コンちゃんという、しっかり売っている横浜の若い保険代理店主がいました。
過去形で言ってるけど、父上が倒れたか何かで、地元の山口に帰っちゃったんですよね。
今でもきっと故郷で元気に稼いでいると思います。
コンちゃんとは2~3回、酒席で同席していたのですが、何屋さんだか知らなかったんですよ。
でも、サラリーマンには全然見えなくて、気風が良くて、若いのに金払いがキレイで、「自営でしっかり稼いでるんだろうな~」とは思っていました。
で、8人ぐらいで栃木にゴルフに行って、飲み屋で打ち上げで飲んで、私とコンちゃんが新幹線で帰ったんですよ。
車中で缶酎ハイなんぞを飲みながら、「コンちゃん、お仕事、何?」って聞いたら、「あれ、知らなかったんですか? 五十田さんと同業ですよ」と言うから、「それは失礼!」。
そうなったら、マトモな保険屋さんの次の質問は・・・決まっています。
「で、お客さん、どういう人?」
どんなビジネスだって、マーケティングプランは、序章のような「環境分析」の後、本論に入れば「1、ターゲット」なのです。
それなのに、生保セールスビジネスにおいては、どんな会社のマニュアルにも「ターゲットのタの字」も書かれていない!
こんなもん、果てしなく「ビジネス」とは呼べません!
だから、3年以内に93%が廃業するのです!
そもそも「誰でもいい」なんてのは、完全なる顧客蔑視なのですよ。
婚活に行った男が「ヤラせてくれる女なら誰でもイイ」と言っているのとまったく同じ。
失礼極まりない・・・だからみんなから嫌われるのです!!!
コンちゃんは、売れてる代理店主だから、即答しました。
「僕、美容院専門なんです!」
そして、即座にこう続けました。
「美容院って、楽勝なんですよ」って。
念のために言っておきますけど、「楽勝トーク」があって、誰でもそれを言えば売れる・・・なんてことはあり得ませんからね。
みんな、そういう安易なものだと思って、瑣末なトークやスキルや手法やメディアを追い求めて、無駄なセミナー受講料や教材費や登録料を払っているのです。
それによって、ますます金欠になり、廃業への速度を早めているのです。
要するに、舐め切っているから、廃業するのは当然なんですよ。
詳細なやり方は、言ってもわからないだろうし、真似したってできないけど、コンちゃんが「美容院は楽勝」と言った大きな理由は2つ。
1、タウンページから、無料でゴッソリとリストが入手できる
2、しかも、3年経てば経営者が変わる美容院が多いから、リストが尽きない
とのこと。
もちろん、コンちゃんは「片っ端から電話する」などというお下品なことはやりません。
私は、コンちゃんのやり方の詳細を聞いて、「なるほどね~」と感心しました。
新規開業の飲食店の5年継続率は8.2%ですが、美容院もそれに負けず劣らず廃業率が高い。
それに関して、ダイレクト出版からのマーケティング・レターにインタビュー記事が載っていて、そこで明快に語られていました。
「美容院経営者のほとんどが儲からない理由は2つ。1つはマーケティングを全然知らないこと。もう1つは『技術者のポジション』にとどまり続けて、経営者の意識が低いこと」
飲食店もまさに同様ですが・・・でも、それ以下の、3年以内廃業率7%の生保セールスも、まったく同じでしょ?
マーケティングを全然知らず、会社に入ったと思っている個人事業主・・・。
そんなもん、廃業するのが当たり前ですよ。
あなた、まさにそうなんじゃないの?
ほぼ該当しますよね。
だって、93%が該当するのだから。