まずは、このところの一連の記事の主旨をまとめます。
■セールストークの冒頭には、オファー(見込み客の利益になること)を、“一刻も早く”提示しなければならない。
■セールストークは「説明」ではない。説明で売れるなら、最高のセールスパーソンは「パンフレット君」であって、セールスは不要。説明では売れないから、セールスパーソンが必要なのだ。
今日もその続きです。
前回の引用箇所を、さらに深く掘り下げます。
たくさんの素晴らしい「正しい理論」を教えてくれる本はこちら。
~お客を決断させるセールスの科学~
☆「クロージングの心理技術21」ドルー・エリック・ホイットマン
では、前回引用した部分を再掲します。
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“セールス”とは、売ることなのだ。情報を提供することではない。(中略)
卓越したセールスピープルなら、成功しているセールスパーソンはコミュニケーションの達人であることをみんな知っている。彼らは影響力を発揮できるやり方で戦略的に情報を提供し、見込み客が自身で買うと決めたことに満足できるような説得力ある会話を通して契約を結ぶ。
忘れるなかれ。人に買おうという気持ちを起こさせるのは、まずは感情である。その気持ちは・・・実際は感情に促されて行った判断を、自分は成熟した大人の責任において判断したと思えるように・・・十分信用できるようにうまく構成した理屈付けによって正当化される。
~~~~~~
前回の記事ではあえて触れなかった箇所について解説します。
これ、「売るため」には必須の部分だけど、会社の教えの通りにやると、完全に真逆になっちゃいます。
だから、とっても大事なのです。
該当部分はここ。
「彼ら(成功しているセールスパーソン)は影響力を発揮できるやり方で、戦略的に情報を提供し・・・」
というところ。
これ、ホント、大事ですよ。
だってね、逆を言えば、
「影響力を発揮できないやり方で、ただ漫然とたくさんの情報を提供しちゃうと、成功できない」
ってことなのですから。
でもね、ほとんどの人がこの状態でしょ?
・・・って言うか、全然そこまで考えてないし、会社は真逆(絶望的に売れない教え)しか教えないしね。
だから3年以内に93%が廃業を余儀なくされちゃうんですよ。
さあ、今から私が、そんな「絶望的に売れない教え」から、脱却させてあげますからね!
まずは「影響力が発揮できるやり方で」というところ。
「影響力が発揮できるやり方」というのは、専門用語で言うと「ポジショニングで」。優位に立てるポジショニングでお客様と対面しなければならない。
では、その「ポジション」はどうやって築くのかと言うと、ここでもやっぱり大前提となるのが「商品はあなた」。
だから、お客様から見た「あなたの見た目」と「あなたの口から発せられる言葉」、そしてあなたのプロフィールで築くしかありません。
まずは「見た目」。
前にも書いたように、あなたが驚くほどのイケメン・美女なら、見た目で影響力が発揮できる。
でも、残念ながら、私を含めてほとんどの人はそうは行かない・・・。
そういう点で「体がデカい」は、売れる資質なんですよ。
コワモテも。
分かりやすく言うと、竹内力とか安岡力也とか白鵬とかジョニーちゃんとかなら、「オイ、オレの言うこと、聞けよ!」って言うだけで影響力が発揮できる。
でも、これが俳優の温水さんだと、逆に「オッサン、何言ってんの?」になっちゃう。
これも残念ながら、私を含めて多くの人はそうは行かない。
「では、どうするの?」・・・目一杯努力をするしかないのです。
目一杯の努力です!!!
「普通に」「金融マンらしく」で売れるなら、廃業する人なんていませんよ!
かつて、ジョニーちゃんと飲み屋に向かって歩いている時、ジョニーちゃん、「憤懣やる方ない」といった口調で、私にこう言いました。
「三洞さん、オレがどんだけ考えてこういう格好をしてるのかってことを、アイツらは全然わかってないんですよ!」
その日のジョニーちゃんの服装は、アロハに短パンにゴム草履でした。
「どんだけ考えてこういう格好をしてるのか・・・」
そんだけ考えてるってことですよ。
ただ無難にスーツ着てるヤツらは、何も考えてないワケですよ。
考えてないから売れないんですよ。
そして「言葉」。
「喋ってもイイですけど、半年ぐらいお待ちいただきますよ」
「私がお伺いしてもイイですけど、その場合、距離に関わらず出張量として10万円いただきますよ」
これなら影響力が発揮できる。
上記は実際に私が使っている言葉です。
これを「極端すぎる」なんて思ったらいけませんよ。
こういう「事例」は、わかりやすいものを提示しているのであって、程度問題だし、「自分ならどうするべきか」と考えるから(ジョニーちゃんのように、「オレがどんだけ考えて・・・」ぐらい考えるから)、「自分が売れるトーク」が見付かるのです。
逆に、影響力が絶対に発揮できない「絶対の禁句」の際たるものが、「話を聞いていただけませんか?」に代表される「お伺いトーク」。
・・・絶対の禁句を使ってたら、売れるはずがないのは当然なのです!
そしてもう一つが「顧客第一」の誤った解釈。
これって、日本人ならどうしても「何でもお客様の意見優先」「お客様は神様」的な解釈をして、そういう態度を取ってしまう。
そうなったら、こっちがお客様の影響力を受けちゃうでしょ?
だから真逆なのです。
それでは絶望的に売れません。
そして最後が「プロフィール」。
分かりやすいのが「東大出身です」。
これは影響力が発揮しやすいですよ。
でもね、これまた大半の人が、誰もが驚くようなプロフィールを持ってはいない。
とは言え、これも大丈夫なんですよ。
学歴詐称なんてセコい真似はしなくても、ありのままの自分を出して、それで影響力が発揮できる相手(これがまさに「ターゲット」)が見えていればイイ。
例えば、7歳・5歳・3歳の子を持つ親に、「2歳違いで3人ですか! それ、私と同じですよ! ウチはもう17歳・15歳・13歳ですけどね」と言えばイイ。
続く言葉なんて簡単ですよ。
「私と同じ保険設計にすればイイ。私、これが仕事ですからね。自分の保険で損するなんて、絶対にしたくないですから。・・・やります?」
これが「影響力が発揮できる言葉」。
クダラネ~FFなんかやるより、見込み客ははるかに納得し、喜びます。
そして、はるかに短時間で簡単に売れます。
はい、上記を踏まえた上で、続く言葉です。
「・・・戦略的に情報を提供し」です。
「戦略的に情報を提供」ですよ!
ただ全部喋るなんてのは、戦略ゼロなのです!
何~も考えてない。
何も考えずにスーツ着て、何も考えずに喋る・・・何も考えずに売ろうってのが、甘過ぎなのです!
「オレがどんだけ考えて・・」って言えるぐらい考えるから、売れるのです。
私だって最初は、会社から教わったトークで喋りましたよ。
営業経験ゼロ、お客様と電話で喋ったことすらないのですから、必然的にそうなります。
でもね、一瞬で気付くでしょ?
「これじゃ売れネ~!」って。
気付かない人はアホだから、売れなくても仕方ない・・・って、口の悪い私は言っちゃいます。
感性がマヒしてると言うか、起業家意識がなくて、「会社の言うことを聞いていればお金が貰える」という根本的な勘違いをしているから、起業家としてはやって行けず、廃業に至るのです。
・・・これも当たり前のこと。
私は22年前、セールス開始早々に、すぐにこう思いました。
「今は仲の良い人ばかりを相手にしてるからイイけど、そうじゃなくなったら、このトークじゃ滅多に売れないな~。だったらどうすれば?・・・」って。
以降、「戦略的に情報を提供」して行った結果(「どうすれば?」って考えるということが、戦略的ということ)、アプローチのトークはどんどん短くなり・・・つまりは経験を重ねて、ケーススタディが増えて行くにつれて、どんどん「戦略的」の度合いが高まった結果・・・「トークは15秒で完結できる」と気付くことができました!
そして、この15年間で断られたことは1回だけ・・・になることができました。
「オレがどんだけ考えて」の結果です。
セミナーでは、こうした22年間の「オレがどんだけ考えて・・・」の結晶をお話してますからね。
・・・受講料、安過ぎだといつも思ってます。