「ターゲット」と「マーケット」

生命保険営業の本質!

 「用語を正しく理解できると、利益は増える」・・・マイクロソフトとグーグルの顧問をやっている、私の師匠のリッチ・シェフレンの言葉です。

 いきなりそう言われてもピンとこない人が大半だろうけど・・・実際に私もそうでしたから・・・テキストをお勉強して、自分でやってみると、「あ! ホントだ!」になりました。
 さすが、「世界の先生」です。

 で、意味がよくわからないままに使っている横文字のビジネス用語って・・・たくさんありますよね。
 アメリカ人でさえ、用語を正しく理解できていないケースが多いと言うのだから、これが日本人だと・・・かなりひどいことになっているっていうのは、誰でも容易に想像できることでしょう。

 その代表が「マーケティング」。
 「マーケティングってどういうことか、日本語で言ってみなよ」って、上場企業のマーケティング部にいる人に質問しても、正しく答えられない。

 まあ、会社員の場合は仕方ない部分があるのです。
 私は、サラリーマン時代には、いろいろな会社の宣伝部やマーケティング部の人と仕事をしたけど、マーケティング部の場合は、各社で業務内容が違ってる!(ひどいよね~)
 だから、「会社の仕事としてやっていることマーケティング」だと認識しているのです。

 でも、私たち生保セールスの場合は、そうは行かないのですよ。
 会社の仕事をしていれば給料をもらえるワケじゃないからね。
 正しくマーケティングしなかったら、金が入って来ないのです。

 でも、アホな指導者は、「マーケティング」とさえも言わない・・・。
 よく口にする、「わかりもしないくせに使っている、それらしい言葉」は、「ニード」と「マーケット」。
 「ニード喚起」などという言葉に至っては、言葉の使い方からして、完全に間違ってます。
 でも、間違っているということすら分かっていないから、恥ずかしげもなく平気で口に出しちゃう・・・しかも、偉そうに!
 ホント、哀れでアホな存在ですよ。


 だから今日は、「マーケット」という言葉についての、わかりやすいお勉強をしましょう。
 生保セールス向けにわかりやすく言い換えて伝えるから、そのつもりで。
 その方がイイでしょ?

 あなたの「見込み客候補」を「ターゲット」と言います。
 その「ターゲット」が「集合体」になると「マーケット」になる。

 ターゲットというのは、「あなたが連絡先を知っている人」ということでは断じてなくて、「あなたが生命保険を売ろうとしている人の、共通プロフィール」ということです。
 ものすごくわかりやすい例で言うと、開業歯科医のターゲットは「歯が痛い人」。
 歯が痛かったら、「治療に来てくださいよ」とお願いしなくなって、向こうから自発的に治療に来てくれる。
 ただし、開業歯科なんて、東京だとコンビニよりもたくさんあるから、「ここに歯科がありますよ。ウチはこんな治療をしていますよ」という「広告宣伝活動」をしないと、他所の歯医者に行かれちゃう。

 誰彼かまわず、歯が痛くない人にも、「口の中をいじらせてよ! 機械を突っ込ませてよ!」と言っているのが、ほとんどの生保セールスのやり方。
 ・・・嫌われて、友達をなくすのは当然です。

 で、マーケティングを全然わかっていない、すべてのアホな会社は、「誰でもいいから売ってこい」という、下品で野蛮なことをあなたに強要する。
 何度も同じ例えをするけど、これって、私が婚活パーティに行って、「誰でもイイから1回やらせてくれる女、手を挙げてよ!」と言っているのと一緒です。
 嫌われるっていうか、退場させられるよね。

 婚活と一緒で、人は、全員から「タイプです!」って言われるワケじゃないから、お相手のデータに「どんな人が好み?」があったら、誰だってそこを見る。
 見て、「あ、オレ、無理だわ・・・」だったら、行かないよね。
 逆に、「あ! この人、オレ、行けちゃうかも!」だから、アプローチを開始する。

 これが「ターゲット」ということ。
 そこが明確じゃなかったら「活動」なんて、できるはずがないのよ。
 闇雲にアタックして、「ウザい」と嫌われるだけ。

 会社の教えは、「婚活パーティーに参加している女性全員」という括りよりも、はるかに雑駁なのですよ。
 だって、婚活の場合、最低限でも「現在結婚していなくて、結婚する意思がある人」がターゲットになるでしょ。
 こう書かれているのを読めば、余程のアホじゃなかったら、「誰でもイイから保険売れ」なんてのが、いかに「ビジネストは呼べない、ガキの遊び以下の行為」なのかが、すぐに納得できるはずです。

 以上を踏まえた上で。
 その「ターゲット」を集合体として捉えたものが「マーケット」。
 1人じゃなくて、複数(いっぱい)いるっていうことですよ。

 もちろん、1人よりもいっぱいいた方がイイに決まってます。
 だから「婚活パーティに出てみよう!」「結婚相談所に行こう!」、あるいは「結婚目的の出会い系サイトに登録する!」になる。
 こんな、誰でも考えつく、あたり前のことさえ見えなくしてしまうのが、会社の教え。
 ホント、狂気の沙汰ですよ。怖すぎます。

 で、婚活サイトだって「検索機能」があるし、「〇〇専門の出会い系サイト」もある。
 例えば・・・わかりやすくて極端な例をあげると、以前に、「デブ専売春サイト」を、そこに登録している女性から見せてもらったことがあります。
 彼女、こう言ってました。
 「世間では、ただのデブだと思われてるけど、このサイトでは、私、かなり人気あるんだよ!」

 普通の出会い系サイトや婚活サイトだって、登録したことがない人でも、「まずは検索して、相手を絞るところからスタートだ」ってことが・・・誰でもわかるよね。
 検索して出てきた人たちを一括りに表現した言葉が「マーケット」。

 生保セールスの場合も、同じですよ。
 今なら、検索キーワードを、「世界一もの知り」のグーグル先生の検索窓に入力して、「私のターゲット、どこにいますか?」って聞けばイイ。
 検索ワード(ターゲット設定の要素となる言葉)が不適切だと、グーグル先生は、「そんな人、いませんよ」って、教えてくれる。
 でも、適切なワードを入れると、たくさんの見込み客を「ここにいるよ!」と教えてくれるのです。
 その人たちが、特に色濃く集まっている場所を探して、その人たちとつながりを付ける行動が「マーケット開拓」・・・ということなのです。
 

 こうした「認識」は、ビジネスをする上で、ホントに最低限のことですからね。
 「誰でもいいから、会って保険の話をしろ」などという言葉は、「街でナンパを繰り返せ」と言うのと、何ら変わりません。

 あなた、そんな馬鹿なことを何年も続けるの?
 それで、成果なんか出るの?・・・ってことなのです。