もうかなり前・・・20年くらい前の話です。
飲食店を経営している友人が、生ビール1杯無料券を配ったんですよ。
原稿作って、自分の事務所で黄色い紙にコピーを取って、それを裁断したやつ。
ところが、黄色い紙が途中で切れちゃって、下にあった白い紙の無料券も少しできちゃった。
もったいないから、白い無料券も使いました。
お店に来てくれていたお客様に、会計時に渡したのです。
黄色い無料券は、お店の前で通行人に配りました。
白い無料券の50倍くらいの枚数を。
半月ぐらい経って、そのお店に行ったら、友人が「全然効果ない」と嘆いてる。
「全然来ないの?」って聞いたら、
「いや、結構来るけど、全~~~部白い紙」
私、笑って「そりゃそうだよ」って言いました。
そうしたら友人、ムッとした顔で、「何でそんなこと言うんだよ!」って、ちょっと怒ってる。
もちろん、マーケティングプランナーとしてちゃんと説明しましたよ。
「新規の顧客を来店させるよりも、既存顧客を再来店させる方が、費用は7分の1で済む」って。
だから白い紙ばっかりなのは当然だって。
さらに、その先どうしたらイイかも、ちゃんとお話ししました。
で、これが今回の話の前振り。
前回、「ほとんどの人が『見込み客の定義』を間違っている」と書いたら、「先が読みたい」というメールをいただきました。
その先は、セミナー代金や動画代金を払っていただいて喋っているのだから、申し訳ないから言えない・・のですが、そう言って来た人が、セミナー受講者で、しかもコーチング受講中の人でした。
「ちゃんとセミナーでも動画でも喋ってますよ」とお答えしましたけどね、でも、その先を聞きたい人は当然たくさんいらっしゃるだろうから、概要だけ書くことにします。
上記の飲食店の話で、店主が生ビール無料券を配ろうと思い立ったのは、ある日、出勤してきた時に、「店の前の通りには、人がいっぱい歩いているのに、ウチの店は閑散としている!」と、愕然としたから。
でも、それは単なる「通行人」であって「お客様」ではありません。
「お客様」とは、飲み食いしてお金を払ってくれたことがある人のことを言います。
「キミの店はさ、通りがかって入る店じゃないじゃん。わざわざここに来ようと思って、目指して来る人でしょ? だから、客数増やしたいなら、いきなり通行人に無料券じゃなくて、その前に、一度でも来たことがある人に無料券送らなくちゃ・・・なんだよね~」
生命保険だって同じです。
「声を掛けられる人」「訪問先の会社に居る人」・・・それは見込み客でも何でもなく、「ただの通行人」と同じです。
ナンパやキャッチセールスだって、もっと「声を掛ける人」を絞ってますよ。
プロである我々が、ナンパ小僧やキャッチセールスの兄ちゃん以下であっては、悲しくなっちゃうでしょ?
「見込み客」とは、「あなたの話を聞きたいです!と手を挙げた人」です。
手を挙げさせるシステム(オファー)がまだ未完成の場合、「手を挙げさせる」ための「言葉」を、「狙いを定めた相手」に投げかけます。
その「狙いを定めた相手」が「ターゲット」。
セールスから見た際に「一定のカテゴリー」に属する、手をあげる確率が高い人たちを指します。
その人たちがどんな人たちなのかが決まっているから、その人たちに合った「手を挙げさせる言葉」を用意し、練習することができる・・プレゼンテーション、契約につながる・・ということになります。
通行人や、職域に居る人は、見込み客ではありません。
そして、ターゲット設定なしに、見込み客が見つかるはずがありません。
そんなビジネス、世界中のどこにも存在しません。
私たちの「見込み客」とは、「あなたの話を聞きたいです!」と手を挙げた人なのです。