あなた、スーパーマンですか?

生命保険営業の本質!

 世にある、いわゆる「マニュアル」というものは、2つに大別されます。

●完璧にやらないといけないマニュアル・・・製造業の作業工程マニュアルとか、販売業の受注管理マニュアルのように、100%が最低限であり、それを充たさないと重大な問題が発生してしまうもの

●成果を上げるためのマニュアル・・・「営業マニュアル」や「○○成功法」のような手引書

 で、私たち生保セールスが接する「セールスマニュアル」は、後者に属するマニュアルですが、こうしたものは「できて60%」が相場であり、その辺が限界なんだそうです。

 つまり、6割程度もできちゃうのは、ものすごく才能がある人で、あっという間にトップセールスになれちゃうような人。
 だから、ほとんどの人は「やれ!」って言われたって、せいぜい3~4割しかできないものなのですよ。

 しかも!ですよ。
 そのマニュアル自体が、理論不在の、「あなたを売れなくする教え」満載の、箸にも棒にも掛からないシロモノなワケですよ。

 そのマニュアルをオウムのように繰り返すしか能のない指導者ばっかりで、かつ、自分の頭で考えようとせず、そんなものを信じちゃう人が大半だから、「3年以内に9割離職」という現実があるのです。

 で、リッチ・シェフレンが、昨日、私にこう言ったんですね。
「あなた、スーパーマンですか?」って。

 もちろん私流に言い換えてますよ。
 正しくは「あなた、“スーパーマン症候群”になってませんか? それではビジネスで成功できませんよ」って、私を戒めたのです。

 そこにさらにダン・ケネディが、もっと直截的な言葉で、私に追い打ちを掛けるワケですよ。
 「できるからと言って、やってはいけない!」って。

 2人とも、こう言っているのです。
 「得意な事以外はやってはいけない」って。
 「何でもできるなんて、あり得ないんだよ。あなた、スーパーマンじゃないでしょ?」って。
 そして、「そんな風に思ってたら、ビジネスは絶対に成功しないよ」って、世界的権威が口をそろえて言うのです。

 代理店の経営者さんは別ですが、私たち個人事業主のセールスは、1人ですべてをやらなきゃいけないから、苦手でもやらなきゃいけないことって、ある程度はありますよ。
 例えば、事務仕事が苦手であっても、申込書類はちゃんとしなかったら、どうしようもないですからね。

 しかしそれでも!・・・なのです。

 私たちが接しているマニュアル(=マネージャーの教え)ってのは、製造業の作業工程マニュアルとは違って、「やらなくてもイイ部分」がとっても多いのです。
 しかも、そのマニュアル自体が「箸にも棒にも掛からないような役立たずのシロモノ」なのだから、そこには「あなたが決してやってはいけないこと」も、ものすご~~~くたくさん書かれているのですよ。
 そして「あなたが決してやってはいけないこと」を、ミソもクソも一緒にして、「全部やれ!」「なぜできない!」「姿勢の問題だ!」なんて日々言うバカがいるワケですよ。

 マニュアルに書かれていること、上司が言うことを全部できるなんて、スーパーマンじゃないんだから、あり得ません。
 できるはず、ないのです。
 できるはずないことをやろうとするから、苦しくなっちゃうし、成果につながらないのです。

 私の場合で言いましょうね。

 例えば「電話」。
 携帯の呼び出し音が鳴っただけで不愉快になる人間が、電話を使って契約を取るなんて、できるはずがありません。
 テレアポなんて愚劣なことをするぐらいなら、一瞬で商売替えしますよ。

 例えば「会合」。
 出不精で、たくさんの人と会うのが嫌いな私にとっては、苦痛でしかありません。つまりは、行ったって時間の無駄でしかありません。

 例えば「FF」や「長い話」。
 私、他人からウザがられるのは大嫌いです。
 ウザがられても図々しくやるなんて、到底できませんし、ウザがられたら、絶対に契約なんかしてくれませんからね。
 だから、やりません。
 なぜなら、契約、欲しいですから。

 例えば「お願い口調」。
 私、絶~~~対にできません。
 そんなことするぐらいなら、飲み屋の店主専業になります。
 ・・・飲み屋の店主であっても「男性会員制」って、看板に書いちゃってますけどね。
 ちなみに、そう書いただけで、売上が13%増えましたが。

 さて。
 あなた、マニュアルに書いてあることや、マネージャーが毎日オウムのように繰り返す「やるべきこと」を、すべてできちゃうんですか?
 あなた、そんなスーパーマンなんですか?
 6割できたら、既にスーパーセールスの収入を得ているはずなんですよ?

 私の大好きな動画「生保営業3者対談」の中で、ジョニーちゃんがこんなことを言っていたのを、今、思い出しました。
 私の、「マニュアルなんてクソだ」発言の後に、ジョニーちゃん、こう言うのです。

 「マニュアルで行ったってイイんですよ。そのマニュアルをね、磨いて磨いて、磨き抜いて、完全に自分のものにしてやればイイんですよ」

 「磨いて磨いて磨き抜いて」・・・ホント、素晴らしい言葉だと思います。
 でも、考えてみて下さい。
 磨き切った後に残るのは、完全に「自分のシステム」なのです!

 もはやそれは「マニュアル」ではありません。
 最高でも6割しかできない、不完全で中途半端な「借り物」でもありません。
 自分が構築した、自分のための「売れるシステム」なのです。
 それは「会社の言う画一的なマニュアル」よりも、はるかに高レベルなものなのです。

 あなた、身近にいる「スーパーセールスマン」や「エグゼ」に対して、
 「えっ? そんなことも知らないの?」
 「えっ? その程度でイイの?」
 って思ったこと、ありませんか?

 彼等は、マニュアルなんか最初から超越しちゃっているのです。
 マインドが、最初から「オレ、その上のレベルなんだよね」なのです。
 最初はマニュアルを読んだとしても、それをそのまま必死にやろうなんて思ってなくて、最初から「自分の“売れるシステム”」を構築すべく、自然に思考し、行動しているのです。

 天才ではない私やあなたが、間違いだらけのマニュアルを「スーパーマンのように全部できる」なんてことはあり得ません。
 そして、そんな方向に進んだら、「9割の廃業組」に入ってしまいます。

 「自分の頭で考える」

 売れている人は、ホント、感心するほど「考えて」いますよ。
 スーパーな実績を上げている素晴らしい友人たちと喋ると、「思考量と売り上げは比例する」って、いつも思います。
 そして「活動量」とは反比例するのです!
 「正しい理論」を知っている人にとっては、それはごくごく当然のことなのです。

 苦手なことが上手にできるはずがありません。
 175センチで体重50キロ余の私が、「相撲とマラソンをやろうと思います」って言ったら、誰だって「マラソンだけにしておいた方がイイよ」って忠告してくれますよ。
 そんな人間が相撲をやるなんて、無茶だしアホだし、結果が出るはずがないのですから。

 あなた、セールスで、そんなこと、しちゃってませんか?