耳にしてきたことは信じてはいけない

生命保険営業の本質!

 中国だったかエジプトだったかは忘れちゃったけど、4000年ぐらい前の文献(とは言っても紙はまだない時代ですが)に、「今時の若い者は・・・」という言葉があるそうです。

 それを考えると、せいぜい数十年の中での「世代論」を語るのは、意味がないとは言わないけれども・・・まあ、結局はあまり意味はないし、同時に「真理」ってものは時代が経っても変わらないということなのでしょう。

 ということで、ブッダの言葉です。

 「あなたがこれまで耳にしてきたことは信じてはいけない。しきたりを信じてはいけない。なぜなら、しきたりは何世代にもわたって何世代にもわたって受け継がれてきたものだから。
 だから、何も信じてはいけない。なぜなら、すべてのことは多くの人が噂し、話しているだけにすぎないから。
 昔の賢人の言葉が書いてあるというだけで信じてはいけない。憶測を信じてはいけない。あなたの先生だから、あなたより年長だからという理由だけで権威を信じてはいけない。
 よく観察し、分析し、理由を納得し、よいことをもたらし、みんなの役に立ついうときに、初めてそれを受け入れ、それに従って行動しなさい」

 こういうのが、「時代を超えた真理」ですよ。
 だから、あなたが日々耳にする「生保セールスとは、こういうもの」という言葉なんか「信じてはいけない」のです。

 ましてやそうした言葉は、ちょっと前のメルマガに書いたように、「100年以上にわたって、ごく普通の能力を持った人の93%を廃業に追い込んだ教え」なのですからね。
 「ず~っと実証されている間違った教え」だということ。
 ・・・信じちゃったら、おしまいです。
 

 その上で。

 マーケティング的に考察すると、生保セールスの仕事というのは、次の3つと非常に多くの共通点を持っています。

 ●漁師
 ●開業医
 ●婚活

 ブッダの言葉「よく観察し、分析し、理由を納得し・・・」。
 これは私が、「身をもって観察し、分析」した結果ですからね。
 だから、セミナー受講生は、なぜこの3つが生保セールスの仕事とよく似ているのかという「理由」を、明快に「納得」できているのです(ただし、実践できているかどうかは別だけど)。

 この中で、「対面して売る作業」においてほぼ同一なのが開業医。
 眼の前の見込み客に「契約します!」と言わせるまでの言葉の使い方は、ドクターとほぼ一緒。
 購買心理学的にも、見込み客と患者の心の動きは同じなのです。

 で、理論の解説抜きに、いきなり突っ込んだことを言っちゃっても理解できないだろうから、ものすご~く根源的なことを2つ、言いましょうね。

 まず、患者はなぜ病院に来たのか?
 それは「痛いから」。
 苦痛を感じなかったら、病院なんて、誰も行きたくはありません。

 でも、会社の教えは、痛みを感じていない人に対して、誰彼かまわず「健康になりましょうよ!」と言い続けろ・・・ですよね。
 「健康になりましょうよ!」という広告コピー(=セールストーク)は、スポーツジムや健康食品業者なら使えますが・・・開業医には使えません。
 病院に行ったのに、目の前のドクターが「健康になりましょうよ!」とばかり言ってたら・・・あなただって腹が立ちますよね。
 「ガタガタ言わずに早く薬くれよ!」「もうあの病院には行かない!」になるはずです。

 それ以前に、ドクターは、「話を聞いていただけませんか?」のような「お伺い」はしませんよね。
 「薬、何が欲しいですか?」とも聞かないですよね。
 薬の成分なんか説明しませんよね。「熱を冷ます薬」「胃の荒れを治す薬」「痛みを止める薬」のように、患者が得られる「結果」だけを告げますよね。

 「来てくださって、治療を受けてくださって、薬を買ってくださって、ありがとうございます!」なんて、言いませんよね。
 受付のお姉さんだって、言いません。
 お金を払う立場である患者の方が、「ありがとうございます」って言うんでしょ?


 ブッダが言ったように、「あなたがこれまで耳にしてきたことは信じてはいけない」のですよ。
 なぜならそれは「すべてのことは多くの人が噂し、話しているだけにすぎない」のだから。
 ましてや「普通の能力を持った人の93%を廃業に追い込んできた教え」など、信じてはいけないに決まっていますよ。
 あなたが生保セールスというビジネスで成功したいのなら、「よく観察し、分析し、理由を納得」できた時に「初めてそれを受け入れる」べきなのです。

 「セールスはすべて、心理学と数字でできている」
 「計測できないものをビジネスに持ち込むな」

 ダン・ケネディの言葉です。
 迷信、妄想のたぐいでしかない言葉を受け入れるなんて・・・そんなもの、ビジネスとは呼べません。