しません。
 保険営業の世界でも、どんな世界でも一緒です。
 そんな方法なんて、あるはずがないのだから。


 日本のプロ野球の世界でも、1軍で長く活躍できている人はたくさんいます。
 でも、野手でも、ヤクルトの村上と、広島の菊池とでは、チームにとっての価値観やポジションが全然違います。
 投手はもっと分かりやすい。先発の柱と中継ぎとクローザーでは、立ち位置が全然違います。
 そんな状況の中で、自分に合った場所で自分の力を発揮できるからこそ、1軍の試合に出続けることが可能になります。

 昨年、プロ野球選手になれた人はわずか260人。
 対して保険屋さんになれた人は17万人。

 プロ野球選手の年間の解雇者率は、功成り名を遂げて、スタジアムでセレモニーまでやってもらって引退した人(ごく一部)を含めて10%強。
 対して保険セールスの廃業率は90%強。

 これ、ひどいと思わない?
 おかしいと思わないの?

 その原因はすべて「活動量」という言葉にあるのです。
 自分ではできない(やったこともない)くせに、「活動量があれば売れる」と言って金をもらっている人たちによる弊害なのです。

 長嶋さんが亡くなった日に、そういう人たちを長嶋さんと比べるようなことはしたくないけれども……「こう腰を、ビュッと、ビュッと!」と言うのは、長嶋さんだからこそ許されることであって、他の秀才・凡才・クズは、決してやってはいけないことなのです。


 イイですか、「こうすれば売れる」などという方法は存在しません。
 どんな業界だってそうなのだから、保険営業の世界でだけ通用する「こうすれば売れる」なんて方法が存在するはずがないのです。
 言われてみれば当たり前のことでしょ?

 対して、全世界の、あらゆる商品やサービスを売るために必須の「マーケティング理論」は、厳然として存在します。
 正しい理論とは、「あなたに合った売り方でないと売れない」であり、「では、私に合った売り方は?」を導き出すためのものです。

 それを知らずに、プロの世界で生き残っていけるはずがないでしょ?


 ということで、今後何十年が経とうとも、「昔、日本のプロ野球の世界に長嶋というスーパースターがいてね……」に続く、「こう腰を、ビュッと、ビュッと!」という教えは、分かりやすい例えとして使わせていただきます。

 長嶋茂雄さん、多大なるエンターテインメントを与えて下さって、ありがとうございました!
 合掌!!!

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