「選択させない」ための「差別化」

生命保険営業の本質!

まずは一昨日仕入れた、興味深いデータを。

ある食品会社が、ジャムの販売促進のために店頭で味見をさせたそうです。
用意したジャムは24種類。
ところが手配のミスがあって、一部のお店には6種類のジャムしか届かなかった・・・。

手配のミスは当然問題になったのですが、売上の集計結果を見た本社の人は、「これ、どういうこと???」と当惑しちゃった。
なぜなら、6種類のジャムしか届かなかったお店の方が、圧倒的に売り上げが高かったから。

はい。セミナー受講生には、その理由がはっきりとわかりますよね。

顧客は「短時間」「面倒なし」「選択なし」を望むのです。
24種類の味見なんて、時間が掛かるし、面倒だし、いっぱい選択しなきゃならない。
だから、売れなかったのです。

あなたも同じですよ。
私、いつもいつも口を酸っぱくして言ってますが、「生命保険だけは別」なんて、あり得ません。

で、以下のセリフを見て下さい。

「1時間下さい。ライフプラン作成のために色々とお話を伺いたいので。なぜなら保障は大切ですから」

さて、あなた、どう思います?
「ほとんど同じようなセリフ、言っちゃってるよ」なんて人も、結構多いんじゃないですか?

ごく当たり前に思えるセリフでしょうよ、きっと。
でも、このほんの短い言葉の中に、「絶対に売れない要素」がしっかりと詰まっているのです!

私なんか、書いててマジで背筋が寒くなりましたよ。
あまりに縁起が悪いことを、自分で文章にしちゃってるから。
それほどに「恐ろしく売れない言葉」ですよ。

理由は明白。
時間が掛かって、面倒で、選択しなきゃならないから。
顧客が嫌がること3つがしっかりと入っちゃってるのだから、嫌われて当然なのです。

時間については、顧客の心理的許容時間は20分。
こういう「数値」を教わってないから、平気で「1時間下さい」なんて言っちゃう。
「20~30分下さい」でもダメなんですよ。はっきりと「20分」って言わないとダメなのです。

そして「ライフプラン」。
「興味のない面倒なこと」なんて、誰がやりたいと思います?
しかも「この先、いくつのステップがあるの?」と思わせちゃうセリフ・・・。
「潜在需要を喚起」などというそれらしい言葉なんて、顧客心理からしたら、「アホなこと言ってんじゃネ~よ」のレベルなのです。
これが「正しい顧客第一」の考え方。

最後に「選択」です。

「保障は大切」・・・数えきれないほど存在する健康食品やサプリのCMで、「健康は大切」って言ってるのと同じですよ。
差別化できないから、顧客が選択しなきゃならない。

目の前に居るお客様から見たら、商品は「あなたの見た目」と、「あなたが、今、この瞬間、口にする言葉」しかありません。
それが陳腐だったら・・・見た目も普通、言ってることも普通だったら、お客様は選択しなきゃならなくなる。

だからあなたは、選択肢から外されちゃうのですよ。
選択させるから、外されちゃうのです。
選択されないような「差別化」ができていれば、お客様は選択せずに済むのです。だから「必然的に選ばれる」=「売れる」という、明確な図式なのです。

そういう理論があるからこそ、セミナーでは「保険の話を聞いていただけませんか」「ライフプランは大切です」「保障は大切です」という言葉を、はっきりと「禁句」だと言っています。

事実、私のセールスプロセスにおいては、「保障」という言葉は1回しか出て来ません。ワードに書かれた台本を「保障」で検索しても、1ヶ所見つかるだけ。そこでパソコンのF3キーを押しても「ポ~~ン」という音が鳴るだけです。

しっかりと認識して下さいね。
世の中のすべての商品・サービスが、必死になって、生き残りを掛けて、「何とか、少しでもイイから差別化を!」と願っているのですよ。

「生命保険だけは別」などということは、あり得ないのです。