生保セールスのあなたは「起業家」なのです!

生命保険営業の本質!

 私は寿司屋のセガレでした。
 小学校は大宮駅からごく近くだったので、商家の子供がたくさんいました。
 中学高校(男子校)は、下町の中小企業経営者(開業医や税理士などの専門職含む)のセガレがとっても多い学校でした。
 だから幸いなことに、サラリーマン意識が元々とっても低いのだと思います。

 それゆえに、歩合制の仕事・・・個人事業主として確定申告する仕事に就いた瞬間から、会社の言うことを聞く気なんか、全然ありませんでした。
 対抗意識や反抗心なんか全然ないですよ。敵じゃなく味方なのですから。
 でも、そりゃそうですよ。会社の言うこと聞いていれば金がもらえるワケじゃないし、起業家なのだから当然です。

 私がソニー生命に入ったのは1995年の8月1日でした。
 最初の3日は泊まりの研修だったので、初めて支社に出社したのは4日目だから、正確な日付はともかく、8月の初旬ですよ。

 私は前職がマーケティングプランナーで、普段はノーネクタイだったし、最初の1ヶ月は9時~5時のカンヅメ研修だと聞いていたから、そんなクソ暑い時期に、客に会うワケでもないのにネクタイをして行く気なんて、最初から意識にありませんでした。
 だから、ピンクの半袖ポロシャツ(ニューヨークで買ったポロのポロシャツ。
コナカの安いスーツぐらいの値段)に、黄色のコットンパンツに、白い編み編みサンダル(安い黒革靴よりは高いぞ!)で初出社して研修を受けました。

 今思えばね、そりゃ、普通じゃないですよ。
 でも、当時の私にとっては、普通だったのです。

 で、初日の研修終了時に、所長から言われました。
 「五十田さん、一応お伝えしますけど、支社長が『ネクタイして来い』って言ってます」って。
 私の答えは、「そんなの関係ないでしょ。客と会うワケでもないし、支社長から給料貰ってるワケじゃないんだから」。
 普通の口調で、穏やかに言いましたよ。

 所長さんも元広告屋だし、私の性格は分かっていたのでしょうね。
 「そう言うと思ってました。私、一応、伝えましたから」。
 私もこう言いました。
 「はい。聞きました。聞いたけど言うこと聞かないって支社長に言って下さって結構です」。
 所長さんの答えは「了解です」。

 それで何か問題、あります?
 毎週契約入れて、300週間それを続けたら、何の問題もありません。
 だって、個人事業主ですから。

 そんな私だから、セミナー受講生の3つの言動に違和感を覚えることが多々あります。

 1つは「会社がダメだって言う」みたいな発言。
 本人はもちろん、会社だって「売れてくれればイイ」のだから、違反行為さえしなければ何をしたって関係ないでしょ?
 それなのになぜ「会社が・・」って言うのか、私にはわかりません。
 そもそも、会社の言うことを聞いたら、売れなくなっちゃうのだし。

 2つ目は、私へのメールに「〇〇生命〇〇支社の〇〇です」って書いてくること。
 あんた、どんだけ会社が好きなの?
 あんた、どんだけ会社に依存したいの? 所属したいの?
 それで金貰えるの?

 私ね、マーケティング的に考えて、現在では唯一と言ってイイでしょうが、会社名を名乗って・・・要するに「ソニー生命の五十田です」と言ってもマイナスにならない会社に所属していましたよ。
 でも、サラリーマン意識が低かったから・・・って、自営業者(起業家)なのだから、そんなのは当然だとしか思えないのですが・・・会社名を名乗ることに何となく違和感を感じていました。
 だから、電話する時も「保険の五十田です」「保険屋の五十田です」って名乗っていました。

 会社名、支社名を付けて自分の名前を名乗ることに違和感を感じないってことの方が、起業家である私には「と~っても違和感!」なのです。

 3つ目は、会社のバッジをしていること。
 サラリーマン時代も会社のバッジなんかしたことがなかった人間にとっては、これも非常に違和感を感じるし、「なぜ?」って思います。

 そもそも、カッコ悪いじゃん!
 オシャレじゃないし!
 ダッセー!・・・って、自分で思わないのかな?

 ソニー生命在籍時代の営業所は、16年連続最優秀営業所だったけど、そこにいた人は誰もバッジ付けていなかったしね。
 ・・・ということは、その方が売れるってことでしょ?

 でね、世界的権威が書いた本を読むと、まさにそういうことが書いてあるのですよ!
 そういう文章を見るたびに(世界的権威が書いた本を読むと、その頻度が非常に高い!)、嬉しくて爆笑するのです。

 この本もそう。
 ☆「脳科学マーケティング100の心理技術」
 
 ものすごく集約して言っちゃうと、こう書いてありました。

●ビジネスや財務を連想させる話題は避ける。
●ビジネスを象徴させるものは不要。

 セミナーでは、「プロフィールシートに、お金の匂いをさせることは書いてはいけない」と言っていますが、まさにその通りでしょ?

 そして、会社名・支社名・会社のバッジなんてのは「ビジネスを象徴させるもの」の典型でしょ?
 さらに、セミナーでは「会社のロゴが見える、会社作成の資料は出さない」と言っています。
 会社のロゴなんて、「ビジネスを象徴させるもの」の、まさに象徴でしょ?

 私の「違和感」は正しかったのです。
 私はサラリーマン意識がとっても低かったから、最初からそうしたものに違和感を感じることができた。 だから、週3日の営業でも300週間契約を続けられたのです。

 こうした「会社主導の思考」に違和感を感じないってことは、起業家意識の欠如なんですよ。
 だって、世界的権威が書いた本には「それはダメ」と明確に書いてあるのですから。

 起業家意識の欠如は、たくさんの「売れない要素」を発生させる原因です。
 あなたは起業家ですよ。
 それを忘れたら・・・起業家らしくない態度を取ったら、起業家としては「終わり」なのです。