生保セールスにとっての「正しい」「売るための」顧客第一とはどういうことかについて、書いてみます。
無料動画でも言っているように、私の手元には毎月3冊のニュースレターと、1冊のビジネス書が届きます。
毎朝、起きてからの1時間、これらを読むことによって、やることも明確になるし、何より「やる気」が起きて来るのですが・・・早く読まないと、溜まっちゃうんですよ。特にビジネス書が。
昨日も、分厚い本を読み始めたばかりなのに、すぐにでも読みたくなる本が新たに届いてしまって・・・まあ、嬉しい悲鳴です。
で、今朝はダン・ケネディからのメインのニュースレターを読んでいたのですが、イヤ〜、やっぱりすごいです!
こういう記事を、日本の生保セールス事情に合わせて翻訳して、ニュースレターとして発行しますが、今日は手始めに、その記事の紹介を。
最初がダン・ケネディの記事で、次が何度かメルマガでも引用したスーパーセールスマンのデイブ・ディーという人の記事。
これもかなり参考になりますが、その次のクレイグ・シンプソンというDMの専門家の記事が、生保セールスに直接役に立つので、そちらを引用します。
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◆「釣りに行くには餌が必要」
伝説のロバート・コリア—に学ぶレッスン
・・・コリアーは「魚釣りについての本は昔からたくさん出版されているが、要するに一番大事なのは、「魚はどの餌に食いつくか」だと言っています。(中略)
・・・読み手が「これを手に入れたら願望実現に近付く」、あるいは「これを手に入れないと、願望実現がもっと難しくなる」という確信を抱くようにするわけです。
◆「自分」のことではなく「顧客」のことから始める
さて、釣りの場合も、魚が変われば使う餌も違ってきます。ですから、セールスライターには見込み客の研究が必要なのです。1行目を読んだ瞬間に見込
み客の注目を集められるような「関心」や「願望」をいくつか見つけ、それらを接点として使えば、自分のレターを他のどんなレターよりも目立たせること
ができます。(中略)
コリアーは、「何をセールスしているのであっても、適切な餌からスタートしなければならない」と結論付けています。あなたの見込み客が関心を持って
いることを見つけ、その関心事を接点として使うのです。急いで結論に突入して、あなたの提案やあなたの商品、あなたの関心事を相手に伝えようとするのではなく。
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上記はまさに、生保セールスを行う上での「基本中の基本」について述べていますが、ただし、基本中の基本の部分だからこそ、誤解したまま読んでしまう
と、最初から間違った方向(=理論とは真逆の、売れない方法)へと進んでしまう危険性があります。
だから、「適切な翻訳と解説」が必要なのです。
例えば「釣りの場合も、魚が変われば使う餌も違ってきます」という箇所。
釣りならまさに「そうしなかったら釣れない」のですが、生保セールスの場合も同じだと思い込むと・・・ターゲットが変わるから、言葉も変えなきゃいけないと思ってしまうと・・・それでは、最初から完全に間違った方向に行ってしまいます。
この辺は、セミナー受講者はよくわかりますよね。
私はまさに、マーケティングの概要を釣りになぞらえて話していますので。
セミナーでは「魚→餌→ポイント→テクニック」という言葉を使っています。
ビジネスは、それがどんなビジネスであれ、例外なく(もちろん「生命保険だけは別」などということはあり得ないが、恐ろしいことにそこまでアホなことを言う会社すら存在する!)、まず最初に「魚」(=ターゲット)を決めることからスタートします。
では、どうやって「魚」を決めるのか?
ここで逆転現象が起こります。
釣りならば「魚に応じて餌を準備」しますが、生保セールスの場合は「魚は餌によって決まる」からです。
なぜなら「餌」とはあなた自身だから。
変えられないし、「あなたじゃなくて、他の人」と言われたら困るワケですよ。
だから「どんな魚なら、自分という餌を見て『大好物が来た!』と思うのか」と考え、ターゲットを「固定」することが最初の作業になります。
つまりは「ターゲットに合わせて言葉を変える」などということは「ターゲットが決まっていない」ということであり、それは「決してやってはいけないこと」なのです。
以上を踏まえた上で、他の記述は、どんな本を読んでも同じようなことが書いてある。つまりは「定番」「常識」のようなもの。
ところが、そんな「常識」さえ欠如しているのが生保セールスの世界!
他の箇所を、生保セールス用に正しく翻訳しますよ。
「最初の一言で、見込み客の注目を集められるような『関心』や『願望』について語り、それらを接点として使えば、自分を他のどんなセールスよりも目立たせることができます」
「何をセールスしているのであっても、適切な餌からスタートしなければならない。あなたの見込み客が関心を持っていることを見つけ、その関心事を接点として使うのです。急いで結論に突入して、あなたの提案やあなたの商品、あなたの関心事を相手に伝えようとするのではなく」
でも、会社の教えは「保障の必要性について語れ」「ライフプランを語れ」でしょ?
そんな餌を食いたいと思う魚なんて・・・いませんよ!
そしてそれは「あなたの提案、あなたの商品、あなたの関心事」であって、顧客にとっては何の関心もないことなのです。
それをやられると、利口になった魚たちは、すぐに見抜くのです。
「餌を装ってるけど、釣り針、あるじゃん! 要するに売るための方便だろ?
バレバレなんだよ、バ〜カ!」って。
・・・売れるはずがありません。
なぜなら「自分の都合優先」だから。
自分よりも先に「顧客」なんですよ。
顧客がどう思うのか、どう感じるのかなのです。
それが真の顧客第一。
会社の教えは、まさに顧客無視だから売れないのです!
前にも書いたけど、顧客の最大のウォンツ(「ニード」じゃない!)は「できれば保険料なんか1円も払いたくない」・・・これを否定したって、何の意味もないし、それは明確な顧客無視。
そこで第2のウォンツに着目すると、それは、
「仕方なく保険料を払っているが、払っているからには1円たりとも損をしたくない」になる。
類似ウォンツとして「バカをみたくない」「騙されたくない」があって、このウォンツはどんな場合にも第2のウォンツとして登場するものです。
でも、これは「潜在的ウォンツ」。特に生命保険の場合はそうなる。
こうしたことが頭の中で理論的に整理されている状態が、プロレベルの「食って行けるビジネス」の状態です。
そうなるための「理論」を学ばずにビジネスしようなんてのは「舐めてんのか?」でしかありません。
潜在的ウォンツに勝るのが「顕在的ウォンツ」。
これが、上記引用文の「見込み客の注目を集められるような『関心』や『願望』について語り・・・」の部分です。
そして、それらを接点として使えば、自分を他のどんなセールスよりも目立たせることができる・・・と、筆者は言っています。
長くなるので、ほんの一例を。
私、この世界に入ったばかりの頃に、音楽仲間からこう言われたことがありました。
「保険なら、入らないからね」
「フザケンナヨ、コノヤロ〜!」と思いましたが、そうは言わず、ただし憤然とした口調でこう言いました。
「お前な、ギブロンレスポールゴールドトップ、買えたのか? まだ買えてないだろ? 欲しいか? 欲しいよな。オレはな、54年型10本買ってもお釣りがくる話を話をしようとしてるんだよ。・・・聞く気、あるか? あるなら喋ってやるよ」
結果はどうだったか?
ちゃんとすぐに契約になりました。
そういう話ができる私が、魚から見た「美味しい餌」であり、そういう話をするからこそ「魚が食いついて来る」のです。
こういう本を読んで、しっかり勉強しましょうね。
☆「クロージングの心理技術21」ドルー・エリック・ホイットマン