ビジネスの「常識」

生命保険営業の本質!

 昨日は「MLミーティング」というものを開催したので、夜の懇親会を含め、1日中受講生と喋っていました。
 朝にもclubhouseで喋ったし、午前中には「面会」もあったしね。

 まあ、clubhouseだのZOOMだののおかげで、コミュニケーションを取るのがとっても簡単になって……ってことは営業もとってもやりやすくなったのに、いまだに「会わなきゃならない」なんて思っている人が大半だから、「まともな人たち」にとっては、今まで以上に「楽勝!」な時代になったということですよ。
 ホント、ありがたいよね〜。

 オレの感覚だと、こういうツールを使わないのって、「洗濯機を使わない」「冷蔵庫を使わない」のレベルで「それって……不便じゃない?」って思うんだよね〜。

 でね、洗濯機や冷蔵庫は「生活必需品」と呼ばれているけれども、かつて、そんなものがなかった時代には……なかったのだから「必需品」ではあり得ないよね。
 物質文明の発達によってそういうモノが生まれ、「ないとかなり不便」だと認識する人が大半になったから「必需品」と呼ばれるようになったのよ。

 それ以前の……人類の長〜い歴史の大半においては、「必要」(=ニーズ)とは「ないと死んじゃうもの」を指していた。
 それは「空気、水、食物、SEX」の4つ。

 その後、「あった方が命の危機が減るな〜!」と思われるものが出現し始めた。
 「壁」「屋根」なんてものがそれに当たる。
 あった方が外敵や風雨や気温の変化から身を守れるし、安眠できる率が高まるからね。

 そういうものも、最初は「欲求」(=ウォンツ)だったのよ。
 でも、その「ウォンツ」が高まり、常識化したから「ニーズ」と認識されるようになった。

 現代のマーケティングにおいても、同じような歴史があり、同じような経緯をたどっている。
 1950年代後半には「白黒テレビ」「洗濯機」「冷蔵庫」が「三種の神器」と呼ばれていた「憧れの家電」だったのよ。
 それが1960年代半ばになると「カラーテレビ」「クーラー」「自動車」の「3C」が、新たな「三種の神器」になった。

 でね、他界した私のオヤジあたりの年代だと、この「3C」は、おそらく感覚的に「永遠の3C」であり「永遠の必需品」なのよ。
 ところが今は「永遠じゃないぜ」になって来たよね。

 エアコンについては、日本は南北に長くて四季があるから「必需品」の度合いが高いけれども……でもオレなんかは、家を建て替える前は、自室にはエアコンがなかったからね。
 そこでず〜っと暮らし、仕事をしていたのだから「ないと死んじゃう」なんてことはあり得ません。
 沖縄のフミコは、「エアコンはず〜っと付けてる。そうしないと沖縄では家が傷むから」と言っていたけれども、海がないから潮風なんて絶対に吹かない埼玉では、そんな心配もありません(笑)。

 テレビに至っては、今はテレビがない家が増えて来た。
 ウチの息子のトシくんも「去年は1秒もテレビを見なかった」と言っていたしね。
 PCの液晶画面さえあればイイのだから。

 車も、ここ20年で「ウォンツ」が急速に低下したよね。
 私は運転免許すら持たない人間だけれども、それでも若い頃は高級車やスポーツカーに対する憧れがあったからね〜。
 でも今の若い人は、そういう思いが希薄な人がとっても多いでしょ?
 車がないと生活に支障をきたす人は今でも莫大にいるけれども、都心部ではカーシェアリングを利用する人がどんどん増えているし。

 つまり「ニーズ」も「ウォンツ」も、消費者の「感じ方」に応じて、時代とともに変化しているのです。
 その変化の速度も、加速度的に早くなっているのですよ。


 さらに。
 英語の本を読んでいても「needs」「wants」の使い方が変化しているんだよね〜。
 本来は「wants」であるべきものを、あえて「needs」と表現するケースが多くなっている。

 ただしそれは「あえて」「分かっていて」やっていると思うのよ。
 今読んでいる本にも「“あったらいいな”ではなく“ないと困る”のは何なのか?」のような記述があったけれども、それは「今の時代、wantsレベルじゃ売れないよ。それをneedsに昇華させるためのマーケティング思考が必要なのだ」ということ。
 そういうレベルの思考が必要なのですよ。


 でもね……アホな指導者は、こういうことを何〜も分からぬまま、安易に「ニード喚起」なんてエラそうに言うよね。
 それは、そういう言葉を使うと、バカで無知な自分でも少しは利口そうに見えるから。
 ガキが、新しい言葉を知って、それが嬉しくて連呼しているのと同じレベルなのよ。
 だから、「ニード喚起」などという言葉を発した時点で「私はバカです!」と言っているのと同じなのです。

 上記のような「普通の認識」=「常識」があれば、生命保険というものは「必要」(=「ニード商品」)ではないことは明らかだし、主たる機能である「保障」も、「必要なものではない」と明確に認識できるのです。

 この「正しい認識」に立った上で「どうすれば売れるの?」と考えるから正解にたどり着く。
 スタートが間違っていたら……どこまで行っても間違った結論にしか至らないし、どこまで行っても売れません。

 あなたも、せめてこういう「常識」をわきまえたビジネスをしましょうね。