前にも書きましたが、生命保険を売る時に、「ニーズ」などというものは存在しません。
そんなのは、マーケティングを少しでも勉強したことがある人なら、誰でもわかることです。
しかし、全~然勉強しないくせに、さらにそこに「潜在」なる言葉を付け足して(益々あり得ないこと!)、「潜在ニーズを喚起して売るのだ」などと、とんでもないことを言って、自分が大バカだと自ら宣言している大バカがたくさんたくさんいるのです。
この本「大富豪の起業術」の中で、マイケル・マスターソン先生は、そういう大バカに対して、こう書いています。
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・・これらはいずれもニーズ(なければ生きていけないもの)ではない。私たちのニーズは本来、空気、水、食べ物、家、移動手段(時々)、衣服(通常は)、商売道具など、数少ない単純なものしかないはずだ。それ以外に購入するその他の物は、ほぼすべてウォンツに基づいている。
また、食べ物や衣服などニーズに関連する物であっても、ウォンツに基づいて購入することが多い。たとえば、ある特定の種類のパンが食べたい、このブランドの服が着たい、あの町に建つ家に住みたいといった風にである。
したがって、自分が「ウォンツ」に基づく商売をしているという認識を持てば、より優れたマーケッターおよびセールスパーソンになることができる。
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「それ以外に購入するその他の物は、ウォンツに基づいている」のですよ。
生命保険って「それ以外に購入するその他の物」でしょ?
水や空気と違って、なくても生きて行けるでしょ?
そこに「ニーズ」などというものは、存在しないのですよ!
これは単なる基本中の基本。
って言うか、言葉の使い方レベルの問題。
それをですよ、「潜在ニーズ」なんて・・・バカ丸出し・・・。
呆れるばかりです。
で、自分が「ウォンツ」に基づく商売をしているという認識を持つから、より優れたセールスパーソンになれる・・って、大先生はわかりやす~く教えてくれています。
アホの教えを聞いちゃうから、優れたセールスパーソンになれないのです。
アホの教えは「完全無視・除去・消毒」が必要なんですよ。
で、ここまでが基本。
読者の方には、もう少し高いレベルの話もしましょうね。
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・・顧客の心の中に「ウォンツ」を作り出さなくてはいけない(中略)。
初めてマーケティングに携わる人は、「他社の商品よりも自社の商品が優れているX個の理由」といった論理的かつ理性的な販売キャンペーンを企画しがちだが、それは間違いである。販売しようとしている商品がトラクターや灯油などの必需品であれば、それでもさほど問題はない。だが、それ以外のほとんどの商品の場合はダメだ。ウォンツを販売する際のキャッチコピーに必要な「感情を刺激する」という要素がまったく含まれていないからだ。
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そう、私たちは「ウォンツ」を作り出さなければならないのです。
キャッチコピー(=アプローチトーク)で、感情を刺激しなければ、売れないのです。
で、考えてみて下さいよ。
「保険の話を聞いていただけませんか?」
「保障は大切です」
「ライフプランについて考えたことがありますか?」
これ、全然感情を刺激しませんよ。
刺激されるとしたら「うるせ~よ」「イヤだよ」という感情でしょ?
ましてや「あなたのためにお時間を下さい。2時間下さい」なんて言ったら、「ふざけんなよ! あなたのためじゃなくて、お前が売りたいだけだろ? 何でお前のために2時間も割かなきゃならないの? 2時間あるなら、借りっぱなしの映画のDVD見るよ!」っていう感情を刺激しちゃうんですよ。
ね、わかるでしょ?
会社の教えなんか聞いてたら、売れるはずがないのです!
だから「完全無視・除去・消毒」なんですよ。
受講生の方も、別の意味でわかるでしょ?
私、セミナーで全く同じこと、言ってましたよね。
どの本読んだって、同じようなことが書いてある。
なぜなら、それが「正しい理論」だから。
そんな基本すら知らず、間違った「売れない教え」を強要しちゃうのが、この業界の指導者の大半なのです。
だから「完全無視・除去・消毒」なんですよ。
さらに、「他社の商品よりも自社の商品が優れているX個の理由」といった言い方や売り方についても、「それは間違いである」と、はっきり書かれています。
何回か前のこのメルマガでも書きましたよね。
「商品売り」したら「廃業」だって。
マスターソン先生も「それ以外のほとんどの商品の場合はダメだ」って、切り捨ててます。
私たちの業界で笑っちゃうのは、ショーもない商品を売っている会社ほど、商品のメリットをセールスレディさんに教育する(完全にウソの教育だけど)んですよね。
保険金を払わない会社ほど、保険金を払ったことを美談にする・・・まあ、どっちも同じ会社ですけど。
・・・話が超低空レベルになってしまったので、そろそろ締めましょうね。
売るためのプロセスは、単純な言葉に集約できます。
「15秒のアプローチで『聞き手の心を刺激』して、20分のプレゼンテーションで『この人の話を聞いた私は賢い』と納得させる」
これしかありません。
それこそがまさに「ウォンツ」を作り出すという行為であり、「購買心理の充足」、すなわち「契約」という結果をもたらすプロセスなのです。
・・・それをね、「潜在ニーズ」・・・
異次元の世界ですよ。
ああ、怖ろしや・・・