今読んでいる本は……すごい本です。
解説の伊藤羊一さん(この人もすごい人)も、帯で「すごい本に出会ってしまった。正直、震えた!」と言ってるしね。
いや、同じ主旨を語っている本は数えきれないほどあるのだろうけれども(=つまりはそれが正しいということ)、説得力がハンパないんだよね〜。
それは、事例がたくさんあって、分かりやすくて、しかもストーリーで語られているから。
まあ、本の感想や解説を書くと膨大な量になってしまうから、書くなら「三洞のハッピー生命保険セールス Marketing Letter」の「この1冊が効く!」に書きますが……この本で、常に「前提」としてあげられている事例が「標準化がもたらす不幸」ということなのよ。
これは、つい最近のメルマガにも書いたよね。
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「なんでできないの!」……あなたの自信と意欲を奪うモノの正体
標準化されたシステムでは、個人が自分にとって最適な戦略を見定められるようになってはいない。反対に、万人が従うべき戦略をひとつだけ選定している。
(中略)
あるひとつの戦略を「最高の実践法」や「黄金の標準モデル」などと呼んでありがたがることによって、明らかに経営者や管理者は楽になる。
(中略)
……標準化されたシステムにおいては、様々な形で個人に自分の能力を過小評価するように仕向けるものだが、そのなかでも、われわれから徹底的に自信と意欲を奪うのは、組織が「あなたは、自分に合わない戦略でも採用すべきだ」と主張した上で、実際、うまく適応できないのを見ると、「あなたの失敗は、才能の欠如に起因する」と言ってわれわれを叱責する場合だ。
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会社は「こうすれば成功する!」と言って「標準化されたシステム」を全員に押し付けようとするけれども……そもそも根本的に、愚劣なほどに間違ってるよね。
なぜなら「成功の形」は人それぞれ違うのだから。
それなのに「標準化された成功」を押し付けようとする(=洗脳)。
「成功とは、会社が教える『活動』をいっぱいやって、会社の中で認められる存在になること」という、チープで安易な「成功」を……。
目指す「成功の形」が人それぞれ違うように、得意なこと、上手にできること、好きなことも人それぞれ違う。
そして、プロとして食えるようになろうと思うのなら、得意なこと、上手にできること、好きなことをやらなかったら無理なのよ。不可能なの。
例えば、人に迷惑を掛けることが好きで、得意……っていう人、いるの?
そういう「根っからの犯罪者」のような人って、ほとんどいないと思うのよ。
でも会社は、迷惑以外の何物でもない行為……職域訪問や、テレアポや、飛び込みをやれと言う。それをたくさんやれば成功すると言う……。
これってまさにショッカーだよね。
悪の組織。
私は素直で、明晰な頭脳と清い心を持っていたから、そうした洗脳には染まらなかった。
この話をする時に真っ先に思い出すのは……何十回も書いているけれども「断られる」ということ。
「断られるのが好き」なんて人、いないよね?
オレも大〜〜〜っ嫌い。
だから、初めて断られた日に布団の中で声を出して泣いて、翌日から「断られなくなる!」と決めて、どうすればイイのかを必死になって考え、実践した。
その結果、滅多なことでは断られなくなった。
初心者時代だって、成約率が9割を切ったことなんて、ありません。
ソニー卒業以降は、22年間で1回しか断られていません。
そもそも、苦手なことであろうと嫌いなことであろうと「やれ!」と言うのは、下戸の人に「ソムリエになれ!」と言ってるようなものですよ。
体質的にアルコールを受け付けない人に、「我慢して毎日ワインを飲まないとダメなのよ!」と言う……そんなことしたら……死んじゃうぜ?
「標準化」の世界においては「パレードの法則」になっちゃうのよ。
「パレードの法則」とは、80対20の法則。
分かりやすく言うと「どんな母集団を形成しようとも、上位20%が80%の売り上げをあげる」ということ。
だから「売れない80%組」に入っちゃったら、売り上げの20%を80%の人で分け合わなきゃならない。
そんなもん、食って行けるはずがないから、必然的に廃業なのです。
では、残りの20%に入れば成功かと言うと……決してそんなことはない。
なぜなら、その20%の構成メンバーには、
●入ったばかりで右も左も分からない
●情報統制によってマトモな情報を持っていないから、マトモな判断ができない
こういう人がた〜〜〜くさん存在する。
このレベルを脱すると……その次はこうなる。
●収入も少なく、ツラいけど、「それを繰り返せばいつか楽になる」という言葉を信じようとして我慢している
●もう辞めたいんだけど、次の仕事のあてもないし、辞める勇気もないから、ズルズルと続けている
こういう人も、た〜〜〜くさん存在するのよ。
日々、周囲を見渡していれば、それは分かるよね。
つまりは、「こうすれば売れる」という「標準化された教え」に居る限り、20%の中の「特殊な(=特異体質の)20%の人」しか、その教えの中に安住できない。
要するに、会社が言うところの「成功」に至るのは、全体の4%程度しかいない……ということになるのです。
生保セールスの3年以内廃業率が93%という事実と、見事に符合するよね。
「標準化された教え」には汎用性はない。
汎用性がないから「たまたまハマった4%」しか心の平静を保てない。
これが「あっち側」の世界の実情なのです。