「2番目に強いウォンツ」とは?

生命保険営業の本質!

前回の「潜在ニーズ」の話で、個人の顧客の最大の「ウォンツ」は、
「保険料なんか、できれば1円も払いたくない」
だという、ごくごく当然のことを書きました。

でも、最大のウォンツが「保険料なんか、できれば1円も払いたくない」で、それ以外のウォンツやニードがなかったら、「生命保険なんか売れない」ってことになっちゃう。
でも、売れている人が実際に存在するということは、別の「売れるニード」が存在するということになります。

さて、そのニードとは何でしょう?
・・・という「懸賞付きクイズ」を出題しました。

多数のメールをお寄せいただきましたが、残念ながら正解者はわずか1名!
千葉様、おめでとうございます!

さて、いきなり正解を言っちゃったらツマンナイから、ちょっとお勉強しましょうね。

ニードってのは、食欲・睡眠欲・性欲のような本能から来るものを除けば、「願望の実現」よりも「危機・苦痛からの逃避」の方が強いのです。

だから「保険料を払う」のは、喜ばしいことじゃなくて苦痛だから、「払いたくない」が最大の「ウォンツ」。
それを考えたら、「しっかりした保障を準備したい」とか、ましてや何十年も先のこととか、老後だとか、さらには高度障害が云々なんてのは、思考のごくごく片隅にはあったとしても、ニードだの、ましてやウォンツだのにまで高まるには、それこそ「奇跡的な経緯」が必要になってしまいます。

当然、「お金を貯めたい」「金融商品として得したい」といったニードも、「願望系」だから、「回避・逃避系」のニードよりも低くなります。
この手の回答を下さった方も結構多いですが、残念ながら不正解なんですね。

で、その上で・・・なんですよ。

本来は払いたくないんだけど、でも、「必要なような気がするから、仕方なく保険料を払ってる」って人がたくさん存在するから、だから私たちが収入を得ることができるワケです。

では、そういう人たち(=大切な将来の契約者様)の、「保険料を払いたくない」に次ぐ、「危機・苦痛からの逃避ニード」って、何なのか?・・・って考える必要があります。

その言葉は、そのまま「アプローチトーク」になるのですよ!
相手によってバリエーションは変わっても、使う言葉が変わっても、主旨は一緒。
「話を聞いてくれ」とか、「保障は大切」とか言うと、「結構。保険屋さん、しつこいから嫌い」って逃げちゃう人でも、「えっ! それなら聞かなきゃヤバイじゃん!」になるのです。

まだ答えは言いませんよ。
さらなるヒントです。

例えば「ダイエット」。
あなたが何かのダイエット関連商品・サ―ビスを売っているとしましょう。

そこで、単に「ダイエットが必要ですよ」と言っても「そんなこと、わかってるよ」とか「失礼だろ、テメ~は!」になっちゃう。

・・・ダイエットでさえ、そうなっちゃうんだから、ましてや保障だの何だの言ったら、もっとはるかに低い反応しか得られないのは、当然なのです。

で、「ダイエットしたら、カッコよく(美しく)なれますよ!」って言っても、やっぱりそれだと弱い。
「わかっちゃいるけどさ~」とか、「少々ダイエットしたって、変わらないし」とか、「何度もやったけど無理」とか、「うるせ~よ。テメ~に言われる筋合いはネ~よ」なんて言われちゃうのが関の山です。

なぜなら、これだと「弱~い願望実現系ニーズ」だから。

そうじゃなくて、例えば、医者が健康診断の結果を見て、「非常に良くない数値が3つもありますね。痩せて、この数値を減らさないと、
2週間の入院が必要です。さらに数値が悪化すれば、長期の入院だけじゃなく、○○の治療が必要になりますよ」
と言って、具体的な食事制限をしたら・・・急に「この人の言うこと聞かないとヤバイ!」になる。

「危機・苦痛からの逃避」だから、「やらなきゃヤバイ!」が高まって、言うことを聞く(契約になる)のです。

ここでのポイントは3つ。
でも、多くの人がこれとは真逆なことをやっちゃう。
なぜなら「顧客無視」の会社が、真逆の事しか教えられないから。

1、危機・苦痛からの回避を伝えている

→「願望系ニード」よりもさらに優先順位の低い言葉を投げかけるから、「保険屋、しつこいから嫌い」の仲間入りしちゃう。

2、医者と患者の関係になっている。下から物を言ったら、言う事は聞いてもらえない。

→保険を売る際も、スタンダートな関係は「ドクターと患者」。「話を聞いてもらえませんか」といった「許可を求める関係」「自分が下の関係」では、言ういう事を聞いてはもらえない。

3、具体的にどうすればよいか(食事制限という方法とメニュー)が明確

→人は、具体的にやり方がわからないと動かない。だから「必要です」「大切です」といった言葉では動かない。


これが、お客様の思考になって考えるということ。

・・・大事でしょ?
これがホントの「顧客第一」なのですよ。
だから、売れるのです。

さて、ここまで言ったら、「2番目に強いウォンツ」、何だかわかりますよね?
しっかりと考えてみて下さい。