3回続けて、「セールストークの冒頭には、オファー(見込み客の利益になること)を“一刻も早く”提示しなければならない」ということを述べました。
3冊の本から引用しましたが、正しい本には、どれも同じ「正しい教え」(会社の教えとは真逆!)が書いてあるのです。
今日もその続き。
別の本だけど、やっぱり同じことが書いてある。
本はこちら。
☆「クロージングの心理技術21」ドルー・エリック・ホイットマン
こうした権威たちの書いた本には、「セールスは(ビジネスは、広告は、マーケティングは)、すべて心理学に基づいている」というようなことがしばしば書かれています。
そう、「すべて心理学」なんですよ!
私たちが行っているのは「現代のビジネス」です。
「活動量」とか「気合と根性」とか「もっと、たくさん」とか「使命」とかいった「アホ丸出しの原始的迷信の世界」の話ではありません。
ということで、引用します。
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BRAIN SCRIPT8【恐怖】・・さらなる欲求を掘り起こす奥の手
・・・あなたのセールストーク・・・挨拶を交した後の・・・を、説得力のある際立った言葉で始めることが重要なのだ。
(中略。この後、空手教室への勧誘のセールストークの例が出てくる)
これのどこがいけない? パーフェクトじゃないか。その商品について説明し、メリットを述べ、教える時間帯と月謝を伝え、月謝割引と無料講習会のことにも触れている。立派なものじゃないだろうか。違うかい?
違う。内容がおそろしく不十分だし、事実情報を伝えるタイミングもなってない。素人のセールストークと言うしかない。相手はおそらくセールスパーソンの話の内容よりも彼の性格やルックス、施設の外見を基準に判断を下すしかない。仮に売り込みに成功したとしたら、それはただのまぐれか、あるいは疲れ切った父親のこんな気持ちの結果に過ぎない。「もうどこでもいいから息子を入れよう。どこもきっと似たり寄ったりなのさ」(中略)
・・・あなたの上司にわかっていないのは、すべての人間を同じやり方で説得できるわけではないという事実だ。セールスパーソンに対して「このやり方だけで売れ」とは言えないのだ。それは不合理な話であり、最良のセールスピープルがそのツールボックスに複数のツールを入れておくわけがそこにある。そしてまた、この本が複数の原理を説くわけもそこにある。
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ね、ここでも「挨拶を交した後の」でしょ?
だから、挨拶を交した後に、暑いだの寒いだの雨だの何だのといった話をするなんてのは、もう絶対に絶~対にやっちゃダメなことなんですよ。
気象予報士じゃないんだからね。
でね、ここでも読み飛ばしたくないのが、タイトルの後のキャプション。
「さらなる欲求を掘り起こす奥の手」って書いてある。
「欲求」・・・ウォンツですよ。
ニーズじゃないですよ。「潜在ニーズ」なんてものは、生保セールスの世界には存在しませんからね!
で、先に進むと、「その商品について説明し、メリットを述べ、教える時間帯と月謝を伝え、月謝割引と無料講習会のことにも触れている。立派なものじゃないだろうか。違うかい?」とある。
対する筆者の結論は、「違う。内容がおそろしく不十分だし、事実情報を伝えるタイミングもなってない。素人のセールストークと言うしかない」となる。
ホント、私もトークセミナーをやると、ほとんどの場合において、同じように思います。
「それじゃド素人じゃん!」って。
でも、それも仕方ない。だって、ド素人に教わったトークなんだから。
はい、今回のポイントは、「セールストークは『説明』ではない」ということ。
「その商品について説明し、メリットを述べ、教える時間帯と月謝を伝え、月謝割引と無料講習会のことにも触れている。それじゃダメなの?」に対する答えは、「それじゃ素人!」なのです。
私、アプローチの際には、一切、「説明っぽい言葉」は発しません。
2分もあれば終わっちゃうから、説明なんて入り込む余地はないしね。
プレゼンテーションの時にも、「説明」はしません。
そもそも、セミナーで「『説明する』という言葉は、書き言葉でもトークでも禁句!」と明言しています。
でもね、ほとんどの人が、セールストークを「説明」だと思っちゃってるでしょ?
だから、説明ばっかりしてるでしょ?
あのね、説明で売れるなら、最高のセールスパーソンは「パンフレット君」や「約款君」や「ホームページ君」なのですよ。
セールスパーソンなんか、不要なのです。
でも、説明じゃ売れないから、会社は高い人件費を払ってセールスを雇っているのです。
そして、説明じゃ売れないのに、説明しちゃう人がほとんどだから、3年以内に93%が廃業しちゃうのです。
こういうことは、生保セールスというビジネスに対する根本的な認識の問題。
ビジネスじゃなくて、何かの修行や、宗教活動みたいなことばっかり会社が言ってるから、セールスさんがビジネスの基本さえも見えなくなっちゃっているのですよ!
「セールストーク」とは、あくまでセールストークであって、「説明」ではありません。
まずはこのことを明確に認識することが必要です。
売れている人は、説明が上手なのではなく、セールストークが上手なのです。
あなた、「説明」、しちゃってませんか?
しかもそれを何時間もやっちゃってませんか?
理論から言ったら、そんなことやったら売れるはずがないのですよ?
正しい方法とは「真逆」なんですよ?
だから、あなたも「説明」じゃなくて「セールストークが上手」にならなければならない。
そのための要件は2つしかありません。
1、台本のレベルが高くて
2、それをしっかりと練習している
ビジネスというのは、こうしたわかりやすいものです。
「もっと」「たくさん」「活動量」といった、あいまいで、低レベルなもので
はありません。