テレアポと訣別した日

生命保険営業の本質!

 8月に保険屋さんになって30年目を迎えました。

 誰でも最初は何とかなるものです。
 アプローチトークが下手でも、何のツールも持っていなくても、話を聞いてくれる友人・知人は何人かはいるからね。
 私も売り始める前に、「友人・知人で3ヶ月くらいは持つかな〜」と思いました。
 9月から売り始めたので、年内は何とかなりましたが、年明けには身も心も少々寒々しい状況になっていました。

 元マーケティングプランナーだったから、「最悪、6ヶ月目には、月に3人、『五十田さんの話を聞きたい』と向こうから手をあげてくれるようにならないと食っては行けない」と思っていました。
 年明けは4ヶ月目。まだ見込み客は順調に手をあげてはくれません。
 年内に契約を取り尽くしたので、「さて……少々ヤバいな」と思いました。
 毎週契約を入れると決めていたからです。

 そこで……背に腹は替えられません。
 「仕方ない。電話してみよう」
 そう思って、名刺入れを3冊持ち、会社の近くにあったレンタルのテレアポブースに行きました。

 その時のことは妙にはっきりと覚えています。
 ブースに入ったものの、どう喋ったら良いのかが分かりません。
 会社の教えは「保険屋になったから、保険の話を聞いてくれ」でしたが……そんなものが不発に終わるのは分かっています。
 だからと言って世間話をしても意味がないし……ハタと困って、狭いブースの中でタバコを吸ってばかりいたら、気持ちが悪くなってしまいました(笑)。

 いくら考えても「保険の話を聞いてくれ」以外の言葉は思い浮かばず、「では、この言葉が通用しそうな相手は?」と、名刺入れをめくり始めました。
 1時間後、ようやく1本目の電話を掛けました。
 クボタくんという、中学・高校の同級生です。
 とってもイイやつで「いいよ」と言ってくれました。

 「そうか、中高の同級生だったら行けるかもしれない」
 そう思って、次はフジオカくんに電話をしてみました。
 フジオカくんもとってもイイやつで「いいよ」と言ってくれました。

 結局、5人に電話をしたところで、精魂尽き果ててブースを出ました。
 5人の内の4人が「いいよ」と言ってくれました。
 ホント、良かったです。
 でも……5人中4人がOKしてくれたのだから、味をしめてさらにやったかと言うと、以降、テレアポは二度とやっていません。
 なぜなら、友人知人が3ヶ月くらいで尽きるのと同様に、「保険の話を聞いてくれ」で「いいよ」と言ってくれそうな相手も、そこで尽きたからです。

 そして、こう思いました。
 「電話するくらいなら契約なんていらね〜!」と。

 そう強く思ったから、必死になって「当面の契約を取る方法」を考え、実行しました。
 その後、月に3人くらいは見込み客の方から手をあげてくれるようになりましたが、それまでの時期が最も四苦八苦した時じゃなかったかな〜と思います。
 その証拠に、5月のコンテストではスカ〜っと300万くらい売れるようになっていたからね。

 テレアポなどという「果てしなく売れない方法」をやり続けていたら……とっくに業界を去っていたと思います。
 愚劣な方法と訣別できた、記念すべき日となりました。


<追伸>

 受講生へ。

 以降、二度とテレアポはやっていませんが、この経験はとっても役に立ちました。
 なぜ5人中4人がOKしてくれたのか……セミナーのワーク1にあてはまる人にだけ電話をしたからです。
 ワーク1で何度もダメ出しをされた人、ものすご〜く大事なことだから「はっきりと認識しろ!」とダメ出しをしたのだからね。
 意地悪じゃなくて、心からの応援なのよ(笑)。

 その他にも、ものすごく役に立つことが4つもありました。
 ベタな話なので、マーケティング・レターに書きます。
 お楽しみに。