それを言ったら売れないよ!

あなたを売れなくする「間違った教え」

 まずはお知らせ2つ。

 11/19に1回目の無料WEBセミナーを行いました。
 まだ広告を出していないにも関わらず、82名の方に参加いただきました。

 初の試みだったけれども、非常に楽しくできました。
 パワポのスライドを使ったセミナーは20年ぶりくらいだと思うけれども、スライドを作るのも楽しかったし、「もっと良いものを!」と思うと早くその作業をやりたくなります。

 感想もたくさんいただき、「やって良かった!」と思いました。
 私はいつの間にか、書くよりも喋る方が上手になってしまったのかもしれません。

 さて。

 昨日、ちょっとした取材の要請を受けて、そこで「多くの生保セールスが辞めてしまう最大の原因を一言で言うと?」のようなことを聞かれたのよ。

 この「一言で言うと」とか「あなたにとって〇〇とは?」のような質問は、一見、それらしく聞こえるけれども、かなりレベルが低いものなのよ。
 しかも、失礼だしね。
 偉そうだし、勘違いなのよ。

 だってそうでしょ?
 インタビューされる人は、一言で言えちゃうような単純なことをやっているワケじゃないもんね。
 だから、ほとんどの場合の答えは「一言では言えません」「そんな単純なものではありません」にならざるを得ない。
 最近は、局アナの小娘だって、そういう質問しなくなったと思いますよ。
 聞き手には、聞き手なりのレベルというものが必要なのです。

 で、1つだけと言われても言いようがないけれども、瞬時にいくつかのことが脳裏に浮かびました。
 それと同じことが、今日読んだ本に書いてありました。

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 ……もちろん、すべての物語が万人に響くというわけではない。あるグループの心をつかんだストーリーが、別のグループにはまったく通じない場合もある。一見同じような考え方の人たちが集まっているように見える聴衆のなかでも、反応が大きく異なることだってある。
 物語が効果を発揮するためには、一定レベルの「つながり」の存在が欠かせない。聞いている人が、物語と自分との間に関連性を見出すことが必要なのだ。
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 ああ、引用して良かった!
 今日の三洞LIVEのネタはこれにします。

 ということで、この先を聞きたい人はLIVEに参加して下さい……なのだけれども、聞けない人もいるだろうからね。
 2つだけここで言及しておきます。

 まず1つ目は「すべての物語が万人に響くというわけではない」ということ。
 3年以内に97%の生保セールスが辞めてしまう最大の原因は、画一的な「こうすれば売れる」という教育しかできない点にあるのよ。
 しかもそれが、正しいマーケティング理論とは正反対なのだから、話にならないのです。

 売り手にとっても「万人が使えるやり方」なんてものは存在しない。
 さらに、書い手にとっても「こう言えば売れる」なんてトークが存在するはずもない。
 しかも、そのトークが正しい理論とは真逆なのだから、むしろ「それを言っちゃ〜、おしまいよ」でしかありません。

 2つ目。
 上記の引用は、誤解しちゃうと非常に危険なのよ。
 それは「物語」という言葉にある。

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 ……ネガティブな感情を利用した学習は、このように特定の行動を禁止したい時にはいいのだが、創造的な問題解決を促すような教育をしたい時にはほとんど向かない。
 なぜなら、脅威反応が引き起こされると、脳の前頭前皮質が一時的にシャットダウンされ、それにともなって実行機能も働かなくなるからだ。
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 セミナーでは、まさに冒頭で同じことを言っています。
 「もしも死んじゃったら」「病気になったら」「要介護になったら」のようなネガティブな感情を引き起こす言葉を発した途端、相手は嫌悪感(=本能的脅威)を感じ、「一刻も早くその場から逃れようとする」……これが生き物として取るべき行動なのよ。

 だから、本能に従って心を閉ざし、その先の行動を「取るな!」という志向になる。
 ……売れるワケ、ネ〜よな〜(笑)。

 まあ、これが本質。
 人間の脳の働きに反した「こうすれば売れる」が、売れるはずなんてないのです。

 今日は以上。