短時間で、楽しく、たくさん売る(5)

生命保険営業の本質!

<売り上げUP=効率UP>

 いつも言っているように「こうすれば売れる」などという方法は存在しません。

 もしも存在するのなら、自然の摂理として隅々まで知れ渡り、苦しむ人などいないはずです。
 でも実情は、苦しみ、そして廃業してしまう人が9割以上。
 つまりは、そんな方法は存在しないし、「こうすれば売れる」などと言っている人を信用してはいけないのですよ。

 ただし、「それじゃあ売れないよ」は間違いなく存在します。
 それは「マーケティング不在」。
 理論なしで成功しようとするのは「ビジネス、舐めてんのか?」でしかありません。


 「世界の先生」と呼ばれるリッチ・シェフレン……私の師匠の1人ですが、すごい人ですよ。
 若くしてマイクロソフトとGoogleの顧問になって、ビジネスアドバイスを与えている。
 まさに「ド天才」です。

 この人が、著書の冒頭ではっきりと「必ず失敗する活動量型」と言っている……読んだ時は喝采したね〜(笑)。
 世界の先生が「必ず失敗する」と言っているのだから、必ず失敗するのです。
 もちろん「なぜ失敗するのか」についても、詳細に語られています。

 この人のセミナーを受けた時の最初のワークは、「1週間、行動記録を付けてください」というものでした。
 例えば手帳に「9時起床」と書いて、「9時〜10時:お茶、日記、読書」のように書くだけなのだけれども……私にはADHD的な部分があって、「手帳が開けない、書けない」のです(笑)。
 でも、その時はやりました。
 70万円払ったセミナーだからね。それをやらないと始まらないし、70万円が無駄になっちゃうのだから、こんなオレでも必然的にやることができました。

 なぜ最初のワークが行動記録なのかと言うと……世界の先生の言うことはとっても分かりやすい。
 「何にどのくらいの時間を使っているのかが分からなかったら、効率アップできないでしょ?」。

 私はセミナーで、「仕入れも家賃もない保険セールスにとっての唯一のビジネス指標は、時間あたり売り上げ」と言っています。
 普通の会社にはいくつものビジネス指標があるのよ。「ラインあたり生産性」とか「面積あたり売り上げ」とか「社員1人あたり利益」とかね。その数字を改善することによって、利益が増えて行く。
 でも、保険セールスは、商品は作らないし、売り場もないし、1人きりなのだから「社員1人あたり」もない。
 だから、唯一の指標は「時間あたり売り上げ」。

 ところが、その指標なしに、やみくもに「もっと、もっと!」と言うのが「活動量」。
 世界の先生リッチ・シェフレンは、「それをやるから必ず失敗するんだぜ?」と言うのです。
 なぜなら「もっと、もっと!」は苦しいばかりで、ちっぽけな成果しか得られないから。
 「効率化のみが唯一の売り上げアップの方法だ。だからまずは、自分が何にどのくらいの時間を使っているかを確認してね」と言っているのです。

 私は最初からそれしか考えていなかったからね。
 営業経験ゼロなのに、「週に3日だけ保険の仕事をして、全社員平均の売り上げをあげる」と決めて保険屋さんになったから、常に「そのためには?」しか考えていませんでした。
 活動量を増やしたら、どんどんその目標から遠ざかります。
 だから常に「活動量を減らして」「活動せずに」を考えていました。
 後年、世界の先生が同じことを言っているのを見て、快哉を叫ぶのも当然です。

 「そりゃそうでしょ?」その1。
 週に3日だけ仕事をすると決めた人間なら、週の仕事時間を2倍にできるけれども……あなたはもはや目一杯、仕事に時間を費やしているよね。
 それを「もっと、もっと!」と言われたって……無理でしょ?
 しかも、子育て中のママやシングルマザーにそれを言うのは、「子どもなんて二の次にしなさい」と言っているのと同じです。

 「そりゃそうでしょ?」その2。
 ビジネス指標は「時間あたり売り上げ」。ゴリゴリの文化系の私だって、分数くらいは分かります。
 分母が「時間」で、分子が「売り上げ」なのよ。
 「もっと、もっと!」というのは、「分母の数字を増やせ」ということ。
 分母を増やせば増やすほどに、「=(イコール)」の後の数字は小さくなる。
 だから、「分母(活動量)を減らすためには?」を常に考えることが正しいのだ……と、世界の先生は言っているのです。


 私はセミナーで、「短時間で、楽しく、たくさん売るための理論と方法」を伝えています。
 キャッチフレーズの最初に出てくるのが「短時間で」なのよ。
 それは、効率アップ以外に売り上げをアップさせる方法はないから。
 これが最も大切なの。
 なぜなら、時間が掛かるやり方は、間違ったやり方であり、顧客満足度とあなたの売り上げを下げるから。

 「短時間で、楽しく、たくさん売る」……それが「こっち側」の正しい世界だからね。