プロアクティブ

生命保険営業の本質!

私は、新聞は弟の店にあるスポーツ新聞しか読みません。
地上波のテレビも滅多に見ません。

だから、世の中のどうでもイイ出来事については、とっても不案内です。
有名人の他界も知らないし、AKBもAVに転向した人しか知りません。
でも、そんなものは私のビジネスとは何の関係もありませんからね。

そんな私が、今日は久々に「存在悪」のNHKを結構長時間見てしまいましたが(高校野球と大相撲があるから仕方ない)・・腹が立ちました。
たまに見ると、どうしてあんなに低俗かつバカなのかと呆れ果てます。
今日は大相撲で怒っちゃったからな~。

まあ、そんなことはどうでもよくて、今回はNHKではやってないCMの話。

かつて広告代理店のサラリーマンだった頃は、そりゃ仕事ですから、テレビも見ていましたし、番組と同じくらいにCMも興味深く見ていました。
ただ、その頃から、「売れないCMなんて意味ないじゃん!」って思ってました。だから制作部の人間はほとんど嫌いでした・・仕事上では。

でも、今、部屋で仕事をしている時は、しばしばケーブルテレビがモニターに映っています。

将棋、釣り、麻雀番組以外は、BGM代わりの垂れ流しで洋画のチャンネルに合わせています。英語が覚えられるし。
お好みはアクション映画。
なぜなら、ランボーシリーズとか、スティーブン・セガールとかジャン・クロード・ヴァンダムとかは、ちゃんと見てなくてもストーリーが分かるので、仕事に支障をきたさないのです。

地上波をたまに見ると、20年前とはスポンサーの顔ぶれが大きく異なるので、ある種の感慨があります。
バブル崩壊後に、それ以前では「あり得なかった」サラ金のCMが一気に増えて、その後、パチンコ屋の広告が増えて、今はジャパネットを筆頭とした直販系のCMがものすごく多くなりましたね。
これは、実に正しい流れですよ。

時代は変わっても変わらない(後退してる)のは生保業界だけ。
S社とD社の広告は、いつ見ても「気が狂ってるんだな」としか思えません。
ニッセイさんの広告なんか、私が子供の頃が最高で、「結局何も言えないのだから、あのままやればイイのに」・・って、元広告屋として心底思ってます。
あれはさすがに、当時の広告として素晴らしかったですからね~。

で、まあ、そんなこともどうでもよくて、今日のテーマは「プロアクティブ」。

プロアクティブのCM・・見たことありますよね?
テレビを見ない私がものすごくたくさん見るのだから、普通の人は知っていると思いますが、念のために言っておくと、ニキビケア洗顔剤のCMです。

あの広告を作ってるのは、ダン・ケネディなんですよ。
そりゃ、今では直接作っていないでしょうが、監修は絶対にしてるはず。
だって、彼のプロデュースで創った会社だから。

ホント、流石と思うばかりです。
あれね、元広告屋の私からすると、本当に凄いですよ(ってわかる広告屋なんて、滅多にいないけど)。

何が凄いって、CM素材は定期的に変えてるけど、常に「商品の成分」だとか、製法だとかについては、一切言っていないのです。

洗顔料なんだろうな~・・ってことはCM見れば誰でもわかるけど、普通、似たような商品の広告だと、ビタミンがどうとか、コラーゲンがどうのこうのとか、成分とか製法をしつこく言うじゃないですか。

プロアクティブの広告は、常にそれを一切言ってない。
今の前のバージョンは、ただただ「お客様の声」を並べただけ。
今やっているバージョンは、

●いきなり「オマケ」でしかない「今なら自動洗顔ブラシが付いて来る!」

●ブラシに関する「お客様の声」と、ブラシは高速・低速2つのモードがあるということへの言及。

●肌のほてりを抑える「スキンクーリングセラム」なるものも付いて来る。それについても「ヒンヤリしてて気持ちイ~!」という、一瞬のお客様の声。

●常に出て来る、お得意の「安く見せるテクニック」。「本格的な治療を受けたら何十万円も掛かる効果が・・5万円? 3万円? 
いいえ、今ならたったの4980円!」

●常に出て来る、お得意の「ビッグな保証」。「使い切っても返金保証。プロアクティブが100%(って言ってる!)お気に
召さない場合は、使い切った後の空の容器を返品ください。代金を全額お返しいたします」。

●さらなるダメ押しその1。「ただし、自動洗顔ブラシはお返しいただく必要はありません」。

●さらなるダメ押しその2。「自動洗顔ブラシは、商品がなくなり次第終了します。今すぐ0120-555-GOGOGO!(繰り返し)」


私は、セールスのステージにおいては「プレゼンテーション命!」でした。
そのプレゼンテーションの場においては、設計書は一瞬しか見せませんでした。
なぜ???
考えた結果(ほぼ直感でしたけど)、見せると売れなくなると判断したから。

ダン・ケネディが作ったプロアクティブの広告も一緒です。
石鹸の成分や製法を訴求することには意味がないと判断したから、一切言及しない。
効果がないことに対して、大切な時間(広告は秒数で広告費が莫大に変わる)を使っていないのです。

セミナーの受講生が、しばしば、「三洞さんが、設計書をほとんど説明しないということに驚いた」「設計書を丁寧に説明することは必須だと思ってた」と言って下さいますが、セミナー受講後には「逆効果だからやらないのだ」ということを、皆さん、納得して下さいます。

それは、プロアクティブのCMと、まったく一緒なんですよ。
「世界一の億万長者メーカー」と呼ばれているダン・ケネディは、「説明しない方が売れる」ってわかってる。
だから、商品説明なんて、一切しないのです。

・・そもそも「説明」って言葉自体、禁句だしね。

上記のプロアクティブのCMの「流れ」こそが、狭くはプレゼンテーションのステージ(アプローチのステージではない)、広くはセールスステージ全体における「流れ」であり、必須要因なのです。

だから上記の、プロアクティブのCMの特長の箇条書き・・あれをお客様とのトークスクリプトにしないと売れないんですよ。
会社の教えは「真逆!」ですからね。
それをやっちゃうと、広告費の無駄遣い・・大企業なら持ちこたえられても、たった一人の個人事業のセールスだと持ちこたえられない・・だから約9割が廃業に追い込まれてしまうのです。

同じようなCMで、「ウェン」っていうシャンプーのCM、見たことありません?
同じくダン・ケネディが創ったガシー・レンカーって会社の商品の広告で、女性のナレーションの声が明らかにプロアクティブのCMと同一人物です。

そのCMでも、「ウェン」には何が入ってるとかは一切言ってないんですよね。
こっちの今のCMは「金額比較」「権威」みたいなテクニックが使われてる。
「カリスマヘヤーデザイナーのチャズ・リーのヘヤーサロンに行けば、数万円掛かる効果が・・」みたいな言い方をしている。

こういうのはテクニックですが、テクニックの使い方も、これまた理論なのです。
ただ、それを書くととてつもなく長くなっちゃうから、まずはダン・ケネディ大先生の、我らがバイブルを再読して下さい。

「まだ読んでない」という方は、今すぐこちらから入手して読みましょう。

☆「億万長者の不況に強いセールス戦略」ダン・ケネディ

もう18年ぐらい前のことになるけど、石ちゃんっていう先輩と、一回だけセールス同行したことがあります。

石ちゃんってのは、イシザキという人で、現在もソニー生命にいて、連続挙績の最長不倒距離を持っている男。
1200週ぐらい行ってるのかな?
いつも私の斜め前に座ってたし、「街のアンちゃん」といった点では気性も合ってたし、いつも2人で招待旅行に招かれて部屋が一緒だったので、とっても親しくしていただいた、ありがたい先輩です。

その同行時には、先輩の石ちゃんがプレゼンテーションしましたが、石ちゃんが設計書だけを使って契約を取った時には、私、心底驚きましたよ。
「すげ~! オレにはできね~! 真似できね~!」って、はっきり思いましたよ。

石ちゃんは、ある意味、天才ですよ。
天才だから、設計書の説明だけで、契約が取れるんですよ。
私はその隣に座ってて「オレには絶対に無理」って、心底思うんですよ!

さて、あなた、そこまでの天才?
大抵はそうじゃないですよね。
だったら、商品説明なんかしたら、売れませんよ。
プロアクティブみたいに「理論に沿った」セールスをしなかったら、売れないのです。

・・あなた、全然違うこと、しちゃってませんか?
そうならないために、「正しい理論」を知って下さいね。