信頼できない人間

あなたを売れなくする「間違った教え」

 生保セールス業界における、正しい理論とは正反対の「完全に間違った通念」の代表がこの2つ。

 「何度も会え」
 「時間を掛けろ」

 どちらも、話にならないほど「アホすぎ」なのよ。

 「信号は、赤が進めの合図」
 「日本では、車は右車線を走りましょう」

 そう言っているのと同じレベル。
 すぐに死んじゃいます(笑)。


 「何度も会え」……「4回会っちゃったら成約率はほぼゼロになる」ということを知っていたら、これほどまでにアホなことは言わないはずなんだけど……そんなことさえ知らない人間が、偉そうに指導をして、被害者を作っているということなのです。

 地獄社、外資系に関わらず、みんな同じことを言うのよ。
 「何度も会って、信頼関係を築きなさいと会社から言われた」って。
 でもね……例えば、手元にある本には、こんなことが書いてある。

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【その程度の関係形成で、信頼を築けるか?】

 人と人とのつながりと言うと、たいていの営業職員は顧客との「関係形成」のことだと受け取る。
 しかし、よく覚えておいてもらいたい。関係を形成したとしても、人と人との信頼関係を築いたとは言えない。
 おそらく営業の現場では、人と人とのつながりの築き方を教わることはないだろう。考えてみてほしい。あなたはこれまで、ビジネス環境における純粋な人と人とのつながりの築き方について、どのくらい講義や研修やワークショップに参加したり、本を読んだりしただろうか?
 これまで耳にした営業テクニックのほとんどは、「関係形成」についてだったはずだ。それは、お手軽で、表面的で、わざとらしくて、その場限りで、利己的な、相手に自分を信じさせるための仕掛け(たとえ純粋な気持ちであっても、動機が利己的なのだ)でしかない。
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 セミナーでは「人をバカにするのもイイ加減にしろ」という言い方をしているけれども、相手は、100人が100人、あなたが近寄って行ったら「保険を売りたくて近付いて来た」ということが分かっている……。
 そうすると、人は本能的に(脳科学的な話をしている)「警戒態勢」に入り、本能的に「防御シールドを張る」か「逃げる」を選択する。

 そんな状態で、何度か会って、アメやティッシュをあげた程度で信頼してもらえるなんて思うのは(指導するのは)、まさに人をバカにした行為だよね。
 普通の人は、そんな指導者ほどバカじゃないのだから。
 「あ、オレオレ。事故起こしちゃったんで、お金振り込んで」に引っかかる人を探しましょう!……と言っているようなものなのよ。

 こういうことはすべて科学であり、理論。
 この本では、この後、「信頼の要素は7つあって……」「優先順位は……」と続くけれども、長くなるのでそこには言及しません。

 言及したら、受講生の場合は、「ああ、三洞さんが『レジュメの3割できたら2000万』と言っていたのは本当だな〜」と思うはずです。
 すべてのことをセミナーで言っているし、「7つの要素を抽出するのがワーク1だったのか!」ということに気付くはずだからね。


 ということで、未受講の人に向けて言うけれども、「信頼関係」のような「それらしいけれども、実体なき言葉」が、ビジネスの破綻と、人生のストレスを生むのです。
 そもそも「信頼関係」の定義ができていないでしょ?
 そういうのが、非科学的であり、ビジネスレベルではないということなのよ。
 ガキの遊びレベルなのです。

 分かりやすい例をあげようね。

 5人の子育てをした生保セールスの女性がいたとする。
 それを知った5人の子持ちの女性は、まずは共感を抱くよね。
 そして、その人の「外見や振る舞いが好ましい」と感じた場合には、話を聞きたくなりますよ。
 「子どもの学校のお金って……大変だったでしょ? ウチも5人なんですよ」って。

 その時に、「そりゃそうよ。5人もいたらね。アハハ」とにっこり笑ったら……。
 信頼というのは、こういう時に生まれるのです。

 ただしその時に「5人もいたら、保障をしっかりとしないと!」なんて言っちゃったら……相手は声をかけたことを後悔し、「二度と近づくのはやめよう」と思うのです。

 こういうことを「科学的に」分かっていなかったら……信頼関係なんて築けるはずがありません。
 だから、「何度も会って、信頼関係を築け」などという絵空事を偉そうに口にする人間は、話にならないほど信頼できない人間なのです。

 分かったかな?