「無知であること」への対処法

生命保険営業の本質!

生保セールスの93%が転職3年以内に廃業に追い込まれる・・マーケティング不在なのですから、それは必然の数字です。
だって、マーケティング不在で成立するビジネスなんて、今の世の中には存在しないのですから。
何百年も前の物々交換の「市場」だって、そこに市場原理が生まれ、その原理に沿って商品が流通したんですよ。

それなのに、今時、「活動量」だの「大数の法則」だの・・・そんな石器時代のような掛け声が、通用するはずがありません。

では、残りの7%の「ちゃんと売れている人」は、どこが93%の廃業組とは違うのか・・ってあたりを丁度今書いているところですが、執筆の合間に読んでいるこの本

この本「大富豪の起業術」マイケル・マスターソンにも、丁度そんなことが書いてありました。

私の記述については「マニフェスト」をお読みいただくとして、マスターソン大先生がなんて言っているのかを、まずはお伝えします。

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 新しく事業を始めようとする人に共通する問題点は「無知であること」だ。
 (中略)
「無知であること」の対処法は学ぶことである。ビジネスについて学ぶ方法は大きく2つある。まずはセミナーや講座を受講したり、本を読むこと。これらは業界に関する一般的かつ間接的な知識を得るための方法だ。もう1つの方法は、実際に事業をしている人から個人的に話を聞き、直接的なアドバイスをもらうことである。
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そう、私も最初は、間違いなく「無知」でしたよ。

幸いなことに、「全世界のあらゆる商品・サービスを売るための必須の要素」である「マーケティング」については、仕事だったので知っていました。
しかし、「実際に現場でどうすればよいのか?」については、無知なんてもんじゃありません。
だって、営業経験どころか、お客様と対面で話したことも、電話で話したことさえもなかったのですから。

でも、会社がくれたマニュアルには、「うわっ! こんなことしたら売れないに決まってるじゃん!」・・なことしか書いてない。

では、どうすればイイのか?・・って考えて、2つの結論に達しました。


●理論に沿ってやりながら、自分で考えるしかない

マスターソン先生は「まずはセミナーや講座を受講したり、本を読むこと」って言ってるけど、残念ながら、当時はマーケティング本なんて、全然売ってなかったんですよ。
ビジネス本だって、「戦国武将に学ぶ部下管理術」のようなチンケな本しかなかった。ある意味「日本初」の、中小起業・個人事業向けのマーケティング本である「神田本」だって、私がソニーを卒業してから出た本ですから。

セミナーも同様で、みんなで「私はデキルっ!」って合唱するような、超低レベルの「モチベーションアップセミナー」しかなかった・・。

だから、自分で考えるしかなかったのです。
そして、それでも迷った時には・・・

●笹井さんと村上さんに質問する。その他「売れてて気の合う人」(ごくわずかだったけど)と話をする。

そう、これなんですよ。
マスターソン先生も、無知の克服のための2つの方法の1つとして挙げていますが、この考えに至ったからこそ、本もセミナーもない時代にも関わらず、営業経験ゼロの男が生き残ることができたのです。

で、ここで、今日言いたい大事なこと。

「困った時には笹井さんと村上さんに聞く」って決めることができたのは、その前の段階で、「自分の頭で考える」って決めたからこそ。

これをやらないで「言われる通りに」だから、93%が廃業しちゃうんでしょ?

最新版のレジュメに追加したんですけど、名著「人間は自分が考えているような人間になる」の著者のアール・ナイチンゲールが、こういうことを言ってるんですよ。

「もし、何かをしようとして、それを完遂する方法どころかスタートする方法すら思いつかず、情報もなく、ローカルモデルもメンターもいないのなら、それをやっている人々の中に自分を置き、彼らがやっていることはすべてやらないこと。特に全員が同意してやっていることはやらないこと」

ダン・ケネディのような、ある意味、口が悪くて直接的な物言いをする人ならともかく(私も同じだけど)、アール・ナイチンゲールですよ、牧師さんのような人ですよ、そんな人が、こう言ってるんですよ!

それをね、「特に全員が同意してやっていることはやらないこと」どころか、「93%の廃業組がいつも言われている事」を、自分の頭で考えることなしにやっちゃったら・・廃業組に入ってしまうのは、当然ですよ。

私たちは起業家なのです。
まず最初にやるべきは「自分の頭で考えること」です。
断言しますが、会社の教えは売れない教えです。
ごく少数の「奇跡的な指導者の教え」を除いては。
しかもそれは、ほとんどの場合、「会社の教えとは真逆」の教えです。

マスターソン先生は、前述の一文の後、彼に助言を求めに来て大成功した青年が、どのように賢く「他人の助言」を活用したかを、実例をあげて書いています。
「彼のとった行動は次のようなものだった」と、5つの行動をあげていますが、その最後は、こんな一文です。

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●自ら決断し、その責任は自分で負った。

彼は、その事業の成功は最終的に自分の責任であることを理解していた。したがって、さまざまなアドバイスをすべて検討した上で、最終的な決断は自分で下した。(中略)そして、下した決断に対する責任はすべて自分で負うようにした。その決断が成功した場合は、決断に至るまでに助けてくれたすべての手柄として褒め、失敗した場合は自分の過ちとした。
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この青年はサラリーマンです。サラリーマンだって、自分で考え、決断し、責任を負っているのです。だから大成功したのです。

会社の教えは「売れない教え」です。
その教えで93%が廃業しちゃうのだから、そんなことは誰だって、ちょっと考えればわかるはずなのです。

それなのに、自分の頭で考えることなく、「みんながやっていること(やれって言われていること)」をやっちゃうのは、起業家のすることではありません。
だから起業が失敗に終わるのです。

会社の教えが「売れない教え」であっても、あなたが売れるか売れないかは、会社のせいではありません。
「自分の頭で考えたかどうか」が結果に直結するのであり、結果についての責任は、あなたが負うしかないのです。