「ちゃんとヒアリングすれば売れる」なんてのは、男が合コンで「たくさん質問すれば女の子をお持ち帰りできる」と思っている以下の、間違った教えです。
教えって言うか、教えてないもんね、雑駁すぎて。
ターゲットに対して、何をどう聞けば売れるのかを言わなかったら、教えじゃないですよ。
そもそも「聞けば売れる」なんてのは、「誰だって、あれこれ聞かれたらウザいと思う」という、ごくごく簡単な真理を無視しているでしょ?
これが典型的な「顧客無視」。
でも、アホどもは、真意がわからずに、一方では「顧客第一」などとホザいてる・・・。
まあ、こういうことを書き始めるとキリがないから、今日は、その先の話をちょっとだけします。
白石さんという、この道35年の敬愛するお姉さまがいらっしゃいます。
今夜も店に来てくださるんですよ。
白石さんはもちろん契約者がいっぱいいるし、高齢の契約者が多いから、最近は入院・死亡対応で大変らしいです。
だから、以前から、2人の後輩と組んで、既契約者を訪問させています。
その白石さんが、ある日、こう言いました。
「彼に、高崎の社長さんのところに行かせたのよ。でも、何もセールスの糸口を掴めずに帰って来たのよ。だから私、言ったのよ。ちゃんとヒアリングしなさいって」
それを聞いて、私、お伺いしました。
「白石さん、どうやってヒアリングしろって言ったんですか?」
白石さんの答えはこうでした。
「社長さん、何かお困りのこと、ございます?・・・って聞きなさいって言ったのよ」
白石お姉さまは、天然でおしとやかで、とっても可愛らしいのです。
ほのぼのとした気分になって、笑顔でこうお伝えしました。
「白石さん、それは無理ですよ。社長さんは、白石さんだから『何かございます?』って聞かれたら、『白石さん、聞いてよ。実はさ~・・・』って言うんでしょ? 彼に聞かれたって『お前に言って解決するのか?』ってなっちゃいますよ」
「ああ、そりゃそうよね~」・・・お姉さま、そう言って下さいました。
そう、同じ言葉で、同じことを聞いたって、あなたと見込み客の関係によって、違う答えが返って来る・・・この事実を知らないから(正しい理論を知らないから考察できない)、「聞けば売れる」などという雑駁なことを言うのです。
例えば、4人の子育てをした母親と、その長女(独身、25歳)が、2人とも生保セールスだったとします・・・実際に受講生でいたんですよ。
その2人が、30歳で2歳の子を持つ見込み客に、こう聞いたとしましょう。
「子育てでお困りのこと、あります?」って。
当然、答えはが返って来る確率も、答えの内容も違ってきますよ。
ママの方なら「〇〇に困ってます」って言うかもしれないけど、娘の方なら「何でアンタが偉そうに!」になっちゃうから、「特には・・・」になる。
そもそも、ターゲットが明確じゃないから、質問しなきゃならない。
売れる人は、聞いてるんじゃなくて、「答えを引き出している」のです。
それがプロの仕事。
「教えてクレクレ」は、GIVEのない「クレクレ営業」。
ド素人だから、食っては行けないのです。
受講生で、ものすごい実績を挙げていた仙台の女性に、聞いてみたことがあります。
「せっちゃん、FF(ファクトファインディング、事情聴取)、やるの?」
答えはこうでした。
「私、売れる質問しかしないもん」・・・その通り。
メットライフでいつも1桁順位のおじさんは、1つの事しか聞きません。
超シンプルな質問&トークで、毎年何千万も売ってます。
ターゲットが明確なら、答えを引き出すための1つの質問で充分なのです。
これが真理。
「聞けば売れる」なんて、レベルが低すぎて、話になりませんよ。