「保障」なんかイラナイ!

生命保険営業の本質!

私のお店・・・小さなお店ですよ。

そして、入りにくいお店です。
設計時に建築士に「入りにくい店構え」とはっきり依頼したし、さらに外の黒板には「男性会員制」って大きく書いてある。

これを「趣味だからできるんでしょ?」なんて言う人もいますが・・・
私、マーケティングプランナーですからね。
ちゃんと理論に沿って、そうしたのです。

まあ、理論なんて大げさなものではなく、そうしないと小さな個人店なんてやって行けないから、ごくごく普通かつ必然的にやったこと。

わかりやすく言うと、「入りやすい競争」「価格競争」「広告競争」をやったら、悪辣ブラックのワタナベミキ君には絶対負けちゃうワケです。
だったら、そこで勝負はしない。したら殺されちゃうから。

で、真逆に位置する。
「入りにくい」「安酒飲みたいんなら他所に行けば?」「媒体広告なんて絶対にやらない。オイ、食べログ、勝手に載せてんじゃねーよ! すぐに削除しろよ! 営業妨害で訴えるぞ!」・・・。

では、あなたの生保セールスビジネスは・・・ってことを書き始めちゃうと、それこそ喋って14時間以上かかっちゃいますから、到底書けません。
書きたいことは、い~~~っぱいありますけどね。


ということで、今日の本題。

昨夜、店にサンプル品をピックアップに行ったら、お店は満席。
お店は「ベンちゃん」の担当の日で、お客さんは全員「ベンちゃん客」。
「三洞さんは口が悪いから嫌いだけど、ベンちゃんは好き」という人が集まってくれています。

店主の私が居づらい状況なので、サンプル品を持って、外に出ました。

「寒い・・・」

そこでまずやることは?
襟をかき寄せる? マフラーをする? 手袋をはめる?

違います。
「熱燗を体内に入れる」です。

で、仕事をするつもりだった私は、フラフラと夜の街に彷徨い出たのです。
(だから「安易に靴を履くな!」とセミナーで言っているのです。その弊害は、身に染みて分かっているのです)

駅の反対側にある同級生の店を目指して歩き始めましたが、一応は飲食店主ですからね、近隣の知り合いのお店を含め、前を通ったお店の客の入りは、ちゃんとチェックして歩きます。

すると・・・どこもガラガラ。
人出も少ない。
同級生のマコちゃんの店に入ったら・・・客ゼロ!

マコちゃんに「ウチは満席で、オレが入れないから飲みに来た」と言ったら、「すげ~」と驚かれましたが、そこは飲食店経営歴33年のマコちゃん、すぐに正しい分析をしました。
「火曜日しかベンちゃんがいないから、こんな日でも満席なんだな~。ウチもそうしようかな~」って。

そう、個人経営の飲食店なんてのは、飲食物を売っていると思ったら大間違いで、それはマーケティングの基本がわかってないってことだから、廃業になっちゃう。
ウチのお店は、三洞がいる時に売っているのは「三洞との時間」だし、火曜日に売っているのは「ベンちゃんとの時間」。
酒や肴に自信があるのは、飲食店だから当然であって、そんなことをいくら叫んだって、「当たり前だろ?」でオシマイなのです。

でも、もっとすごい話もあって、蛇足ながら書いちゃいますけど、飲食店仲間が「無敵の店」と呼んでいる店が、近所にあるんですよ。
私が高校生の頃は「ただの汚いラーメン屋」だったのが、今では埼玉県屈指の高額納税者。

そこの社長がテレビで言ってたんです。
「ウチは美味いものは出しません」って!

もう一店舗、近所で儲かっている店があって、「流行らなそうな店がオープンしたな~」って思ってたら、今では近所に出店が4つもある。

そこの社長・・・トッポイ若者で、ヒゲ面にちょんまげだし、薬やってそうだし、夏なんか首筋とか腕にいっぱい模様が入ってるのが見えるから、近寄らない人が多いんですよ。
でも、私たち五十田兄弟は、そういう男はとっても得意だから、一度弟の店に遊びに来たら、すぐに弟の事を兄貴分みたいに慕うようになった。
で、弟が「ウチの兄貴が褒めてたぞ」って言ったら、三洞にも遊びに来てくれて、そこで話を聞いたら・・・こう言ったんですよ。

「ウチ、不味いですから」って!

まさにどっちも「飲食物を売っているワケじゃない」の典型です。
マーケティング的に正しいから、儲かっているのです。


はい、いよいよ・・・ですよ。

「保障を売ってる」なんてのは、「飲食物を売っている」と同じなんですよ。
個人事業なのに、そんな勘違いをしたら、廃業なのです。
「保険なんだから当たり前だろ。それならお前じゃなくてもイイんだろ?」で、オシマイなのです。

日本人の生活には不可欠の「米」だってね、「米です」って言って売ってる米なんか、存在しないんですよ。
「保障を売ってます」なんてのは「食べられる物、売ってます」って言っているようなもので、そんなのは「米です」以下。
米なのか、パンなのか、ラーメンなのか、ガリガリくんなのかも、全~然わかんないでしょ?

それをやっちゃうと、「膨大なる取捨選択の嵐」の中に巻き込まれちゃう。
そういう中には、悪辣だけど金儲けだけは上手なワタナベミキ君がたくさん居て、規模が小さくて善良なあなたは、すぐに淘汰されちゃう・・・ってことになるワケですよ。

火曜日のウチの店で売ってるものは「ベンちゃん」。
だから、他の店がガラガラだって、その日しかベンちゃんはいないから、三洞は満席。

ベンちゃんだってね、最初から「ベンちゃん客」がいたワケじゃありません。
当初は客ゼロの日も結構あって、太っ腹のベンちゃんも、さすがにウチの弟に「やばいよな~」とこぼしていたことがあったとか(ベンちゃんは弟の同級生なのです)。

そんな状態だったけど、最近ではいつも満席。
安定して客が入るようになった。

ベンちゃんが具体的に何をやったか、書きましょうね。

●「男性会員制」の黒板があるのに、さらにもう一つ「Ben’s Bar 会員制」の黒板を出して、扉のすぐわきに置いた。益々入りにくい店にした。

●テーブルのレイアウトを変えて、入り口をふさぐようにしちゃった。さらに「入りにくさ」をパワーアップさせた。

●勝手に「ベンちゃんの料理」を出し始めた。価格も勝手に決めた。

そう、「売り物はオレなんだから」を意識して、「オレの部屋」「オレの友達だけ来い」「守ってやるぞ。知らネ~やつは入れないから、安心しろ」を強調したら、安定してお客さんが来るようになったし、それだけでなく、お客さんがお客さんを連れて来るようになったのです。

もしベンちゃんが、「三洞はイイお店ですよ」「囲炉裏がありますよ」「料理がおいしいですよ」なんて言ってるだけだったら・・・きっと今でも閑古鳥状態ですよ、きっと。

だから、私たちのビジネスにおいても「保障」なんて言ってたら売れないのです。
だって、みんな保障を売ってるわけでしょ?
それなのに、なぜ売れる人と売れない人の差が100倍、1000倍にもなっちゃうの?

「保障」と言って売れている人は、その人に強烈なパワーや魅力があるから。
私を含め、それがない大多数の人にとっては、「保障」という言葉などイラナイのです。