【週に3日だけ働く】
30歳を過ぎた私は、「筆で食えるようになろう!」と思っていました。
しかし、サラリーマンに時間の自由はありません。
そんな時、ソニー生命から「転職しませんか?」という電話が掛かって来ました。
最初は「ガンガンやって、ガンガン稼ぎませんか?」と言われたので、即座にお断りしました。ガンガンやったら筆が持てなくなるからです。
そこで相手は、180度作戦を変えて来ました。
「五十田さん、ウチの会社は休み放題ですよ。来ませんか?」
週に2回、月曜と木曜の朝だけ顔を出せばイイ……これは神様が「書をやれ」と言ってくれているのだと思いました。
単純な私は、その場で「お世話になります」と言いました。
29年前のことです。
そしてこの8月、保険屋人生30年目を迎えました。
ほとんどの人は、「ガンガンやって、ガンガン稼いでやる!」と思ってソニーに行くのでしょう。
ただし私は、少々違っていました。
「週に3日だけ保険の仕事をする。残りの4日間は部屋から出ずに筆を持つ。それで全社員平均の売り上げ(年収1200万)をあげる」。
トシくんが生まれてまだ半年でしたから、週に3日の仕事であっても、「父ちゃん、稼げませんでした」では済まされません。
週に3日の仕事でも、しっかりと稼ぐ……そう思って保険の仕事を始めました。
ただし……思いだけでビジネスが成立するはずがありません。
後年、「セールスはすべて、理論と数字でできている」というダン・ケネディの言葉に出会いましたが、まさにその通り。
売り出し前から、「どうすれば週3日の仕事で、全社員平均の数字を出せるか?」を計算しました。
とは言え、ゴリゴリの文化系の私ですから、難しい計算はできません。また、計算だけの「机上の空論」になっては意味がありません。
計算の結果、週に3日の仕事で「年に48世帯の契約」という結果を出すためには、
→「60人にプレゼンテーション」
→「80人にアプローチ」
→「週に2人の新規見込み客」
ということが分かりました。
この数字を明確にした上で、営業を始めました。
私たち保険セールスがやることは2つだけです。
「マーケティング」と「セールス」の2つ。
「週に2人の新規見込み客」を見つけるのが「マーケティング」。
そこから上が「セールス」であり、私風にいうと「単なる作業」です。
マーケティングプランナーであった私は、「これをやれば、年間43世帯の見込み客が見つかる」という想定数値がありました。
最初は想定数値でしたが(そんなことを教えてくれる人は誰もいない)、実際にやってみると、ほぼその数字で合っていることが確認できました。
その結果、週に2日半の仕事(当時の配偶者が言っていました)で、300週間、契約を取り続けることができました。
3年目の確定申告の売り上げは、1200万になりました。
そしてその10年後、私の「筆で書く」シリーズ3冊が、毎日新聞社から刊行されました。
そうなるための理論と方法を伝えているのが、私のセミナーです。
「短時間で、楽しく、たくさん売るための理論と方法」です。
「活動量」という、愚劣でアホな言葉とは真逆の「正しい方法」です。
こう書かれているのを見て、「こっち側の世界」……「理にかなった、効率の良いビジネスの世界」「ありたい姿を実現する世界」を感じてもらえたら嬉しいです。