古い知り合いが、飲み屋をオープンしたと、半年ほど前に聞きました。
ただし、行ったことがある人はいない・・・。
市内で、電車で3駅なんだから、すぐに行けばいいのですが・・・何しろ、昨夜が今年電車に乗った2回目だし、今年になってから、まださいたま市から出ていないほどの出不精ですから・・・。
でも昨夜は、その店から1駅向こうの店で飲み食いしたので、帰途、立ち寄りました。
私が大学時代に4年間バイトをしていた店の、すぐ近くです。
店主は栄次という男。48歳。
寡黙で潔いヤツです。
で、彼の店の名前が素晴らしい!
「三流酒場 栄次」
もう、明らかに差別化できるし、目立つ。
そして、店名だけでサービスメニューを明らかにし、ターゲットセグメントができちゃってる。
●店は質素だよ。外装も内装も。
●高いはずね~だろ!
●安直なものしか出さないよ
●メニューも壁に書いてあるだけで、少ないよ。
●客を神様扱いしないよ(事実、カウンターの客にテーブル客が注文した品を「渡して」とやっていた。私の店と一緒!)
●そういうオレと、オレの店を好きじゃない人は、来なくて結構。
埼玉の超優良企業に「日高屋チェーン」という、中華食堂のチェーン店があります。
ウチの店の近所の「来々軒」は、今や数百あるチェーン店の、2号店。私が18ぐらいの時にできました。
何しろ、青年時代から今に至るまで頻繁に利用しているので、その成長ぶりをしっかりと目にしています。
ここの社長が、テレビに出演した時に、こう言い切ったのです!
「ウチの店は、美味しくはありません」
すっごいよね~。
月並な社長なら「安くて美味しいです」としか言わないもん。
続けて、こう言いました。
「美味しくはないですが、そこそこの味です。でも、安くて便利です」
これが「差別化」「サービスメニュー」「USP」でしょ?
「美味しくはないですが、そこそこの味」って、テレビで堂々と言える社長だから、儲かっているのです。
スウ3と夜中の2時ぐらいに行って、満席のことがよくあるからね!
ここだけ別世界。「ランチタイム」って錯覚を起こしちゃう。
昔から「無敵の店」と、近所の飲食店主たちから言われています。
「少しでも安く」
「少しでもメニューを増やして」
「少しでも入りやすく」
「少しでもサービスを良くして」
「少しでも広範囲の年齢層に」・・・
飲食店のほとんどが、そんな「絶対に売れないマーケティング」のレベル。
だから、新規開業の飲食店は、5年以内に91.8%が廃業しちゃうのですよ。
でも!
生保セールスの3年以内廃業率・・・93%!
開業資金も家賃も仕入れも人件費も不要なのに!
それほどまでに「生保セールスになろう」なんて人は、バカばっかしなの?
そんなこと、ないよね?
他の業界に行ったら、普通に働ける人が8割でしょ?
それなら・・・何が間違ってるの?
答えは明白。
「会社と指導者の93%がバカだから!」でしか、ありません!
その被害者である状況を受け入れるか、「こっちの正しい世界」に来るかの選択は、本人次第だけどね。
「三流酒場 栄次」は、私たちが行ったら満席になりました。
私たち以外の客は「1組」じゃなくて「1集団」。
彼らが一斉に帰ったら、すぐに別の客が来て・・・でも、一斉に帰った客の一部は「また戻って来ます」と言っていました。
サービスメニューが明確で、ターゲットをしっかりと限定していれば、「1日2回のリピート」さえ獲得できる。
「金融マンらしい格好をして」「保険に入ってくれる人なら誰でもいい」という「売れないアホな金太郎飴」だから、開業資金も家賃も仕入れも人件費も不要なのに、バタバタと潰れて行くのです。
こういう「基本中の基本」すら知らずにビジネスをして儲けようなんてのは・・・「舐めてる」としか、言いようがありません。